「コンポストで堆肥を作ったけど、どうやって使えばいいの?」「家庭菜園に使えると聞くけど、失敗しない?」など、コンポスト生活で悩みを抱えている人はいませんか。
この記事では、初心者でも簡単に挑戦できる堆肥の使い方から、循環を楽しむライフスタイルのヒントまで、私自身の体験を交えて紹介します。「私にもできそう」と思えるヒントをみつけながら、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
コンポストでできた堆肥ってどんなもの?
コンポストで作った堆肥は、生ゴミを土の中の小さな生き物(微生物)が分解し、時間をかけ、熟成させて作られたものです。堆肥には、植物に必要なミネラルや微生物が豊富に含まれており、土壌を改良し、植物の生育を助ける役割を持っています。
手で触ると柔らかく、まるで森の中の落ち葉をそっとかき分けたときのような、自然でやさしい香りがするのも特徴です。
家庭菜園やガーデニングでの堆肥の使い方
コンポスト堆肥は、できあがってすぐに、家庭菜園やガーデニングに使える優れものです。ここでは、具体的な使い方を「土づくり」「追肥」の2つの方法に分けて紹介します。
植え付け前の土づくりに混ぜる
苗や種を植える前の「土づくり」に堆肥を混ぜるのが、最も基本的でおすすめの方法です。目安としては、堆肥:土=1:2〜3の割合で混ぜると、通気性や保水性が改善され、植物が根を張りやすくなります。
また、土と堆肥をしっかり混ぜることで、土の中に微生物が行き渡り、野菜やハーブが健康に育つ基盤が整います。混ぜる工程を丁寧に行うことが、植物が元気に育つための大切なポイントです。
使用する土は、赤玉土がおすすめです。粒状で水はけがよく、根が酸素を取り込みやすくなるため、根腐れを防ぐ効果も期待できます。
一方、土づくりに培養土を利用する場合は、すでに堆肥や肥料が含まれていることが多いため、追加でコンポスト堆肥を混ぜる必要はありません。必要に応じて「追肥」として活用する方法を検討しましょう。
追肥として使う
植物が成長してきたタイミングで、追加の栄養補給としてコンポスト堆肥を使う「追肥」も効果的です。
使い方は、植物や野菜の周りに、一握りずつ、間隔を空けて撒き、軽く表面の土と混ぜるだけ。少しずつ、様子をみながら追加していくのがコツです。
また、根に直接触れると肥料焼けを起こすリスクがあるため、追肥の際は根元から少し離して置くようにしましょう。
家庭菜園に慣れてきたら、植物の成長具合や葉の色をよく観察しながら、必要に応じて加えると、堆肥の効果を最大限に活かせます。より元気に育つ姿がみられ、育てる喜びもさらに深まりますよ。
コンポスト堆肥を使うときの注意点
コンポスト堆肥は万能にみえますが、使い方を間違えると植物に負担をかけてしまうこともあります。ここでは、特に初心者が気をつけたい2つのポイントをまとめました。
大量に入れすぎない
「たくさん入れれば効果も大きい」と思いがちですが、間違いです。特にプランターや小さい鉢では、過剰な堆肥が根を傷めたり、肥料焼けを起こしたりする原因にもなります。
まずは少量から試し、植物の様子を見ながら徐々に量を調整することが大切です。入れすぎない、を心がけることで、植物にとってちょうど良い栄養バランスが保てます。
熟成させてから使う
コンポストから取り出したばかりの堆肥は、完全に分解が終わっていないことがあります。もし強い臭いがしたり、原形が残っている部分が多かったりする場合は、数週間ほどさらに熟成させるのがおすすめです。
しかし、一部の食材に関しては、分解しにくいものもあります。たとえば、卵の殻や玉ねぎの皮、また種、骨などは、熟成後も残りやすく、数ヶ月かけてゆっくりと分解していきます。多少残っていても、そのまま土に混ぜて使えるので、気にせず使って大丈夫です。
コンポスト堆肥を使った循環型ライフスタイル
コンポスト堆肥を有効的に使えば、循環型のライフスタイルが実現します。食べること、使うこと、そして人とつながることを意識した「コンポストのある暮らし」を紹介します。
「食べる」と「育てる」をつなぐ
コンポスト堆肥を使うことで、「食べる」と「育てる」のサイクルが自然とつながり、小さな循環が暮らしのなかに生まれます。
私は、コンポスト堆肥で育てたハーブをハーブティーにしたり、サラダに添えたりして、日々の食卓に取り入れています。手間をかけて育てた分、その味わいは格別。食べる時間にも自然と感謝の気持ちが芽生えます。
また、コンポストや土づくり、野菜の成長をそばで見てきた子どもたちにとっては、自然のサイクルや命のつながりを肌で感じる貴重な体験に。遊びの延長線のような感覚で取り組めるので、楽しみながら「食育」にもつながっていきますよ。
周りとシェアして広がる循環
家庭で使いきれないコンポスト堆肥は、農業やガーデニングを楽しむ家族や友人に分けるのがおすすめです。堆肥は使い道が幅広く、土壌改良や植物の栄養補給にも役立つため、とても喜ばれます。
また、私が愛用している「LFCコンポスト」では、無農薬で野菜を育てる農家さんに堆肥を送る仕組みがあります。使いきれない堆肥も無駄にすることなく、分け合えば、地域の持続可能な農業を応援する力にもなるでしょう。
使いきれないかもという不安が、誰かと共有して喜び合う楽しみに変わるのは、コンポスト堆肥ならではの魅力です。
「LFCコンポスト」の使い方についても知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
ライター
AYA
静岡県出身。海と山に囲まれた自然豊かな環境で育ち、結婚後に、タイ・バンコクへ移住。病気がきっかけで、ヴィーガンのライフスタイルに目覚める。現在は、2児の母として子育てに奮闘しながら、人と環境にやさしいサステナブルな暮らしを実践中。自身の経験をもとに、ヴィーガン、環境問題、SDGsについて情報を発信している。