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海・川のシートベルトといわれるライフジャケット。基本的に着用は推奨ですが、シチュエーションによって、通称「桜マーク付きライフジャケット」を着用しないと違反になることをご存じですか?今回はそんな桜マーク付きライフジャケットについて説明します。

桜マーク付きライフジャケットとは

国土交通省が認定するライフジャケットには検査に合格した証明の検印があります。その検印マークが桜の形をしており、通称「桜マーク付きライフジャケット」といわれています。ちなみに検印を行うのは国土交通省ではなく、JCI(日本小型船舶検査機構)という国の代行機関。桜マークを認印できるライフジャケットの条件は、以下です。
マリンジャケット・桜マーク
 参考:国土交通省 

 

桜マーク付きライフジャケットの必要な条件下

桜マーク付きライフジャケット必須の環境があり、基本的には小型船舶に乗船している場合です。小型船舶とは漁船、モーターボート、水上オートバイなど小型船舶操縦士免許が必要なすべての船舶のことをいいます。ただ、桜マーク付きのライフジャケットであればなんでもよいわけではなく、船舶やシチュエーションによってタイプが決まっているのです。

タイプA  → すべての小型船舶
タイプD  → 陸岸から近い水域のみを航行する旅客船・漁船以外の小型船舶
タイプF → 陸岸から近い水域のみを航行する不沈性能、緊急エンジン停止スイッチ、ホーンを有した小型船舶(水上バイク等)でかつ旅客船・漁船以外のもの
タイプG → 湾内や湖川のみを航行する不沈性能、緊急エンジン停止スイッチ、ホーンを有した小型船舶(水上バイク等)でかつ旅客船・漁船以外のもの

マリンレジャーに関わる船舶としては、以下を参考にタイプを判断してください。

マリンレジャーに関わる船舶 タイプ別

遊漁船・釣り船・プレジャーボート → タイプA
エンジン付きのゴムボート・バスボート・アルミボート → タイプA,D
渡船(磯等渡し)→タイプA,D,F

ただ、上記の条件下であっても桜マーク付きライフジャケット着用適用外の場合があります。複数ありますので、今回はマリンレジャーに関わるものだけ抜粋しました。

桜マーク付きライフジャケット着用適用外

・屋根と壁に囲まれた船室の中にいる場合
・船外で泳ごうとする直前の方
・船外で専用の装備を用いたスポーツ・レクリエーションをする方
・船外において、専用の装備を用いた作業をする方
・防波堤内に係留された船にいる方
・船長が定めた安全場所の範囲内にいる方

出典:国土交通省  

桜マーク付きライフジャケットの重要性

ライフジャケットの着用は非着用に比べて生存率が2倍以上といわれています。平成30年にすべての小型船舶乗船者に着用が義務化、令和4年からは桜マーク付きを着用していない場合、船長は処罰となりました。

桜マークと同条件のライフジャケット(EUやアメリカの規格等)であっても、桜マーク付きではないということで違反となるケースもあるので、注意しましょう。ちなみに元々あった桜マークの検印がスレて消えてしまった場合は、製造年番号は記録が残っており、申告することで違反にはなりません。

参考:水産庁

桜マーク付きライフジャケットは、処罰されるからという理由ではなく、命を守るために、正しく着用しましょう。

桜マーク付きライフジャケットの特徴

桜マーク付きのライフジャケットは膨張式と固定型式の2種類です。

膨張式

ナイロンカバーの中に小型のガスボンベが付属してあり、水を感知する、もしくは本人がヒモを引っ張ると膨らむ仕様です。なお、膨張式には首にかけるタイプと腰に巻くタイプがあります。

マリンジャケット・桜マーク

マリンジャケット・桜マーク

 

どちらも、日頃から保守点検が必要です。たとえばガスボンベは新品かどうか(使用は1度のみ、再使用不可)、カートリッジの交換期限は過ぎていないかなど、きちんとチェックしていないと、いざというときにまったく使えない、むしろ邪魔な存在になってしまいますので、注意しましょう。

固定型式

よく見るベスト型で、前面・背面に浮力体があり、落水時何もせずともそのまま浮きます。人が最低限浮くための浮力体がついているベストなので、膨張式より場所を取りますが、特にメンテナンスが必要なく維持費がかかりません

ただ、ベルトがきちんと締まるか、ファスナーに破損が見られないか、付属の笛はちゃんと鳴るのかといった確認は、使用前に怠らないようにしましょう。

マリンジャケット・桜マーク
 

桜マーク付きライフジャケットの選び方

マリンジャケット・桜マーク

 
持ち運びしやすく場所を取らないタイプを好む方には、コンパクトな膨張式がおすすめです。購入後、できれば一度着水してみてどのように膨らむか、自分の身体がどう浮くのか実践することをおすすめします。ガスボンベが1本無駄になってしまいもったいないですが、感覚をわかっていると水面でパニックにならず、落ち着いて行動することができますよ。

泳ぎが苦手な方やお子様には固定式のベストタイプがおすすめです。一番大事なことはサイズ感。ぶかぶかだと、落水時の衝撃でそのまま身体からすっぽり出て行くので、もし最寄りに販売店があれば実際に試着してみましょう。

ネット購入の場合は身長・体重・年齢が記載されたサイズ表をしっかりと確認し、不安があればメールで問い合わせすることをおすすめします。

そしてどちらのタイプにもいえることですが、なるべく目立つ色を選びましょう。少しでも目立つほうが忘れにくく、紛失の可能性も低くなるからです。ちなみに筆者のおすすめは固定式。泳ぎが一般の方より長けている筆者でも、膨張式は少し戸惑います。

安心感があり、水面でパニックになりにくいということは、自身だけでなく周りの方にも迷惑をかけにくいということです。

最後に最大の注意点ですが、どんな桜マーク付きライフジャケットを持っていても、正しく使うことができなければ、意味がありません。筆者も経験済みです。たとえば腰に巻くタイプを斜め掛けしていると、落水時変な風に身体に巻きつき、膨張箇所が悪ければ顔が下になってしまう可能性もあります。この記事をきっかけに、マリンアクティビティスポーツを楽しむだけでなく、「より安全に楽しむ」ということを意識していただけると幸いです。

ライター

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マリンスポーツのジャンルを得意としたwebライター。海遊びの楽しみ方やコツを初心者にも伝わるよう日々執筆活動中。スキューバダイビング歴約20年、マリンスポーツ専門量販店にて約13年勤務。海とお酒と九州を愛する博多女です。