雪山登山用スコップとは
雪山用スコップは、雪をすくうブレードと、シャフトと呼ばれる柄の部分で構成されています。折りたたんだり、取り外したりして、コンパクトになるのが特徴。かさばらないよう、軽くて携行しやすいタイプが主流です。
また、冬山登山において、スコップは三種の神器のひとつとして知られています。雪崩により雪に埋もれてしまったとき、信号を発信するビーコンや、雪に突き刺して埋没した人を捜索するプローブとならぶ、雪山装備の代表的なアイテムです。
雪山登山でスコップはどんなときに必要か
雪山登山で、スコップが必要なシーンについて紹介します。
テントの設営前に整地する
スコップは、雪を叩いて固めたり、掘り起こしたりするときに必要です。雪が降り積もったままの状態で、テントを設営すると、沈み込みや凹凸があることも。地面をならせば、居心地のよいテント場をつくれますよ。
ほかにもスコップがあれば、テントに積もった雪を下ろしたり、ブロック上に切り出して防風に使ったりと、重宝するでしょう。
ビバーク時に雪洞をつくる
やむを得ず、雪山で一夜を過ごすとき、スコップがあれば雪洞をつくれます。天候の悪化といったトラブルで、山小屋に到着できない場合もあるでしょう。外気温がマイナスでも、雪の断熱性を活かせば、雪洞をつくってビバークできます。
ツェルトなども有効ですが、室温は外気温とさほど変わりません。低体温症のリスクが高くなるため、万が一のビバークに備えて、スコップを持参するとよいでしょう。
雪崩の救助活動に使う
雪崩が起きたとき、雪に埋もれた人の救助に使います。遭難者を掘り出す際は、多くの人手が必要です。ビーコンで遭難者が発する信号を受信し、プローブを突き刺しておおよその位置を把握したら、速やかにスコップで掘り起こさなくてはなりません。
スコップがあれば、スムーズに作業が進められるため、救出作業に役立つでしょう。スコップは、雪山登山の重要な装備として、各自でひとつ携行することを検討してください。
雪山登山用スコップの選び方3つ
雪山に使用する、スコップの選び方について紹介します。スコップを購入する前に、ポイントをおさえておきましょう。
①コンパクトにもち運べるかチェックする
スコップは、もち運びやすいタイプを選びましょう。ブレードとシャフトが、折りたためるものがベストです。柄と本体が切り離せるスコップなら、ザックに収納しやすいですよ。
②用途に合わせて形を選ぶ
雪山で使うスコップは、小ぶりでシンプルなものが向いています。雪を取りのぞいたり、掘り起こしたりといった用途がメインのため、使い勝手のよいタイプを選びましょう。
ザックのサイズを考慮して、幅が広すぎないものをチョイスするのがベスト。ブレ―ドの形状は、フラットだと雪の切り出しがしやすく、カーブ型だと降り積もった雪をラクに掘れますよ。
③壊れにくい金属製を選ぶ
ブレードは、軽くて丈夫なアルミ製がおすすめ。プラスチック製だと、固い雪で壊れてしまう可能性があります。重い雪にも対応できて、強度のある金属製がイチオシです。
雪山登山の装備についてはこちらの記事もあわせてご覧ください。
雪山登山デビュー!絶対にそろえるべき装備とあると安心な装備
おすすめの雪山登山用スコップ3選
これまで説明してきたポイントをふまえ、おすすめのスコップを3つ紹介します。
①BCA(ビーシーエー)|アーセナルショベルA2EXT
アルミ製で、重さはわずか0.8㎏ほど。シャフト部分に、凍った雪を切るスノーソーが内蔵されているため、雪のブロックを切り出すときに便利です。多機能なスコップを探している人は、要チェックですよ。
②Black Diamond(ブラックダイヤモンド)|エバック9
ブレードの面積が大きいため、効率よく雪を運べるのが特徴です。ブレードとシャフトはアルミ製なので、耐久性に優れているのがうれしいポイント。スコップだけでなく、雪のかき出しに便利な、くわとしても使えますよ。
除雪と雪洞づくりの、両方の機能をもつスコップを探している人におすすめです。
③MAMMUT(マムート)|アリゲーターライド3.0
雪山に適した、シンプルなスコップです。柄の部分が伸縮するので、ザックへの収納や、もち運びにも便利。シャフトを90度にすれば、つるはし型になり、ラクに雪を取りのぞけますよ。
扱いやすい、コンパクトなスコップを探している人にぴったりの商品です。
ライター
Greenfield編集部
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