Peace Cafe Hawaii(以下:ピースカフェ)では、人と自然が調和し、豊かに生きていくヴィーガンライフの実現を目指しています。野菜を皮や根まで残らず活用したり、土に還るテイクアウト容器の使用など、ピースカフェのサステナブルな店舗運営に対する取り組みを紹介します。
ヴィーガンは人と地球にやさしい食の選択肢
ヴィーガンは、なぜ「サステナブルな食の選択肢」といわれるのでしょうか。その理由は、ヴィーガンを選択し、植物性食品を消費することで、環境負荷が抑えられると考えられているからです。また、動物の命を奪わない自然と調和したライフスタイルが、倫理的な観点からも注目されています。
畜産業は温室効果ガスの排出や土地・水の大量消費など、環境に大きなダメージを与えています。もちろん、野菜や穀物を生産する過程でも、土地や水が必要です。環境負荷はゼロではありませんが、畜産と比較して、ダメージが少ないといわれています。
ヴィーガンが急激に普及している背景には、数々の環境問題が関係しています。ヴィーガンを選択することは、私たちの心と体に影響をもたらすだけではなく、人と自然が調和する豊かな未来を築くアクションにもなっているのです。
ハワイの豊かな自然を守るサステナブルなアクション
ピースカフェでは、動物性食品を一切使用しない、100%ヴィーガンの食事を提供しています。また、環境負荷の少ないライフスタイルを提案し、人と地球にやさしい社会の実現を目指しています。
「一物全体」でおいしさと栄養を丸ごと!無駄なく食べてゴミゼロを目指す
ピースカフェの食事は、肉や魚、卵、乳製品を一切使用していません。また、マクロビオティックや食養生に基づき、「一物全体」の考え方を取り入れています。
「一物全体」とは、生命あるものを丸ごと食べること。野菜は根も葉もすべて、米は精製しない玄米を食べることで、食材本来の味を楽しみ、栄養を丸ごと吸収できます。
食材を無駄なく利用することは「ゼロウェイスト」を実現することにもつながります。
ゼロウェイストとは、ゴミをゼロにすることを目標に、できるだけ廃棄物を減らしていこうという取り組みです。ピースカフェでは、少量づつ丁寧に手間ひまかけて食材を扱うことで、ゴミを出さない工夫をしています。
どうしても出てしまう皮や種の部分は、新しいメニューとして考案したり、スープやソースに活用したりと有効活用されています。廃棄されるはずだった野菜の皮で作るかき揚げは、サクッとした食感と風味豊かな味わいで主役級のおいしさですよ。
根も葉も皮もすべて!野菜の旨みを引き出す工夫
玉ねぎ、万能ねぎの根や生姜の皮は、煮出してスープにするほか、炒めて香味油を作る活用法も。1時間以上じっくり旨みを引き出した野菜は、ペーストにして最後まで使い切ります。
おいしさと栄養をギュッと濃縮したペーストは、旨みが折り重なり、コクを感じられる味わい。ひとかけらも残すことなく活用し、ゼロウェイストも実現しています。
香り高いパクチーの根を利用した野菜出汁は、エスニック風のスープに。野菜のペーストは、ピースカフェ自慢のカツソースにも利用されていますよ。
環境に優しい選択を。土に還るエコなテイクアウト容器
ハワイでは、年間800万トンもの海洋プラスチックゴミが漂着しており、海洋汚染やマイクロプラスチックの問題が深刻化しています。それを受けて飲食業者の容器に関する規定が条例で発表され、さまざまな対策が講じられてきました。
テイクアウトは、お店の味をいつでもどこでも楽しめる便利なサービスである一方、ゴミが増えてしまうことが課題のひとつ。ピースカフェでは、サステナビリティな観点を重視して、テイクアウトの容器はすべて土に還る生分解性素材のものを使用しています。
また、ピースカフェでは、店内でオーダーしたメニューの持ち帰りが可能です。食べ切れなかった分をマイ容器に詰めて持ちかえれば、フードロス削減につながります。
お店だけでなく、わたしたちの行動も変えていくことで、持続可能な未来の実現へとつながっていくでしょう。
ハワイの恵みを味わう!地産地消のオーガニック食材
ピースカフェでは、ハワイ産のオーガニック野菜とフルーツを使用することで、輸送にかかる環境負荷を削減。「Farm to Table」の普及を目指しています。
「Farm to Table」とは「農場から食卓へ」を意味する食のあり方です。地元で採れたフレッシュな野菜をそのままお店に届け、調理していただく。シンプルでありながら、環境負荷を最小限に抑えたサステナブルな食を実現しています。
ハワイで採れたオーガニック野菜は、そのまま食べてもおいしく、野菜本来の旨みを感じられます。マンゴーやパイナップル、アサイーなどのフルーツも瑞々しく濃厚な味わい。甘みや酸味のバランスが良く、身体に沁み渡るようなおいしさです。
食と食をつなぐ場所へ
オーナーシェフの寺井将太さん(Shotaシェフ)は、地域の人々との交流を大切にし、近郊に住む小規模農家から直接食材を仕入れるなど、地産地消をベースとした豊かな食のあり方を追求しています。
作る人と食べる人の距離が近いのは、アットホームな雰囲気のピースカフェならでは。「今日はパッションフルーツがたくさん収穫できたの。お店で使ってみない?」など、お客様とのカジュアルな会話から食の交流が始まります。
Shotaシェフのオープンマインドが多くの人を呼び寄せ、食と食をつなぐ交流の場にもなっています。
「もったいない」の心を大切に。地球にやさしい循環型のライフスタイル
ハーブ類や香味野菜は、ファームから購入するだけでなく自分たちで栽培することも。タイミングがよければ、店内で水耕栽培されたフレッシュなハーブを楽しめます。店内を彩るハーブは、やさしくナチュラルな香りでお客様を迎え、心の安らぎも与えています。
またピースカフェでは、料理だけでなく、店内の装飾もShotaシェフはじめスタッフの手作り。壊れてしまったら手を加え、不要なものはリサイクルショップに持ち込むことで循環型のライフスタイルを実現しています。
過剰な消費を抑え、ものを大切に、丁寧に扱う。ピースカフェでは料理からライフスタイルにいたるまで、持続可能な未来を見据えた取り組みを今後も継続していきます。
下記の記事で、ピースカフェを紹介しています!詳しく知りたい方はこちらも参考にしてみてください。
ライター
AYA
静岡県出身。海と山に囲まれた自然豊かな環境で育ち、結婚後に、タイ・バンコクへ移住。病気がきっかけで、ヴィーガンのライフスタイルに目覚める。現在は、2児の母として子育てに奮闘しながら、人と環境にやさしいサステナブルな暮らしを実践中。自身の経験をもとに、ヴィーガン、環境問題、SDGsについて情報を発信している。