子育て中にロードバイクを楽しむには、バランスと工夫が必要です。夫婦で同じ趣味をもつ筆者はたくさん話し合いを重ねながら、趣味と子育ての両立を図ってきました。そこで今回は、子連れレース帯同のリアルやスケジュール管理のポイント、継続のコツ、夫婦の協力体制づくりなど、育児と趣味を楽しむヒントを紹介します。

ロードバイクと育児を両立させる秘訣とは

夫婦だけであれば好きなだけ楽しめたロードバイクも、育児が始まるとそうはいきませが、諦めるにはもったいない。筆者が実際に4歳まで子育てしながら趣味も続けてきた経験を元に、両立で役立った点をまとめてみました。

子どものコンディションが最優先

どんなにロードバイクに乗りたくても、子どもの体調や機嫌が優先です。とくに小さな子どもは急に熱を出したり、気分が乗らなかったりする日が多々あります。

そのため「今日は無理しない」と割り切ることも大切にしています。走れない日があっても、家族みんなが元気で過ごせることがいちばん。気持ちよく乗るためには、まず子どもの心の安定が土台になりますね。

レースや練習は夫婦でしっかり相談する

子育て中は、自転車に関わる時間をどう確保するかが重要なテーマです。予定をすり合わせることなく「自分だけ走りたい」は通用しません。

我が家では「この日はあなた、この日は私」と日にちを決めて走るスタイル。レース前にはレースにでるほうの練習時間を優先します。さらに自転車の整備にかかる時間や会場までの移動、子どもとの過ごし方まで共有しています。

エントリーしたいレースやイベントも事前にしっかり話し合い譲りあうなど、思いやりと相談が両立のコツです。

走れない日があってもOK!継続が大事

夫婦で取り決めをしていても、天気やこどもの行事によっては思うように乗れない日が続くケースがあります。しかし焦りは禁物、やめないことが大切です。

週1回でも、短時間でも乗る習慣の継続が、体力の維持や心のリフレッシュにつながります。どの趣味に関してもいえますが、とくに子育て中は、細く長くを意識すると習慣が続くように思います。

家族の予定のなかに「趣味」を位置付ける

子育てに全力投球していると、つい自分の趣味があと回しになりがちですが、家族全体の予定のなかに、自転車の時間をあらかじめ入れておくと、罪悪感なく楽しめます。

我が家で例えると、日曜の朝はどちらかが走る時間と決めたり、家族で出かける日の前後に自転車タイムを組み込んだりしています。今では日曜日の息子が起きた時間にトレーニングから帰宅すると、4歳の息子から「ママ、自転車の練習おかえり」といってもらえるようになりました。

家族の生活の一部として趣味を習慣化すると継続しやすくなりますね。

ロードバイクは「家族の共通時間」になる

ロードバイクは、私たち夫婦にとって大切な共通の趣味であり、今では家族の時間をつなぐ存在にもなっています。お互いが自転車を楽しむ気持ちを理解しているからこそ、トレーニングやレースに向けた調整も自然に協力しあえていると感じます。

そして、そんな日常を見て育っている4歳の息子にとっては、ロードバイクがあって当たり前の存在です。レース会場の独特な空気感、応援の声、屋台やキッチンカーなどの雰囲気も、普段と違った刺激的な時間になっているでしょう。

家族全員の関わり方は違っても自転車を通じて楽しむ時間を共有できる。それが、我が家のサイクルライフの魅力です。

4歳と一緒にロードバイク趣味を楽しむ工夫3選

子どもはまだ趣味が理解できませんが、ロードバイクが一緒に楽しむツールとして位置付けるために行っている工夫を3つ紹介します。

①お散歩タイムにストライダーや子ども用自転車を取り入れる

共働きでも夕方や週末に、子どもと一緒にお散歩する家庭は多いのではないでしょうか。我が家もお散歩はしますが、日によってはストライダーや子ども用自転車で出かけています。

止まる、周囲を確認するなどのルールを教えながらは大変ですが、「僕も速いでしょー!」と自慢げに乗っている様子は愛らしいですよ。

②レースも親子のイベントとして楽しむ

自転車レースでは、グルメや物販、エキスポなど、親子でワクワクできるコンテンツが充実している会場があります。気になる子ども用自転車があれば試乗させてあげるのも楽しいでしょう。

また、スタートやゴール地点で「がんばってー!」と声をかける応援タイムは、親にとっては力になり、子どもにとっても家族の一体感を感じる貴重な経験になります。大人だけでなく、家族で一緒に楽しみたいものですね。

③家族で楽しめる宿泊施設を選ぶ

子連れで県外レースに参加する場合は、泊まりがけになるケースが多くなるでしょう。宿泊の場合、子どもが楽しめる宿泊施設にするのもポイント。キッズルームやバイキングシステム、可能であればキャンプ場を利用するのもひとつの方法です。

また、夫婦のどちらかがレースで朝早く出るならば、一人でもスムーズにチェックアウトできる施設がおすすめです。

以下の記事では、ロードバイクで泊まれる宿をまとめています。

自転車旅に最適!ロードバイク持参で泊まれる宿の選び方ガイド
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子連れレース参加のリアル

子どもを連れてのレース参加は、正直なところ大変です。一方で、その分だけ思い出やよろこびも大きいと感じています。

子連れでなにより大切なのが、事前の準備。気温や天候に応じた着替え、帽子やブランケット、おやつやお気に入りの遊び道具など、期限よく過ごしてもらえる工夫は欠かせません。スケジュール管理も重要で、レースの時・移動・休憩場所などを家族であらかじめ共有しておくと安心です。駐車場や会場の導線、トイレの場所も事前に確認しておけばよりスムーズに動けますね。

我が家ではどちらかが出場しない場合は、もう一方ができる限り子どものケアに専念します。会場での過ごし方や遊びの相手、休憩タイミングなどを工夫することで、子どもにとっても楽しい1日になりますね。

それでも「ママがいい!!」や「トイレ!?」と、あらゆるハプニングが起こるのが子連れ参加です。夫婦で協力してハプニングすらも家族で楽しむ意識が重要です。

そして子連れ参加の大きな魅力が、レース中やゴール時の子どもからの応援です。「がんばってー!」という小さな声援や、ゴールに駆け寄ってきてくれる姿は、それだけで疲れも吹き飛ぶような大きなパワーになります。たとえ思うような結果が出なくても、家族が応援していてくれたというだけでえられる満足感はまるで違いますよ。

ロードバイクは1人で走るスポーツかもしれませんが、子どもと一緒に過ごすレースの日は、家族全員で作る特別な1日。子連れでの参加は大変なことも多いですが、それ以上に、ロードバイクが家族をつなぐ時間になっていると実感しています。

子育てとロードバイクのどちらも大切にしたい。そんな想いをもつ夫婦にとって、無理なく楽しむためには「工夫」と「思いやり」が欠かせません。子どもの成長にあわせてスタイルを柔軟に変えれば、家族全員が笑顔で過ごせるサイクルライフが築けます。乗れない日があっても続けることが大切。ロードバイクが絆を深めるきっかけになれば、家族の時間をもっと楽しめるかもしれませんね。

yomec(よめしー)

ライター

yomec(よめしー)

自然豊かな新潟県在住、夫婦でロードバイクを楽しんでいる自転車ライター。子育てしながらトレーニングする方法を日々模索中です。今ではヒルクライムを中心としたレースが家族旅行に。愛車はSPECIALIZEDとBROMPTON。夫婦での所有スポーツバイクはなんと8台。ファミリーでも楽しめる自転車の魅力を発信します。