スノーピーク『グランベルクM』にインナーをセットしたら、デッドスペースが発生!ロッジ型シェルターにありがちなこの悩みを工夫してみたところ、快適なリビングスペースに。この記事では、『グランベルクM』のデッドスペース活用術と使用感を紹介します。
ロッジ型シェルターにはデッドスペースがつきもの?
スノーピーク『グランベルクM』のロッジ型シェルター。基地のようなビジュアルで使い勝手は抜群なのですが、筆者の使い方ではリビングスペースが不十分です。
グランベルクMは、構造上インナーとデッドスペースが全体の1/2を占めます。インナーテントがシェルターの幕体と沿わない形状のシェルターは、同じような状況になりがちですね。デッドスペースに悩まされている方もいるのではないでしょうか?
グランベルクMの場合は、インナーを取り付けると4人使用くらいがギリギリです。2~3人ほどの少人数キャンプなら広々と使えるのでいいのですが、筆者としては「もう少しスペースの活用ができないものか!」と思ってしまいました。
インナーを外せば、3グループ8名くらいのベースシェルターとしても使えるのでとても気に入っています。でも、暗くなってから夜中にインナーをセットするのはちょっとたいへんです!
ランドステーション用インナーで解決
筆者が持っている『ランドステーション用インナールームS』をデッドスペースに張ってみました。きちんと張ると少し飛び出してしまうのと、吊りベルトにジョイントを足して伸ばす工夫が必要ですが、なんとちゃんとフィットしました!
ランドステーション用のインナールームSは、ほぼひとり用。両サイドに張れば、2人分の就寝スペースが確保できます。筆者は入り口スペースを広く取りたかったので、コットの上にマットをひいて就寝しました。専用のインナーでなくても、工夫次第で取り付けできるとは!
まずは試しに挑戦することが大事ですね。
優雅にくつろげるお座敷スペース誕生
グランベルクMのインナースペースは、スノーピーク『リビングシート(TM-380)』『フロアマット(TM-385)』でお座敷仕様にできます。このときは、お座敷に4人+椅子で3人、あわせて7人でも余裕をもってくつろげました。
10名くらいまでは広々と使えそうです。4人使用でギリギリだったときと比べると、かなり余裕のスペースに。みんなで集まって、ゆっくり充実した時間を楽しめました!
真冬にインナーなしで大丈夫?
2024年初頭は暖冬でした。とはいえ、山梨県甲府市のキャンプ場で、1月4日朝の気温は約0℃。はじめて真冬にインナーなし、コットの上にマットとシュラフで挑戦してみました。結果、「大丈夫!快適!」です。
テント以外の装備は以下の通りです。
- コット:Hilander(ハイランダー)GIコット
- マット:スノーピークインフレーターキャンピングマット
- シュラフ:NANGAオーロラライト650DX
- インナーシュラフ:コールマンフリーススリーピングバッグ
- 湯たんぽ
- 服装:長袖Tシャツ・薄手フリース・スウェットパンツ・登山用靴下
暑すぎて、就寝途中でフリースと靴下を脱ぎましたが、調節すると快適に寝られました。脱いだフリースと靴下はシュラフのなかの足元へ入れておき、朝になってそれを着るとポカポカ!体を冷やすことなく起きられました。
高さのあるコットがGOOD!
コットは、ロータイプよりも安定した高さのあるもののほうが地面からの冷気を抑えられます。スノーピーク製のコットも理想的でしたが、私はブラックを選びたくて、ハイランダーのものを購入しました。ハイランダーのコットも、しっかりしたつくりで気に入っています!
ちなみに、スノーピークは『2023春の雪峰祭』限定カラー、ハイテンションブラックを販売しました。
寒さ対策はやりすぎでよい
冬キャンプで一番の敵は、寒さ。寒くて寝られないという状況は絶対避けたいので、シュラフは使用温度をカバーした、しっかりしたものを選ぶことをおすすめします。
寒い時期には決まってテント内が結露して、シュラフのなかも呼気や汗で湿度がアップ。筆者も愛用しているダウンシュラフメーカーのNANGAには、『オーロラテックス』という防水性・透湿性にすぐれた素材のシュラフがあります。外からの結露を防ぎ、なかの湿気を外に逃がす素材が冬にぴったりです。
冬のシュラフは快適に使えるものをチョイスしたうえで、「これでもか」と暖かい装備をしておくのがおすすめ。暑すぎたら、そこから服装や小物類を外していくほうがいいと思います!
夏は蚊帳タイプのインナーが◎
グランベルクはサイド面がメッシュウォールになっています。さらに、UVカット加工が施されていて、比較的夏でも涼しいシェルターです。タープ替わりに使えるようなシェルターを選ぶなら、遮光性は大きなポイントですよね。
夜はメッシュにしておけば、蚊もシャットアウト!とは、残念ながらいきません。シェルターを締め切っていても、出入りをすればそのときに蚊は入ってきます。コットにそのまま寝ていたら、一晩中悩まされることになりました。
蚊対策として、なにかいいものはないか探してみたところ、蚊帳(かや)がわりになる『モノポールインナーテント・メッシュバージョン』(テンマクデザイン)を発見!これがコットのサイズにほぼピッタリでした。場所をとらず、慣れれば5分程度で設営できます。
ほかのインナーに比べて、リーズナブルなのもポイント!これで夏も快適に眠れます。
グランベルクMのデッドスペースを活用することで、より広々と快適になったシェルターの活用方法を紹介しました。省スペースのインナーテントを持っている方は試しに張ってみてはいかがでしょうか?コットの上にインナーテントを張ってみてもいいですね。デッドスペースがありそうなシェルターは、必ず工夫ができるはずです。購入をためらっている方は、この記事を参考に、快適な空間作りを楽しんでみてください。
ライター
Maita
アウトドア大好きなフリーランスのフードコーディネーター(FCAJ認定/1級)&Webデザイナー。こだわって作った『つくりおき料理』で楽しいキャンプ飯を考案。また、日本各地の固定種・在来種の食材を使った料理を手掛け、地域の食文化の継承を模索している。一人でも家族でも仲間でも楽しめる、そして地球にやさしいレシピを提案していく。