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攻撃していないのに、スズメバチのターゲットになってしまうことがあります。とくに、秋のスズメバチは攻撃性が高まるシーズン。この記事では、自宅で家族がスズメバチに刺された実体験から、原因や身を守るために見直したことを紹介します。ぜひ野外活動の参考にしてみてくださいね。

わが家で起きたスズメバチ被害体験談

スズメバチの危険性

草刈りをしていたパートナーが「背中が痛いんだけど、なにかに刺されてない?」と慌ててリビングに駆け込んできました。Tシャツをめくって背中を確認すると、赤く腫れあがっています。

「ポイズンリムーバーもってきて!」
なにに刺されたかは不明なものの、とにかく毒を出さなければと本能が察知したのでしょう。パートナーから強い指示が飛んできました。

登山時の緊急アイテムとして買い置きしてあったポイズンリムーバー。まさか、自宅で使うことになるとは……。そのようなことを考えながら、毒を数回吸引したあと、市販薬を塗り様子を見ることにしました。

とくに悪化することなく、一件落着と思いきや……パートナーが刺された数日後、2人目の被害者が出ました。それは、トラクターで畑を耕していたお隣のご主人でした。ドウダンツツジの真横をとおった瞬間、手の甲に痛みが走ったそうです。

スズメバチの危険性

私たちは、畑のご主人が知らせに来るまで、スズメバチの巣の存在にまったく気づいていなかったのです。一緒に巣を確認しにいったパートナーが、青い顔で戻ってきて「あれは、まずいな……」とひと言。

翌朝、片っ端から蜂の駆除業者に連絡をとり、すぐさま撤去の依頼をします。撤去の一部始終を家のなかから眺めていましたが、四方八方から戻り蜂に攻撃されている光景は恐怖でした。いくら防護服を着ているとはいえ、命がけの仕事です。

そして、作業終了後に見せられた蜂の数に絶句していました。

なぜスズメバチに刺されたの?

スズメバチの危険性

なぜ、スズメバチや巣を攻撃していない2人が刺されてしまったのでしょうか。振り返ると、以下の3つの原因がスズメバチを刺激していたと考えられます。

  1. 巣の近くで話し込んでいた
  2. 威嚇音に気づくのが遅れた
  3. 大きな音をたてた

巣の近くで話し込んでいた

スズメバチの巣は、お隣の畑とわが家の境界線上にあるドウダンツツジのなかにできていました。畑側の奥に作られていたため、まったく気づいていなかったのです。

パートナーがスズメバチに刺されたとき、草刈りを中断して畑のご主人と談笑していたといいます。その場所は、まさに垣根となっているドウダンツツジ付近。そして、この2人は声がとても大きいのです。

家のなかにいた私ですら「あぁ、またお話しているのね」とわかるほど。巣の近くで長時間話し込んだことで、スズメバチの攻撃対象となったのではないでしょうか。このとき刺されたのは、巣のほうに背中を向けていたパートナーだけでした。

威嚇音に気づくのが遅れた

「そういえば、蜂の羽音がしていたような気もするな……」。しばらくして、パートナーが口にした後日談です。あまりにものんきな回答に少し呆れていました。

そう、スズメバチは刺す前に威嚇と警告をしてくれていたのです! スズメバチは、巣に近づいてくるものがいると攻撃対象とみなします。周囲を飛び回り、羽音をたて、アゴを「カチカチ」と慣らして威嚇するそうです。

おそらく、話に熱中するあまり、威嚇音を聞き逃していたのでしょう。

大きな音をたてた

畑のご主人がスズメバチに刺されたのは、トラクターに乗っていたときです。ちょうど、垣根のドウダンツツジ付近をとおり過ぎたころ。スズメバチは、トラクターの大きな音と振動に驚いて攻撃したのでしょう。

わが家も畑のご主人も、スズメバチの巣にまったく気づいていませんでした。存在に気づかないまま攻撃される体験を知り、自宅はもちろんのこと、アウトドアシーンでも気をつけたいと感じた一件です。

スズメバチの生態・習性については、以下の記事もチェックしてみましょう!

キャンプ スズメバチ
キャンプのスズメバチにご用心!生態や習性と刺されないための対策

体験して見直したスズメバチから身を守るためにできること

スズメバチの危険性

蜂を駆除してくれた業者さんの話を聞き、あらためてスズメバチが身近な存在であることを痛感しました。家族が刺された体験から、身を守るためにできることを見直したので紹介します。

  • 黒色の服装は避ける
  • ニオイに気をつける
  • 威嚇音が聞こえたら離れる
  • 応急処置セットをそろえておく

黒色の服装は避ける

スズメバチは、黒色や濃い色の動くものに反応するそうです。パートナーが刺されたときも、黒系の服装で作業していました。それからというもの、野外で活動する際は、明るい色の服装を選ぶようにしています。

ところが、服装に気をつけていても、頭部を狙われることもあるそうです。帽子を被ることも忘れないようにしましょう。

ニオイに気をつける

スズメバチは甘いニオイが大好きです。とくに、柑橘系の香りに反応しやすいそうです。香水・制汗剤・整髪料・柔軟剤など、生活のなかで無意識にスズメバチを引き寄せてしまう原因は多いもの。

また、飲み物の甘いニオイに集まってくることもあるので、野外で活動するときは注意しましょう。

威嚇音が聞こえたら離れる

「ブーン」という威嚇音が聞こえたら、静かにその場を離れてください。音を無視したままその場に留まると、パートナーのように刺されるリスクが高まります。

先日の登山中に、この羽音が聞こえてきて「ヒヤッ」とする瞬間がありました。たしかに、周辺にはスズメバチの姿が……。刺激しないよう、すぐにとおり過ぎて危険を回避しました。

応急処置セットをそろえておく

スズメバチに刺されたときのために、応急処置セットを準備しておくことも大切です。蜂の毒を吸引するポイズンリムーバーや、毒を中和する抗ヒスタミン薬などがあれば、緊急時に対応できるでしょう。

なお、蜂の毒が原因で、アナフィラキシーショック症状を引き起こす人もいるようです。最悪の事態を避けるためにも、迅速な初動を心がけましょう。

スズメバチ対策アイテムは、以下の記事も参考にしてみてくださいね!

登山 スズメバチ対策
登山でのスズメバチ対策と刺された際の対応方法
スズメバチ被害は、誰にでも起こり得る身近な問題。不用意に巣の近くで刺激するのは危険ですし、大きな音や振動・香りは要注意。攻撃対象とならないために、明るい色の服装選びも大切です。それでも威嚇されてしまったら、静かにその場を離れましょう。万が一、刺されてしまった場合を想定して、毒を吸引できるアイテムを準備しておくのがおすすめです。

参考:
林業・木材製造業労働災害防止協会
ハチ110番

ライター

いさな(藤原 勇魚)

「登山へ毎日行くのは無理。でも自然を感じる暮らしがしたい!」そんな理由から、ウッドデッキの先に小さな森を作りはじめた。小さな森では、野鳥がさえずり飛び交う毎日。そして、果樹・野菜・植物が生きいきと育つ場所にもなっている。

「自然の豊かさ=心の豊かさ」を体感し、自然から得たシンプルで大切な気づきをkindle本で出版する日々。さまざまな視点で、自然から得られる学びについて発信していきたいと思っている。