川SUPは基本的に一方通行
どんな川にも流れがあります。
その流れに逆らってパドルしていくことはとても難しく困難です。
そのため川SUP(リバーSUPと呼ばれることも多い)は、川上から川下に向かう一方通行になるという点が、SUPフィールドとしての海や湖との大きな違いです。
加えて、川は小さいものも含めると、街の中にもこまかく入り込んでいるので、都市型のSUPとしての発展を見せています。
インフレータブルボードの誕生・充実によって一気に普及した川SUP
例外はありますが、基本的に一方通行の川SUPでは、最終的に川上の出艇場所まで戻ってくる必要があり、上陸地点からボードを何らかの方法で運ばなければなりません。
エアを注入するインフレータブルボードが普及していないころは、徒歩で運ぶのが現実的ではないため、車を複数台用意しておく必要がありました。
そのため、出艇前にスタートとゴール地点にそれぞれ車を配備し、ゴールしたらスタート地点まで行き車を回収して対応するのが一般的。
一人で気軽に楽しむことは困難だったのです。
しかし、エアを抜けばコンパクトになって持ち運びができ、公共交通機関を使えるインフレータブルボードが誕生。
それが普及したことによって、川SUPは多くの人に受け入れられるようになり、また一人でも楽しめるようにもなりました。
川SUPの代表的な3つの楽しみ方
いろいろな楽しみ方がある川SUP。
その代表的な3つの楽しみ方をご紹介します。
川SUPで自然観察しながらのんびりクルージング
海のような雄大さは期待できませんが、近景が楽しめるのは川SUPならではの魅力。
とくに川沿いには桜を筆頭に、紅葉やヒマワリ、菜の花など、季節の木々や花が植えられているところが多いため、川岸を散歩するように、のんびりとそれらを眺めながらのクルージングが楽しめます。
なかでもおすすめは春の花見SUPと秋の紅葉SUP。
川の上でゆるやかな風を感じながら見る桜や紅葉は格別です。
また南の島では、SUPによるマングローブの観察クルーズツアーが人気を集めています。
全国で季節ごとにいろいろな自然観察ツアーが行なわれているので、四季を通じて楽しめます。
豊かな自然を観察しながらのクルージングは、川SUPはでもっともおすすめの楽しみ方です。
川SUPでスリルを楽しむラフティングや急流下り
川SUPの楽しみ方として、急流を下ってスリルを楽しむラフティングがあります。
ラフティングはゴムボートを使用するのが一般的ですが、SUPでもインフレータブルボードを使ってラフティングを楽しむ人が急増中です。
ただし、ラフティングは下る川を熟知していないと危険がともないます。
また、ラフティング用のボードをはじめヘルメットやライフジャケットなどの装備が必要となるため、個人では行なわずにガイドと装備の心配がいらないツアーを利用することがおすすめです。
川下りで有名な地域では、SUPによるラフティングツアーも行なわれているので、チェックしてみてください。
ワールドカップの開催地にも選ばれる都市型の川SUP
山間部だけではなく街にも流れている川は、小さいものも含めると街中にもこまかく入り込んでいます。
日本の大都市にも水路として整備された川があり、多くの人がSUPを楽しんでいます。
また、世界各地の都市でSUPマラソンなどのイベントが開催され、都市型のSUPとして発展を見せています。
APPワールドツアー2019でも、大阪・道頓堀、ロンドン・ハックニー水路、パリ・セーヌ川などが大会会場として選ばれています。
川SUPの注意点
手軽に楽しめる川SUPですが、いくつかの注意点があります。
ここでは川SUPを楽しむ上での注意点を説明していきます。
川でのSUPは「自由使用の原則」に基づいている
どこの川でもSUPを楽しんでもいいのでしょうか?
もしSUPが船に該当するならば、許可なども必要なのでは?
このような疑問をもたれた方もいるのではないでしょうか。
河川法には「自由使用の原則」というものが定められていて、河川管理者の許可・届出が必要ない範囲であれば、自由に川を利用することができます。
ただし、河川での通航については、管理者がほかにルールを定めていることもあり、基本的には船舶の通航方法やさまざまな制限・禁止区域が設定されています。
SUPは船舶のなかの「非動力船」という範疇に入るので、船舶の侵入が認められている区域であれば楽しむことができます。
また「非動力船」という弱い立場なので、動力船ほどのこまかい制限はありません。
川の水の状態には常に急激な変化の可能性が潜む
上流での豪雨やダムの放流などにより、水位や流速といった川の水の状態には、常に急激な変化の可能性が潜んでいます。
真水であり山から流れてくることから、水温が低く、浮力も少ないため、気をつける必要があります。
また、街中での川SUPの場合は水質にも十分注意しましょう。
障害物や川底のコンディションは、常にチェックし注意が必要
岩、流木、漂流物、橋脚など、川には障害物がたくさん存在し、場合によっては滝や人工的な段差もあるため、注意をはらうことが求められます。
また、水面になにも露出していなくても、水中に隠れている岩や障害物がフィンに接触することがあるので、川底の状態にも気を配りましょう。
接触しない目安の水深は、最低50cm、余裕を見て70cm程度です。
川SUPでは、水深のチェックが大きなポイントです。