北海道の山や自然の様子
年間を通じて冷涼低温な北海道は、梅雨や台風の影響が少なく、約半年間は雪の季節です。
中央部には大雪山と言われている山岳地帯が形成されていて、旭岳を主峰とする2,000m級の峰々が連なっており、「北海道の屋根」呼ばれています。
山々にはナキウサギ、キタキツネ、ヒグマなどが生息し、9月中旬になると河川ではサケの遡上が始まります。
北海道は国立公園、国定公園、道立自然公園、ラムサール条約と自然保護の対象となっているエリアが36ヶ所あり、たくさんの自然に溢れています。
北海道の山を登る時に気をつけてほしいこと
北海道の山の気象条件はプラス1,000mで考えよう!
山好きにとって、百名山踏破はひとつの大きな目標です。
最後に北海道にある百名山を目指す傾向がありますが、3,000m級の山々を登頂してきた人にとっては北海道の百名山に対して物足りなさを感じるかもしれません。
北海道の最高峰は大雪山系旭岳で2,291mです。本州の北アルプスから比べれば、2,300mにも満たない山々は難易度が低いと思うかもしれません。
しかし、北海道の山は標高のとおりにはいきません。厳しい気象条件などを考えると、標高をプラス1,000mで考えてください。
天候が崩れると、真夏でも凍死するリスクが高まる厳しい条件となります。
真夏でも防寒着は必需品です!
7月下旬から8月中旬にかけての真夏の時期でも、フリースジャケットまたはダウンジャケットを持参することをオススメします。
同時期の北アルプス縦走では、防寒着として長袖Tシャツと雨具があれば十分ですが、北海道の山はそうはいきません。
7月といえども、山では朝方に氷点下まで気温が下がることもあります。ベテランの登山者は真夏でもダウンジャケットとパンツを持ち歩いています。
また、テント泊では真夏でも気温が下がった日や風の強い日には寒さで眠れないことがあります。
悪天候の北海道の山は、本州の感覚では想像できないほど過酷な状況になることを知っておいてください。
標高より地形が大事です!
山の難易度は標高で判断してしまう方が多いようですが、より重要なのは地形です。
茨城県の筑波山は標高わずか877mの単独峰ですが、低気圧が接近すれば山頂付近では吹きさらしの風に震えることになります。
以下は北海道にある日本百名山の山頂付近の例です。
- 旭岳2,291m:溶岩ドーム状、ガスがかかれば方向を見失う、風の吹きさらし
- トムラウシ山2,141m:溶岩ドーム、まわりに高い山がなく風の通り道
- 十勝岳:2,077m:活火山で樹木が全くない
〜トムラウシ山遭難事故から学ぶ〜
2009年7月16日早朝から夕方にかけて、北海道トムラウシ山が悪天候に見舞われ、山岳ガイドを含む9名の方が低体温症で死亡した事故。夏山登山で悲しい遭難事故となりました。
低体温症とは、体温が35度以下に低下したり、自律神経が体温調節のコントロールを失ったりすることを指します。体温が著しく低下し、歩くことすら難しくなると言われています。
北海道では7月中旬ですらこのような事故が発生するのです。
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初心者にオススメの北海道の山
ここからは標高ごとに初心者にオススメできる山を紹介します。
藻岩山(531m)
1,000m以下の山では藻岩山(もいわやま)がオススメです。北海道札幌市にある山で、登山コースが5つも整備されており、多くの札幌市民が自然に親しみながら登山を楽しんでいます。
日本新三大夜景の一つとして、札幌の街並みを360度のパノラマで見渡すことができます。
ケーブルカーとロープウェイで山頂まで往復することができるので、片道だけ挑戦するなど初心者にはちょうど良い山なのではないでしょうか。
ニセコアンヌプリ(1,308m)
2,000m以下の山ではニセコアンヌプリがオススメです。登山の初級者から上級者まで楽しむことができます。
植物や鳥などの自然を満喫しながら自分のペースでトレッキングをしたり、家族や友人とアクティビィを楽しむことができます。
「チシマフロウ」や「アカモモ」といったいろいろな種類の高山植物、「鏡沼」の紅葉を見ることができるのが魅力です。
主な登山道は3ルートあり、どのルートも1~2時間ほどで山頂に行くことができるので、ニセコの大自然を楽しみつつも、山登りに挑戦したい方に丁度良いでしょう。
旭岳(2,291m)
2,000m級の山では旭岳がオススメです。
気象条件は緯度の関係で本州の3,000級の山に匹敵しますが、ロープウェイで標高1600mまで一気にあがることができるので、初心者でも2,000m級の山に挑戦することができます。
ロープウェイから2時間ほどで山頂に行くことができます。紅葉の時期の登山は高山植物の群生は天然のカーペットのようでとてもきれいです。
気候的にも歩きやすい7~8月がベストシーズンです。
ライター
Greenfield編集部
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