韓国の済州島にある漢拏山(ハルラサン)の城板岳(ソンパナッ)〜観音寺(クァヌンサ)コースを歩いてきました。このコースは、韓国最高峰の山頂「白鹿潭(ベンノッタム)」を目指す本格的なルートで、雲海と火山口の壮大な景色を楽しめます。約18kmと距離は長めですが、登山道はよく整備されて登りやすく、体力に自信があれば登頂も可能です。筆者が訪れたのは6月上旬。アクセス情報や実際の登山体験などを詳しくレポートします。
韓国で最も高い山!漢拏山(ハルラサン)
漢拏山は済州島の中央にそびえ立ち、その標高は1,950m。「天の川を掴むことができるくらい高い山」と言われ、韓国の三神山のひとつとしても知られています。
自然豊かな生態系と火山地形が高く評価され、ユネスコ世界自然遺産にも登録されました。山全体が漢拏山国立公園に指定されており、春の花々、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々の表情を楽しめますよ。頂上付近には神秘的な火口湖「白鹿潭(ベンノッタム)」が広がり、訪れる登山者を魅了しています。
登山コースは7つあり、前回登った「ヨンシルコース」を先に見たい人はこちらをご覧ください。
山頂まで行ける城板岳~観音寺コースを紹介
漢拏山の山頂を目指すには、城板岳コースか観音寺コースで登る必要があります。今回は城板岳コースから登り、観音寺コースで下山するルートを選びました。
反対でも可能ですが、城板岳コースの方が登りやすそうだったので、こちらのコースからスタート。基本情報やアクセスなど、歩いてきたコースを紹介します。
基本情報
距離(往復) | 18.6km |
コースタイム(往復) | 約8~9時間 |
ルート | 城板岳休憩所公営駐車場→避難所→サラオルム入口→ツツジ畑待避所→山頂白鹿潭→三角峰避難所→タンナ渓谷お手洗い→観音岳駐車場 |
入山時間 | 5:00~(季節により変動あり) |
漢拏山天気情報 | 韓国気象庁・山岳天気情報 |
ウェブサイト | 漢拏山 城板岳探訪路案内 |
問い合わせ先 | 064-725-9950(城板岳支所) 064-756-9950(観音岳支所) |
予約はマスト!
城板岳・観音寺コースは、どちらの登山口から登る場合も予約が必須です。自然保護のため、1日に入山できる人数が制限されています。公式サイトから予約をするとQRコードが送られてくるので、入山する際にパスポートと一緒に提示します。
日本語サイトもあったので簡単に予約ができました。予約の際に時間指定もあり、その時間内に入山しなくてはならないので注意しましょう。
・時間指定があるので計画をしっかり立てておく
・週末は満席になりやすいので早めに予約する
・キャンセルや変更は直前でもネットで可能なので、天気を見ながら調整する
・無断キャンセルはペナルティもあるので注意する
筆者は当初の予約日が雨予報になったため、2日前にキャンセル。翌日に空きがあったため、再予約し無事に登れました。柔軟に動けるよう、予備日も含めて計画を立てるのがベストです。
予約可能期間 | 登山予定日の1ヶ月前~ |
料金 | 無料 |
予約サイト | 漢拏山探訪予約システム |
城板岳コース登山口までのアクセス
城板岳コースの登山口へは、レンタカー・バス・タクシーのいずれかでアクセスできます。このルートではスタートとゴールの登山口が別なため、行きと帰りの移動手段をあらかじめ計画しておくことが大切です。
レンタカー
韓国での運転は、左ハンドル・右側通行。道路標識は韓国語表記で交通ルールも異なるため、事前に勉強しておきましょう。レンタカーの予約は、日本から手配しておくとスムーズです。
なお、韓国ではGoogleマップの機能が一部制限されているのでナビゲーションには不向きです。代わりに「ネイバーマップ」または「カカオマップ」をあらかじめインストールしておきましょう。
必要書類 | 国際運転免許証・日本の運転免許証・パスポート・予約確認書 |
ナビの設定 | ネイバーマップまたは、カカオマップで「성판악휴게소 공영 주차장(Seongpanak Rest Area Public Parking)」を設定 |
駐車料金 | 1,800ウォン |
バス
①済州バスターミナル「281番」のバスに乗車(約40分)「城板岳入口」で下車
②「城板岳入口」で下車、登山口まで徒歩5分
タクシー
韓国旅行に慣れていない人や登山後の疲労を考えると、行き・帰りともタクシーがおすすめ
行きの手配方法 | ・宿泊ホテルで配車を依頼 ・カカオタクシーアプリ(Kakao T)のアプリで呼ぶ |
帰りの手配方法 | ・下山後、登山口にタクシーがいればそのまま乗車 ・いない場合は、カカオタクシーで呼ぶ |
【体験記】ダイナミックな火口湖と爆風の頂へ
6月の上旬に登った漢拏山の山頂まで行ける「城板岳〜観音寺コース」をレポートします。漢拏山は道迷いしにくいのですが、念のためYAMAPの地図をスマホにダウンロードしておきました。
軽量・最小限にした登山道具はこちらです。
運動靴・20mLザック・登山ウエア(Tシャツ・長ズボン・長袖シャツ)・レインウエア・折りたたみ傘・必要最低限の救急セット・ヘッデン・手ぬぐい
飲み物と行動食は、事前に現地のコンビニで購入してから出発。自動販売機はありましたが、売店はないので食べるものは準備しておきましょう。
城板岳登山口〜白鹿潭(山頂)
入山時間が5〜8時までの予約だったにもかかわらず、寝坊してしまい、急いでレンタカーで城板岳休憩所の公営駐車場へ向かいました。トイレを済ませ、7時30分に無事出発。登山口では、予約時に発行されたQRコードとパスポートの提示が必要です。これらがないと入山できないため、忘れずに持参しましょう。
登り始めは緩やかな登山道が続き、気持ちのよい木道をのんびりと進んでいきます。
案内板にはイラストと韓国語のほかに日本語表記もあるため、道に迷う心配もありません。韓国では山道や休憩所に「AED」や「救急箱」が設置されており、安心感があります。
避難所やサラオルムへの分岐を通過すると、傾斜が急になり歩きにくい箇所も出てきます。ツツジ畑待避所を過ぎたあたりから風が強くなり視界も一気に開けてきました。
振り返ると写真では伝えきれない絶景パノラマビューです。何度も足を止めて振り返りたくなる景色です。11時過ぎ、ついに「白鹿潭」に到着!漢拏山の山頂は天気がよくても霧が出ることが多く、火口湖を見られる人は普段の行いがいいからだと現地の人が教えてくれました。爆風に吹かれながらも、山頂で見るその景色は一生モノの体験です。
下山は観音寺コースへ
山頂からは尾根づたいに観音寺コースへ向かいます。登りよりも道がやや険しく感じる区間もありますが、森林や沢、渓谷と景色の変化が豊富で、下山でも飽きることがありません。
途中の三角峰避難所やタンナ渓谷あたりは、登山者の憩いの場。トイレも整備されていて、快適に休憩できます。最後は観音寺駐車場へ無事ゴール!カカオタクシーを利用する予定でしたが、ちょうどタクシーが止まっていたのでそのまま城板岳駐車場まで戻りました。
タクシー料金や1,400ウォン前後ですが、まれに多めの金額を提示されることもあるので乗車前に料金を確認しておくのがおすすめですよ。
ライター
yuki
幼少期からキャンプや釣り、スキーなどを楽しむアウトドアファミリーで育つ。10代後半は1人旅にハマりヨーロッパや北米を中心としたトラベラー期となる。現在もスキー、スノーボード、ダイビングなど海や山で活動中。「愛する登山」は低山から厳冬期の雪山まで季節問わず楽しむhike&snowrideなスタイル。お気に入りの山は立山連峰!Greenfield登山部/部長の任命を受け部活動と執筆活動に奮闘中。