釣りは老若男女ポピュラーな趣味で、だれでも楽しめるレジャーです。
しかし、公共の場所を利用する以上ルールがあり、場合によっては法律によって制限があることもあります。
今回は、釣りを楽しむ上で注意したいルールや法律について解説します。

立ち入り禁止・釣り禁止エリアでの釣り

釣り 法律

釣りは公共の場所や漁港など、多くの人が利用する場所や、自然の中で楽しむ趣味です。

海や川、湖などは所有者がいないように見えますが、そこを管理したり漁業で利用している方もいます。

そういった方に迷惑を掛けないよう、立ち入り禁止エリアが設けられている場合があり、無許可で立ち入ると逮捕される可能性もあります。

場合によっては、テロ対策目的で厳重に警備されている場合もあるので、十分注意しましょう。

私有地への立ち入り

ご存知のとおり、私有地に勝手に立ち入ることは法律で禁止されています。釣り場が私有地だと思わない方も多いかもしれませんが、最近は敷地内に川が流れる住宅もあります。

私有地の立ち入りで想定される法律違反は「住居侵入罪」と「軽犯罪法違反」になります。

住居侵入は主に住居の敷地内だとわかるような場所の場合等に適用され、3年以下の懲役または10万円以下の罰金になり、未遂でも処罰されますので注意しましょう。

軽犯罪法は管理者等から「立ち入り禁止」と明記されている場所などにも適用され、違反すると1年の懲役または100万円以下の罰金が科せられる場合があります。

漁港管理者の定める立ち入り禁止エリア

私有地でなくても、漁港などを管理する団体が立ち入り禁止を取り決めている場合があります。

漁港や防波堤などは税金で建設されているからといってだれでも立ち入りが許可されているわけでなく、本来の目的で利用するために、許可のない立ち入りを制限するのは管理者の権利です。

禁止されているエリアに立ち入った場合は、軽犯罪法違反が適用されることがあります。

また、海浜公園などでは投げ釣りやルアー釣りなど周囲に危険がある釣りを禁止している場合もあります。

SOLAS条約による立ち入り禁止エリア

最近、注意しなければいけないのが、SOLAS条約です。

「海上人命安全条約」の通称で、2002年に改正され多くの港湾に立ち入り禁止区域が設置されました。

テロ対策も目的のひとつなので監視が厳重で、立ち入った時点で軽犯罪法違反で摘発された例もあります。ボートで近づいた場合にも同様に摘発される場合があるので十分注意しましょう。

 

釣り自体を規制する法律

密漁禁止 看板

魚やエビなどはだれがどう釣ってもいいわけではなく、水産資源として管理されているものもあります。

漁業権が制定されている場所の対象となる生き物は捕獲が制限されていて、違反すれば逮捕されることもあります。

簡単に言えば「密漁」になり、「漁業法違反(20万円以下)」や「水産資源保護法(3年以下の懲役、または200万円以下の罰金)」などで摘発される可能性があるので注意しましょう。

捕獲禁止の生き物

ウニやアワビなどの魚介類の密猟がよくニュースになりますが、魚も捕獲に制限があります。

これは地域によって様々で、北海道で言えばサケマスを川で捕獲することが禁止されていたり、全国的に渓流魚は釣っていい時期や、遊魚券を買わなければいけないルールがあります。

また、種類別にサイズが指定されている場合もあり、指定のサイズ以下の固体を捕獲した場合に密漁になることもあります。

釣り場を管理する団体や、地元の釣具店であれば把握しているので、あらかじめ確認しておきましょう。

釣り方の指定

漁業権の制定されていない魚種でも、禁止された漁具を使うと違法になる場合があります。

釣りの場合は具体的には仕掛けが問題になり、同じタックルでも仕掛けが違法であれば密漁になります。

北海道のサケ釣りではギャング釣り(引っ掛け釣り)が禁止されているなど、魚種に対して特定の仕掛けを使うことを禁止されている場合もあります。

これは各自治体で変わるので、自治体の発行するフィッシングルールなどを確認しましょう。

その他の違法事例

ブラックバス 釣り

その他にも、釣りをしていて違法になり、逮捕された例があります。釣りを楽しむ上でとくに注意しなければいけないものを一部紹介します。

釣りをする上での事故

釣りは針を使い、いつでも事故になりえます。

それで人を傷つけてしまった場合、故意でなくても法律で罰せられることがあります。

治療費を請求される訴訟を起こされる場合もあるので、釣りが許可されている場所であっても周囲には十分注意して釣りを楽しみましょう。

刃物の持ち歩き

釣りをするなら、ラインを切ったり魚を捌いたりするために刃物を持ち歩くことが多いと思います。

本来、釣りのために必要なサイズの刃物を持ち歩くのは違法ではありませんが、周りが恐怖を覚えるような持ち歩き方をしていたり、釣り場を離れたのに持ち歩いて検挙された例もあります。

ナイフ等は手元においておくと何かと便利ですが、可能な限りタックルボックスに入れるなど配慮して持ち歩きましょう。

外来種問題

バスフィッシングは人気の釣りですが、外来種問題が付きまといます。

ブラックバスなど特定外来生物に指定されている魚の場合、生きたまま持ち帰るだけでも違法になります。キャッチ&リリースは条例で禁止されている場合が多く、ほぼ全国的に禁止されていると考えていいでしょう。

指定外来種は特定外来生物ほど厳しくはありませんが、釣った場所から持ち歩いて別な水域にリリースするなどした場合は違法になります。

 

魚は水産資源ということもあり、これだけ細かく法律でルールが決まっています。
とくに密漁は規制が厳しいので、十分注意しましょう。近年、釣り人のマナーの悪化や事故などで釣り場が縮小されています。
法律はもちろんですが、これ以上釣り場を縮小されないよう安全に心がけ、ゴミ拾いなどにも協力していきたいですね。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。