※このページにはアフィリエイトリンクが含まれています。

SDGsにおいて、世界が取り組むべき課題のひとつとされるフードロス削減。「未利用魚」と呼ばれる、食べられるにもかかわらず廃棄される魚を知っていますか?この記事では、未利用魚を取り入れるメリットや購入できる場所を紹介しますね。

食べられるのに捨ててしまう「未利用魚」とは?

未利用魚とは、数がそろわなかったり傷がついていたりといった理由から、市場に出回らない「もったいない魚」のことです。食べられるにもかかわらず、買い手がなかなかつかないことからほとんどは廃棄され、一部漁師や水揚げされた地域で食べるのみとなっています。

未利用魚が捨てられてしまう理由

未利用魚 フードロス

未利用魚が廃棄される理由はおもに4つあります。

見た目がよくない

まずは見た目がよくないことです。スーパーで魚を選ぶ際には見た目にこだわる方も多いですよね。未利用魚は色がくすんでいたり表面がざらざらとしていたりと、見た目が食欲をそそらないため売れないのです。

規格外のサイズである

また、サイズのばらつきが激しい点も捨てられる理由に含まれます。スーパーで魚を売る際は野菜や果物と同じように規格があり、同じサイズの魚を同じパックに入れ、それに対して値段が付くようになっています。そのため、サイズにばらつきがある時点で値段が付けられないのです。

漁獲量が多すぎる・少なすぎる

漁獲量は多すぎても少なすぎてもいけません。多すぎる場合は価値が低くなり、高い値段が付けにくいため未利用魚になりやすくなります。

一方、少ない場合は売り場に出せないことも。スーパーやレストランでは、サケやマグロなどの決まった魚種を仕入れて販売・提供しています。漁獲量が少ないと、販売するための基準量に達しなかったり、毎日のメニューで使えなかったりするため、そもそも仕入れができないのです。

加工に時間がかかる

加工に時間がかかり面倒であることも理由のひとつ。未利用魚には毒を持つものや捌きにくいもの、内蔵の臭いが強いなどがあり、食べられる状態にするまで時間がかかります。ほかの魚のほうが加工しやすいうえにおいしさもあることから、このような魚は廃棄されてしまうのです。

未利用魚を食事に取り入れるメリット

未利用魚 フードロス

未利用魚を食事に取り入れることで、いくつかの社会問題に貢献できます。

フードロス削減につながる

FAO(国際連合食糧農業機関)が2020年に出した報告書によると、世界の漁獲量のうち約30~35%が廃棄されており、日本での廃棄量は約100万トンといわれています。未利用魚を活用することでこの廃棄量を減らせます。

また、フードロス削減はSDGsの目標「12.つくる責任、つかう責任」の中で示されているため、未利用魚の活用は目標達成に向けても大切な役割を果たします。

出典:NHK

海の生態系を守る

未利用魚を食べることで海の生態系を守ることにもつながります。海の資源は年々減っており、2019年に水産庁が発表した「水産白書」によると、本の漁獲量は1984年の1282万トンをピークに減少し続け2018年には442万トンと、34年間で約3分の1も減っているのです。さらに、このうち約100万トンは未利用魚として廃棄されているとなるとかなりもったいないですよね。

廃棄されていた未利用魚を活用することで、獲りすぎていた未利用魚以外の魚種の資源を保護できることになり、SDGsの目標「14.海の豊かさを守ろう」にもつながるのです。

出典:水産庁

未利用魚を食べてフードロスに貢献しよう!

未利用魚 フードロス出典:フィシュル

最後に、未利用魚を販売しているサービスを紹介します。味付けされていたりレシピが同封されていたりと食べやすいようになっているので、ぜひ気軽に手に取ってみてください。

フィシュル

フィシュル(Fishlle)は、味付けや下処理がされた新鮮な未利用魚を定期的に届けてくれる、魚のサブスクリプションサービスです。魚は水揚げされたその日に捌き、ー30℃の瞬間凍結をするので新鮮な状態のものが食べられます。

フィシュルは、味付けがすでにされており、真空冷凍パックで届けられるのが特徴です。そのため、お皿に乗せるだけ・茹でるだけ・焼くだけで簡単に未利用魚が味わえますよ。

また、魚はその月に獲れたものに対して、それぞれの味を最大限引き出す味付けを施すので、届くたびに異なるものを楽しめます。和風・洋風・中華風などのさまざまな味付けがラインナップとしてあるので、飽きることなく楽しめるでしょう。

骨もとってあり添加物も入っていないため、子どもも安心して食べられます。忙しい家庭であっても簡単に栄養バランスの取れた食事ができるのがうれしいポイントです。

食べチョク

食べチョクは、日本最大級のオンライン直売所のことで、野菜、肉、魚、乳製品、飲料、調味料、穀類、植物などさまざまなカテゴリーの品々が産地から直送で届くサービスです。

未利用魚については「未利用魚ボックス」や「漁師直送の季節のおさかなセット」など、ランダムな詰め合わせから種類指定のセットなどが販売されています。人気のセットは数か月待ちになるほど売れていますよ。3kg程度の商品が多く、スーパーで買う魚よりかなりお得な価格で購入できるので家計に優しいです。

また、食べチョクでは消費者と生産者のつながりを大切にしており、購入時に生産者の顔が見られたり、生産者のこだわりやストーリーを消費者に伝えたりしているので安心感もあります。食べチョクの未利用魚は、魚そのものが届けられるため、魚料理が好きな人や自分で味付けをしたい料理好きな人に特に向いているかもしれません。

らでぃっしゅぼーや

らでぃっしゅぼーやは、野菜や魚、無添加食品などの食材を定期宅配するサービスです。

らでぃっしゅぼーやには「ふぞろいお魚 レスキューくらぶ」と呼ばれる、長崎県にある佐世保魚市場で厳選した30種以上の魚の中から、時期に合わせた魚を届けてくれるサービスがあります。届く魚種は旬に合わせてランダムとなっており、未利用魚はもちろん、スーパーで売られているアジやサバなどさまざまな魚を楽しめますよ。普通に生活しているなかでは出合えないような多くの魚を食べられるのが、らでぃっしゅぼーやの特徴です。

魚は市場のすぐ近くで処理・加工されるため新鮮なまま届けられます。さらに、届く際には魚の詳しい紹介やどの魚にも対応できるレシピが同梱されているので、魚料理をあまり作らない場合であっても安心して料理ができますよ。

未利用魚の活用は、フードロスや海の資源枯渇といった問題に大きく貢献するものです。獲りやすく価値のある魚だけではなく未利用魚を利用することで、海の豊かさにもつながるため、私たちのアウトドアフィールドを守ることにもなります。未利用魚はまだあまり知られていないものの、私たちの生活で気軽に取り入れられる選択肢がたくさんあります。この機会に未利用魚を食事に取り入れ、環境保護に貢献してみませんか?

参考文献:

未利用魚とは?未利用魚の問題点・種類・活用加工法まで専門家が解説|フィシュル
物価高の救世主!未利用魚とは?通販や企業事例を紹介|SDGsシェア&アクション
未利用魚とは?通販やサブスクで仕入れた、安くておいしい魚の活用方法|ハウスコム
フィシュル
食べチョク
ふぞろい お魚 レスキューくらぶ

ライター

エレナ

フリーランスライター。学生時代の海外ボランティアをきっかけにSDGsやエシカルに興味を持つ。主にSDGs、英語学習、留学、旅行について執筆。リフレッシュには自然の中でのんびり過ごすのが好き。