実際に落雷被害に遭った状況
去年実際に落雷被害に遭い、家電製品の一部とネット環境が壊れた状況を紹介します。
落雷のあった日の天気
筆者は京都と四国の剣山の2カ所に仕事場があります。季節におうじて住みやすい場所を選んでいます。落雷被害を受けたのは剣山麓の標高1,000mほどのところにある仕事場です。
雷の直撃を受けたのは、陽が傾き始めた午後4時頃のこと。その日は、朝から雲一つない快晴でしたが、午後3時頃から急にあたりが薄暗くなり、ゴロゴロと雷が鳴る音が聞こえてきました。
国土交通省が運営するXバンドレーダーを見ると、紫色の積乱雲がすぐ近くまで迫っている状況。しばらくすると強風とともに雹が降るようになり、カチンという金属音とおもに電源が落ちました。
雷の直撃を受けたときは大きな雷鳴というよりほとんど金属音に近い。あとで近所のかたにうかがったところでは、びっくりして飛び上がるくらいの雷鳴が鳴り響いたそうです。
雷対策コンセントが有効に働いた
冷蔵庫やテレビといった家電製品が雷によって使えなくなりました。しかし、上の画像にある雷対策のために装着していた雷対策コンセントを使った家電やパソコンは難を逃れることができました。
実際に落雷被害に遭い雷対策コンセントの大切さを実感しています。
エレコム 電源タップ 雷サージ対応 2個口
実際に落雷被害からガードしてくれたものと同タイプの雷対策コンセント(電源タップ)です。落雷被害に遭うまで気やすめ程度かと思っていましたが、コンセントが熱で変形するほどの落雷高圧電流からパソコンを守ってくれました。
雷のメカニズムについて
雷のメカニズムについて解説します。
雷のメカニズムを簡単に解説
雷は積乱雲のなかでよく発生します。積乱雲は地表で温められた湿気を持つ空気が上昇することで起こるもので、標高が高くなると蒸気が氷粒になり、互いに擦れあうことで生じる静電気が雷の正体です。
また冬に発生する雷は、シベリア大陸から吹いてくる寒気が、湿気の多い日本上空の空気を凍らせ、氷粒が擦れあうことで発生します。
雲に静電気がたまっていっぱいになったとき、地表にむかって放電する現象が落雷です。
雷雲は気象レーダー(xバンドレーダー)で確認可能
上記画像は気象レーダー(xバンドレーダー)積乱雲(雷雲)のようすです。
夏によく発生する積乱雲は、紫やオレンジ色の円形をしており、気象レーダー(xバンドレーダー)にくっきりとうつるので、すぐに雷雲を見わけることができます。
キャンプ時の雷対策について
雷の性質を踏まえ、キャンプ時に行いたい対策について紹介します。
雷の性質①雷は高いものに落ちやすい
雲の中で飽和状態になった静電気(雷)は、地表のいちばん近いところを目指して落ちてきます。
キャンプ時の対策:低い場所への避難
雷は高い建物や樹木、尾根などに落ちやすいので、高いところにいる場合は、低い場所で身をかがめて避難するようにしましょう。
雷の性質②雷は通電しやすい素材を選ぶ
落ちた雷は金属などの電気を通しやすい素材を通り道にして地面に流れていきます。
キャンプ時の対策:車や家の中へ避難
車は周囲を金属で囲われているため、雷の電気は金属部分を通って地面へ流れます。家の場合も外壁や柱などを通って地面に流れます。
そのため、車や家のなかに避難すると比較的安全です。雷の電気が流れる車の金属部分や家の柱、外壁などからは離れて避難するようにしましょう。
雷の性質③雷は避雷針に落ちやすい
避雷針は雷を避けるためのものではなくて、針の先に雷を誘導してほかのものへの被害を最小限にとどめるための施設です。
キャンプ時の対策:避雷針のあるキャンプ場を選ぶ
避雷針があるキャンプ場を選ぶことが大切です。ただし、避雷針が雷から守れるのは、針の先端から45度の角度で斜めに線を引いた円錐形の範囲内とされています。
避雷針を見上げたときの角度が45度の範囲内であれば、落雷の可能性が低くなるということです。ただし、避雷針には雷の高圧電流が流れるため、3m以上離れるようにしてください。
雷がなりだしたらまっさきにすべきこと
頑丈な建物や車へ避難
周囲が外壁でおおわれた頑丈な建物や金属でおおわれた車は、外側を雷が通るため中に避難すれば比較的安全であるといわれています。ただし、外壁のない休憩所のような建物は危険です。
不要なコンセントを抜く
雷が鳴りだしたら、使用していない家電製品のコンセントを抜くようにしましょう。また、雷対策のコンセントも役に立ちます。筆者は雷対策コンセントのおかげでパソコンが壊れずにすみました。
木の下や尾根などの高い場所に近づかない
雷のときには、木の下に避難してはいけません。木に落ちた雷が電気を通しやすい人の身体に飛び移ってくることがあるからです。
周りに木しかない場合は、木の先端を45度の角度で見上げる範囲内で、木の幹から3m以上離れて避難するようにしてください(避雷針の場合と同じ)。
また、山の稜線や尾根などの高い場所をめがけて雷は落ちてくるので、尾根から離れたくぼ地などへ避難するようにしましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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