ブルゴス名物の強風
毎年8月中旬に開催されるブエルタ・ブルゴス。
スペインのなかでも広い面積をもつブルゴス地方がその舞台です。
ブルゴスの名物は、豚の血液とお米が入ったモルチィーリャと呼ばれるソーセージと豪華なブルゴスのカテドラル(大聖堂)、そしてこの地の強風の3つといわれています。
もちろん自転車選手の間では、この風の強さはたいへん有名です。
つまりブエルタ・ブルゴスは「風との戦い」を意味する自転車レースなのです。
今年はこのブエルタ・ブルゴスに18チームが参加しました。
とくに注目を集めたのが、チーム・イネオスの出走です。
昨年、イバン・ソーサ選手が優勝を飾ったこのチーム。
今年もソーサ選手の総合優勝が、チーム・イネオスの最大目標となりました。
第1ステージのスタート地点は、ブルゴスのカテドラル前。
各チームがカテドラルを背景に、出走前サイン台に登ります。
この日のブルゴスは朝から日差しが強く、午後1時のスタート後には気温が上がることが予想されました。
そして、初日のゴール地点は、スタート地点となったカテドラルの裏にあるカスティーリョ・デ・ブルゴス。
このゴール地点を選手たちは2回通過します。
ゴール地点は高台のため、最後の600mは上り坂。
とはいえ、クライマーの選手ではなく、坂を苦にしないスプリンターの選手が得意とするコースです。
ニッポー・ビニ・ファンティニ・ファイザーネから日本人2選手が参戦
昨年に続いて、今年もブエルタ・ブルゴスに参戦したニッポー・ビニ・ファンティニ・ファイザーネ。
今回はふたりの日本人選手が出走しました。
ひとりめは、2度目のブエルタ・ブルゴスへの出走となった西村大輝選手。
長旅の疲れもみせず、元気そうな笑顔で初日の出走前サイン台にあらわれました。
そして、もうひとりは、7月末のクラシカ・オルディジアに続いてのスペインでのレースとなった石上優大選手。
ニッポー・ビニ・ファンティニ・ファイザーネとトレーニー契約した直後のレースが、このブエルタ・ブルゴスとなりました。
両選手ともリラックスした表情ながらも、やはりブルゴスの風が気がかりな様子。
しかし、幸いにもとくに強い風が吹かなかったこの日の第1ステージで、西村選手はトップから4分差でゴール。
一方、ラスト6km付近で発生した落車に巻き込まれた石上選手は、6分45秒差で第1ステージを終えます。
この日の落車の影響が尾を引いた石上選手は、第3ステージでレース棄権を選択することになりました。
第1ステージゴール前、勝者を分けた数センチ
第1ステージのゴールは、大接戦。
ジャコモ・ニッゾロ選手(ディメンション・データー)とアレックス・アランブル選手(カハ・ルラル・セグロスRGA)の一騎打ちとなりました。
結局、この第1ステージを制したのは、ニッゾロ選手。
写真判定にもつれこんだ末に、この日の勝者が決まりました。
この日2着だったアランブル選手は、このレースの1週間前に開催されたシルクイート・デ・ゲッチョでも2着。
彼のコンディションのよさは明らかでしたが、最後の一歩が及びません。
しかし、なんと彼はこの日から3日後の第4ステージで、とうとう区間優勝を飾ります。
ブエルタ・エスパーニャへの調整が順調に進んでいることをうかがわせる、アランブル選手の活躍でした。
イバン・ソーサ選手の2連覇
最終的に、今年のブエルタ・ブルゴスを制したのは、昨年の優勝者でもあるイバン・ソーサ選手(チーム・イネオス)。
最終日に区間優勝した上で、総合優勝まで手にしました。
しかし、この優勝の数日後、チーム・イネオスはソーサ選手はブエルタ・エスパーニャに出走しないことを発表します。
また、今回彼をアシストしたスペイン人のダビッド・デ・ラ・クルス選手も、当初は今年のブエルタ・エスパーニャへ不参加との情報が流れていました。
しかし、スタート2日前にチーム・イネオス側が急遽、デ・ラ・クルス選手の出場を表明しました。
今回のブエルタ・ブルゴスとブエルタ・エスパーニャに向けたチーム・スカイの一連の動きは、このチームの選手の層の厚さをあらためてみせつけるような結果になりました。
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ライター
Greenfield編集部
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