離岸流について
夏になると、シュノーケリング中に沖に流されてしまったというニュースを聞くことがあります。ここでは、離岸流のリスクについて、説明しましょう。
離岸流とは?
離岸流というのは、海岸の方に打ち寄せた波が、沖に戻ろうとするときに発生する流れのこと。リップカレントとも呼ばれていて、特徴は最大で1秒間に2mともいわれる速さ。
この流れは沖に向かっているので、海岸に戻ろうと泳いでも、なかなか進むことができないわけです。
離岸流を見分けることができるの?
離岸流は起きやすい地形などもあるので、見分ける方法もありますが、実際のところ、一般の人が見分けるのは難しそうです。
ただ、シュノーケリングガイド会社やサーフスクールなどは、知っていることも多いので、聞いてみるのもよいかもしれません。
詳しくはこちらをご覧ください。
海水浴で役立つ予備知識!「離岸流」とPFD(ライフジャケット)の活用方法について
【体験談】離岸流はあっという間に起こる
実際にどんなふうに離岸流に流されたのか、筆者の体験を説明します。シュノーケリング場所は、ギリシャのクレタ島の海水浴場。ここ数年、毎年訪れているスポットで、何十回もシュノーケリングをしている慣れた場所でした。
事前準備はOKのつもりだった
シュノーケリングは「1人ではしない」というのが基本ルール。今回は家族3人(筆者・夫・子ども)でシュノーケリングをしました。
3人ともウェットスーツを着用し、念のためうきわもひとつ用意していたので、準備は万全と思っていました。
最初に気がついた変化は流れの速さ
シュノーケリングポイントまで、いつもはゆっくり泳いで行くのですが、今回はあっという間に着いたなという感じでした。ただ、このときはまだ「潮の流れが少し速いかな?」ぐらいの感覚で、とくに異常を感じることはありませんでした。
泳いでも泳いでも進まない!一気にパニック寸前に
次に気がついたときは、いつものポイントよりもかなり沖に出ていてびっくりしました。そこで、戻るために泳ぎだしましたが、泳いでも泳いでも、まったく先に進みません。このときになって、やっと「あれ?なんかおかしい」と気がつきました。
いくら泳いでも先に進みません。しまいには息が上がってしまい、シュノーケルから息を吸うのが苦しくて、外して少し息を整えなくてはなりませんでした。
このとき、私の頭には「離岸流」という言葉が浮かんではいましたが、パニック寸前で、どうしたらよいか対処法も思い浮かばず、もう頭は真っ白でした。
最後はうきわにつかまりながら泳いで脱出
さいわいなことに、ダイビングや素潜りをする夫は落ち着いていて、体力を消耗してしまった筆者が、うきわを持つことになりました。
そして、棒状のうきわの真ん中に筆者、両隣に夫と子どもがつき、流れを避けるように、海岸と平行方向に少し進んでから、3人で少しずつ岸の方向に向かうことができました。
体験者として〜離岸流に流されたときの対処法
離岸流という言葉は知っていても、その怖さはわかりにくいものです。経験したばかりで、まだ記憶にも新しいので、離岸流に流されたときの対処法についてご紹介します。
まずはあわてないことが大切
いちばん大切なことは、あわてないことです。あわててしまうと、シュノーケルでの呼吸も乱れてしまい、泳ぎ方も力が入ってとんでもなく体力を消耗してしまうことも。
どんなに体調がよく泳ぎがうまい人でも、離岸流に逆行して泳ぐことはできないので、流れに無理して逆らうよりも、冷静になって、どうしたらよいかを考えましょう。
ウェットスーツなども用意しよう
今回のシュノーケリングでよかったのは、ウェットスーツを着用し、うきわも持っていたことです。離岸流だと沖の方まで流されるので、当然海の温度も下がり、低体温になってしまう可能性もあります。
ウェットスーツは、水に浮き保温性もあるので、ある程度の時間なら体を冷やしません。ウェットスーツがない場合は、ライフジャケットやうきわなど、かならず安全対策として、持っていくとよいでしょう。
岸と平行に泳ぐ
離岸流の対策としては、流れから抜け出すために、海岸と平行に、つまり海岸を正面にした場合、左右のどちらかに泳ぐことです。少し流されても、だんだん流れからそれれば、流されなくなりますので、そうなったら岸に向かって泳ぎます。
離岸流に流されないのがいちばんよいのですが、もし流されてしまって「もうパニック寸前」というときは、ライフガードなどに助けを求めることも、念頭に置いておきましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。