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本来ヒグマは人を恐れ、隠れて生活します。しかし若い個体やなにか理由がある場合、人の前に現れることがあります。それは事故の一歩手前の段階で、対処法が生死を分ける状況です。ヒグマも生き物なので100%正しい対処法は存在しませんが、過去のデータからヒグマに出会ってしまったときの対処法を解説します。

ヒグマに会ったときにまずなにをするか

ヒグマ後姿

ヒグマは国内では北海道のみに生息しています。

本州に生息しているツキノワグマに比べて体が大きく、遭遇時の危険度も高いとされています。

もしも、そんなヒグマに出会ってしまったとき、焦ってすぐに反撃しようとするのはご法度です。

まずは落ち着いて、正しい対応をできるよう状況をよく見ることからはじめましょう。

ヒグマが襲おうとする距離はどれぐらい?

ヒグマは時速50kmで走った例もあるので、出会ってしまえば距離は関係ないように思いますが、ヒグマ側が襲おうとする確率に影響します。

ヒグマが人を襲うのは、人と近づきすぎて身の危険を感じた場合です。

このため、ある程度距離があればヒグマが襲おうとするリスクが低く、近ければ正しい対応をしなければ危険です。

ヒグマの様子をよく観察しよう

ヒグマは表情豊かではないですが、さまざまな方法で人にアピールします。

立ち姿や声の出し方、こちらに気付いているかなどでヒグマがどうしたいのかを読み取りましょう。

威嚇したり近づいてこようとする様子がない場合、人から刺激するのは自殺行為です。

ヒグマも人の行動を読んで行動するので、こちらも正しい対処をすることが重要です。

いざ出会ってしまったら人間が勝てるのは知能だけなので、よく観察しましょう。

 

ヒグマに対してやってはいけないこと

ヒグマ獣道

ヒグマと出会ったとき、どういった状況でも絶対にやってはいけないことがあります。

本能的にやってしまいそうなことでもあるので、まずは冷静でいることが重要です。

走って逃げる

肉食動物のほとんどが、逃げるものを追わなければいけないと思ってしまいます。

走って逃ると弱い獲物だと認識してしまうので、どういった状況においても絶対にやってはいけないことです。

木に登って逃げる

木に登るとヒグマも手を封じられる形になり、頭を狙った反撃がしやすくなることから、木に登って反撃するのはひとつの方法ではあります。

ただし、こちらが反撃する前に追いつかれるので、木に登るしかない状況以外は正しい対処でお引取り願うほうがいいでしょう。

餌を与える

食料を投げて注意をそらして逃げる方法も過去には紹介されましたが、注意をそらしても人は走ってはいけません。

美味しい餌をもらったあとゆっくり逃げている人がいれば、まだ餌があると思って近付き、どこまでも追われる状況にもなりかねません。

 

状況で考えるヒグマへの対応

若ヒグマ兄弟

では、実際に具体的な例から危険度を考えてみましょう。

実際の状況はさまざまなので、遭遇したときは頭をフル回転させて、環境も加味した対応を考えてください。

遠くに姿を確認した

100m程度距離があるなら、あえて襲ってくることはほとんどないので、ヒグマから目を離さず避難しましょう。

万が一近づいてくるようなら、まずは自分の存在に気付いてもらい、それでも近づいてくるなら撃退する必要も出てきます。

もしキャンプ場などで出会った場合には、人が入る場所だと知りながら近付いてきているので、なにか目的があり、さらに近づいてくる可能性も高いです。

この場合は車や頑丈な建物に避難し、すぐさま警察に通報してください。

30~50mで出会った・目撃した

これぐらいの距離でも、人を知っているヒグマであれば過度に反応せず、無視してくることもあります。

ヒグマが人間を気にしていないようなら、下手に刺激せず、背を向けたり突然動いたりせず距離を取りましょう。

もし近づいてくるなら、たいてい興味本位で近づいてきているので、こちらが威勢を張れば襲うまでに至らないことが多いです。

クマ撃退スプレーなどは用意しておいて、下手に使用しないようにします。

警戒しているようならヒグマも身に危険を感じているので、刺激せず、かつ隙を見せず距離を取りましょう。

10~20mで出会った

至近距離で出会った場合は、突発的な出会いか、理由があって姿を現した可能性が高いです。

近いほど危険ですが、この距離で出会っても襲い掛かっていないということは、まだ余裕があることの裏付けでもあります。

つまり、下手な行動は状況を悪くするだけなので、こちらから距離を取ることでヒグマのストレスを下げ、事故を防ぐことに繋げられます。

凝視されることもストレスなので、ヒグマの目を見ることは避けたほうがいいでしょう。

近づいてくるようなら、隙を見せないようにして木の陰に移動し、クマ撃退スプレーなどがあればすぐ使用できるよう用意しておきましょう。
 

襲われた

ヒグマとの事故で多いのが、突然襲われたという状況です。

絶望的な状況ですが、襲われたら必ず命を落とすわけではなく、生還した例も多いです。

対処法は主に2つで、まずは防御姿勢です。

多くのマニュアルで推奨されているのが「腹ばいで頚部を守る」姿勢です。

ヒグマは襲っても止めを刺す前に立ち去ることも多いので、致命傷を避けるという意図です。

攻撃が止んだ後も見張っていることがあるので、しばらくその体勢から動かないようにしましょう。

ただし一撃で急所を狙ってくることもありますし、強烈な痛みに動かず耐えるのは精神力が必要な対処法でもありますね。

もうひとつの対処法は、必死の反撃です。

じつは生還した人の多くが、武器を持って反撃しています。

ヒグマ側も自分に危害を加えられれば意味がないので、逃げるほうが得策だと気付いてくれるのを期待する方法です。

どちらが有効かは襲われないとわかりませんが、襲われたときはまさに命を掛けた選択を迫られることになります。

ここまで細かくヒグマへの対処法を解説しましたが、これがすべての状況ではありません。過去の事故報告を確認すると、より複雑な自体が絡み合った結果事故に繋がった例も多々あります。ここで得た知識を生かすのはもちろん、それを過信せず、自分の状況に合った対処法が命を守る方法だということは忘れないでくださいね。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。