私たちの着ている服が環境破壊の一因になっていることを知っていますか?アウトドアウェアを展開するブランド「BRING」(ブリング)では、不要な服を回収し、新しい服として生まれ変わらせる服のリサイクルに取り組んでいます。服を見直すことから、環境問題について考えてみませんか?

服から環境問題に取り組むBRINGとは?

アウトドアウェア リサイクル 環境保護
出典:BRING

アウトドアアクティビティを楽しむ中で、一度は「自然保護に貢献したい!」と思ったことはありませんか?しかし、何から始めれば良いのかわからない人も多いと思います。

せっかくなら、環境への負担をできるだけ抑えながら、自分も楽しめる自然との関わり方をしたいですよね。そこで注目したいのが不要な服をリサイクルし、新しいウェアとして生まれ変わらせるブランド「BRING」です。

アパレル業界が抱える環境問題

Bring
出典:BRING

今、世界でごみとして捨てられる服は年間9,200万トン。また、服の原材料となる石油から作られるポリエステルは毎年5,200万トンが新たに作られています。

さらに、私たちが着ているアウトドアウェアには合成繊維がたくさん使われており、その合成繊維は環境破壊の原因になっています。例えば水問題。繊維産業で製造時に消費する水は500万人もの人の生存を可能にするのに匹敵する量。特に水を大量に使うのは染色の過程で、この過程で出る廃水は世界の廃水の20%を占めます。

そして水質汚染も産業業界がもたらす環境問題です。プラスチックから作られる化学繊維は洗濯時に大量の微小繊維(マイクロファイバー)を発生させ、これらが海に流れ出ることで海洋汚染を引き起こしています。洗濯槽一杯分の化学繊維衣類を洗濯したときに出る、マイクロファイバーの数はなんと約70万個

また、このマイクロファイバーは海で魚などの海洋生物が捕食し、その海洋生物を食べることで私たち人間の口に入る可能性もあるのです。このように化学繊維は環境破壊の一因となっています。

参照:
HATCH「環境負荷が非常に大きいアパレル産業 世界と日本が始めた対策とは」

独自の技術で服の環境問題に取り組む!BRINGとは?

アウトドアウェア リサイクル 環境保護
出典:BRING

こうした服がもたらす環境問題に着目し、独自の技術で服のリサイクルに取り組んでいるのが、日本発のアウトドアアパレルブランド「BRING」

商業施設や様々なブランドが不要な服の回収を行っているのを見たことはないでしょうか?BRINGでも全国のThe North Faceなど大手アウトドアブランドのショップをはじめ、イオンモールなどの施設や多数の企業と協力して、不要な服の回収を行っています。

そして、回収した服から出たポリエステルを再利用して新たな服を生み出しています。回収拠点の数はなんと3,029!BRINGの公式ホームページでは地図上で回収拠点を確認できます。近くの回収拠点を調べるのに活用ください。

BRINGの技術は、「服を作る→着る→回収する→リサイクル」といった画期的な循環サイクルで、服を生み出すことによる環境負担を軽減しました。

BRINGウェアはキャンプや登山に最適!

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出典:BRING

環境にやさしいBRINGのウェアはアウトドアに最適!私がBRINGを知ったのは、アルバイトをしていたアウトドアショップで扱っていたことがきっかけです。商品を扱うなかで知った、BRINGの魅力を紹介します。

まず、BRINGの王道商品でもある「DRYCOTTONY」シリーズ。半袖・ノースリーブ・長袖など幅広くラインナップされているこのシリーズのTシャツは、どれもBRINGの再生技術によって生み出されたポリエステル「BRING Material™」素材。ポリエステル100%なのに、その肌触りはサラサラでまるでコットンのようです。

街でも着られるシンプルなデザインで、バックテールが採用されたデザインでありお尻が隠れるようになっているのもうれしいですね。

糸の断面がY字になっていることから吸水速乾の機能があり、このY字によって海洋汚染の原因となっているマイクロプラスチックを発生させにくくしています。糸にはチタン由来原料が練りこまれていて、透けと紫外線を防いでくれます

また、登山で長期縦走する人、運動でたくさんかく汗・匂いを気にしたくない人にはBRINGのアンダーウェアラインである「WUNDERWEAR」シリーズがおすすめ。BRINGの商品はどれもオールジェンダー対応で男女問わず着られますが、このWUNDERWEARシリーズも例外ではありません。さらには、表裏・前後関係なくリバーシブルで使うことができるから驚きです。

WUNDERWEARシリーズはBRING Materialの再生ポリエステルにメリノウールを混ぜて作られているため、メリノウールの特徴である防臭・抗菌作用があり、たくさん汗をかいてもにおいが気になりにくいのも要注目です。

ただ、アウトドアウェアにあるあるの問題で、全体的にお値段が少し張るところやDRYCOTTONYシリーズはストレッチ性が弱いところ、肩の部分の縫い目が登山でザックを背負った時に気になるところが、“もう少し”なポイントではあります…。

BRINGの服を着ながら自然保護に貢献する

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出典:BRING

BRINGのウェアは、BRINGの直営店及び全国の取り扱い店舗、公式オンラインショップでも購入できます。オンラインショップで購入すると、1回の購入につき1枚の服の回収封筒がついてきて、返送するだけで不要な服をリサイクルに出せますよ。

日常でもアウトドアシーンでも着られて、機能性も高く、着ながら環境保護につながるウェア。さらには、服の回収を利用してみることでBRINGマスターになっちゃいましょう!

参考サイト:
BRING
商品一覧 | BRING(ブリング)公式通販

ratcho

ライター

ratcho

静岡県の田舎で生まれ育った現役大学生。高校で山岳部に所属し、登山を本格的に始める。山を求めて長野県の大学に進学。

大学ではワンダーフォーゲル部に所属し夏山を中心に登山をしていると共に、野外教育を専攻しアウトドアに囲まれた大学生活を送っている。