10代のアスリートの活躍が注目されていますが、前回ソチオリンピックで最年少メダリストとしてギネス記録に認定されたのが平野歩夢選手。15歳で獲得した銀メダルは日本中を驚かせました。19歳になり迎えた平昌オリンピックでの金メダルが期待されます。

ソチオリンピック最年少メダリスト

ソチオリンピックで、日本勢として最初のメダルを獲得したのが、スノーボード・ハーフパイプ平野歩夢選手の銀メダル、平岡卓選手の銅メダルのダブル表彰台でした。

当時、平岡選手17歳、平野選手15歳という若さにも注目され話題となります。

また、オリンピックにおいて、日本人選手がスノーボード競技で史上初めてメダルを獲得した快挙にもなりました。

とくに平野歩夢選手は、このとき15歳と74日。

冬季オリンピックでの日本人史上最年少記録であり、「スノーボードにおける最年少のオリンピックメダリスト」としてギネス世界記録にも認定されることになります。

表彰式後のコメントやインタビューも、競技中のダイナミックなスケーティングとは、かけ離れたあどけなさが残る初々しいものでした。

 

世界が驚いた12歳の全米オープン

彗星のごとく現れた感のある平野歩夢選手ですが、じつは幼少期からその才能が期待されるアスリートとして、さまざまな最年少記録を塗り替えてきました。

サーフショップやスケートパークを運営する父親の影響もあり、4歳からスケートボード、スノーボードを始めると、国内のキッズやジュニアの大会で活躍し、9歳にして世界的なスノーボードメーカー、「バートン」との契約に至ります。

2011年小学校6年生にして世界大会参戦。この年、アメリカバーモント州ストラットンで行われた全米オープンが世界戦デビューとなりました。

結果は13位と決勝には進めませんでしたが、その大人でもかなわないほどの驚きの高さとスケーティング技術は衝撃の小学生ライダーとして注目されます。

世界のトップライダーやオーディエンスが、平野歩夢選手というライダーを認識した瞬間でした。

なお、この大会で優勝したのが日本の國母和宏選手。ソチオリンピックではスノーボードテクニカルコーチとして平野選手のメダル獲得の原動力ともなりました。

同年、世界中から選ばれた14歳以下ライダーが競うバートンUSオープンのジュニアジャムで優勝。2012には、バートンが主催するスノーボードイベント、「BURTON HIGH FIVES」で優勝。

14歳になった2013年「X Games」では、史上最年少で銀メダルを獲得。

またこの年、FIS主催のワールドカップでも最年少記録で優勝すると、TTRワールドツアーシーズンチャンピオンにも最年少で獲得しています。

 

平野歩夢選手の強さと魅力とは

平野歩夢選手のライティングは、圧倒的なエアの高さとパイプ内の加速を伴う確かなスケーティング技術にあります。

幼少期よりスノーボードと一緒にトレーニングを積んだスケートボードが、その強さの秘訣でしょう。

スケートボードのバーチカルもスノーボードと同様、ハーフパイプ内での競技ですが、エアに繋げるスケーティングやテイクオフは、スケートボードの方が圧倒的に難しい。

スケートボードで基礎的な技術力を磨いた平野選手だからこその美しさが、彼の強さと上手さであり、世界を魅了する力なのだと思います。

現在は、平昌オリンピックに標準を合わせてトレーニングに打ち込んでいる最中ですが、2020年東京オリンピックでは、スケートボードの代表選手として夏のオリンピックに挑戦するアイディアも挙がっています。

日本では岡崎朋美選手など、スピードスケートの選手が夏の自転車競技に出場したり、二刀流としてオリンピックに挑戦する選手は、これまでもいました。

近い将来、平野歩夢選手もスケートボード、スノーボードの二刀流として活躍するかもしれません。

 

平昌オリンピックでの期待

ソチオリンピック後も、世界を舞台に活躍を続ける平野選手は、2016年「LAAX OPEN」で優勝、続く「X Games」でも初優勝を飾ります。

平昌オリンピック金メダルに期待がかかる2017年。3月に行われたUSオープンで左膝の内側側副じん帯を損傷と腹部強打による肝臓損傷という大怪我に見舞われます。

リハビリを余儀なくされ平昌オリンピックに黄色信号が灯りましたが、オリンピックイヤー開幕戦の9月には見事に復活して2位。

続くワールドカップでもアメリカコロラド大会、中国シークレットガーデン大会で2大会連続優勝を飾りました。

まだ10代とは思えない素晴らしいマインド力で、平昌オリンピックに標準を合わせてきた平野選手。19歳、10代最後の年で迎えた平昌オリンピック。

精神的にも、技術的にも成長著しい平野歩夢選手の金メダルへの期待が高まります。

15歳で最年少オリンピックメダリストとなった前回ソチオリンピックから4年。更なる実績とスキルを磨き上げた平野歩夢選手の2度目のオリンピックが始まります。世界最高難易度の美しいエアを決めて、少しはにかんだ、あの笑顔の表彰式をまた見せてほしいものです。そして次こそは金メダルという勲章に期待しましょう。

ライター

Greenfield編集部

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