オーガニックコットンとは
オーガニックコットンとは、オーガニックフードと同じように、有機栽培された綿花のことです。
有機栽培は、農薬や化学肥料をつかわずに、自然由来の有機肥料のみをつかって栽培する方法で、少なくとも2年間は化学肥料をつかっていない土壌にて栽培されます。
有機肥料のみで栽培された綿花は、普通に栽培されたものと比べると、農薬や肥料など化学的なものが一切入っていないため、安全性がより高いといえます。
またオーガニックコットンは、栽培されている間だけでなく、製品になる過程でも、化学的な物はほぼつかわれません。
例えば、綿を糸にしてから布に加工する過程で、通常の綿ならば化学薬品によって漂白されますが、オーガニックコットンは漂白しません。
オーガニックコットンは、栽培から加工するまで、化学的な処理がされないため、一番自然のままの綿といえるかもしれません。
肌に優しいオーガニックコットン
オーガニックコットンは、つくる過程で化学薬品や農薬といった肌に刺激になる物質を使用しません。
また化学薬品をつかわないため、繊維の傷みが少なく、肌触りがとても柔らかく元々の繊維の材質感が保たれています。
また繊維の傷みが少ないため、肌触りだけではなく、何度洗ってもパサついたり、堅くなることがなく、ふわふわとした肌触りが長持ちします。
このようなことからも、オーガニックコットンは肌にやさしいので、アレルギーやアトピーといった、特に肌への刺激を受けやすい人たちにも人気です。
天然のUVカット効果とは
オーガニックコットンは、天然のUVカット効果があります。
オーガニックコットンは、白、茶色、緑の3色がありますが、一般的には白が多いです。
しかし、UVカット効果が特に強いのは茶色の綿花で、紫外線の95%以上もカットする効果があるのです。
茶色の綿花は、「綿の元祖」ともいえる色で、昔は茶色の綿のみが流通していました。
この茶色は、綿花が寒さや強い日光にも弱く、太陽からの強い紫外線から自身を守るために茶色になったと言われています。
しかし、他の色の綿花もUV効果がないわけではなく、白のオーガニックコットンのUVカット率も、80%前後といわれています。
このUVカット率は、UVカットのクリームなどを塗ったのとほとんど変わらない効果があるといえます。
また、人工的にUVカット加工がされている服などは、洗濯を繰り返すと効果が落ちますが、オーガニックコットンは天然のUVのため、効果が落ちることがないところも魅力です。
オーガニックは環境にも優しい
優しい理由は有機栽培
オーガニックコットンが、環境にも優しいといわれる大きな理由は、有機栽培です。
有機栽培は、自然由来の肥料のみをつかい、農薬も使用しないため、土壌が汚染されるのを防止します。
そしてオーガニックコットンに限らず、有機栽培で育てられた野菜や果物は、農薬の代わりに虫が嫌いな香りがする植物を近くに植えたり、手でひとつひとつ虫を撃退しています。
したがって、一般の野菜や果物に比べて、圧倒的に手間と時間がかかります。
しかし、有機栽培をすることで、土壌環境が改善し、もともとの肥沃な状態になるのです。
これは、オーガニックの目的である「植物や生物の環境を壊さない、環境に優しい食物連鎖」につながっています。
土壌環境を改善することは、その最初のステップといえます。
水の消費量が少ない
環境に優しい2つ目の理由は、水です。
WWF(世界自然保護基金)の調査によると、オーガニックコットンのTシャツ1枚を生産するときに必要な水は、約243リットル。
それに対し普通のコットンTシャツは、2,700リットルの水が必要になります。
綿花は乾燥に強いため、乾燥地帯でも栽培されていますが、大量の水が必要であるため、灌漑施設が利用されています。
その結果、コットンづくりには大量の水が使用されるわけです。
反対に、オーガニックコットンは小規模な農家で栽培されていて、灌漑水ではなく、必要な水のほとんどを雨などの天水によって補われています。
このことから、多くの有名ファッションブランドでは、オーガニックコットンに重点を置いたりといった対策がとられています。
また農薬や化学肥料は、農作物に吸収された一部を除き、土壌に浸透します。
そのため農薬や化学肥料もつかわないオーガニックコットンづくりは、水質汚染の防止にも貢献しています。