対策①たまには周りを確認する余裕を持つ
スキーやスノーボードを楽しんでいるときは、滑ることに夢中になりがちです。また、場所にもよりますが、祭日や土日はゲレンデが混んでいることも多いですよね。
そんなときは、衝突などが起きやすい状態です。いくら楽しい時間でも、たまには周りを見渡して、安全確認をしてみましょう。
スピードを出しすぎていたり、うまく止まれないスキーヤーやスノーボーダーはいないかどうかなど、たまにゲレンデの状況を見てみるのです。
また、ゲレンデはいつでも滑りやすい状態とは限りません。例えば、アイスバーンになっていたり、反対に湿っていて重たい雪が多かったり、雪が少なくてところどころ地面が見えていたりなどです。
アイスバーンはスピードが出やすく、スキーが横滑りしたりしてスピードを制御しにくいです。また、重い雪はターンがしにくく、雪が溜まった場所にスキーのトップが刺さってしまうということも。
アイスバーンや重い雪のゲレンデは、誰にとっても滑りにくく、制御しにくいのです。
そういったゲレンデでは、小回りでスピードをコントロールしながらゆっくりと滑ったり、スキーのエッジ部分で雪面を削るようなイメージでターンするなど、雪の状態にあった滑り方をしましょう。
対策②装備や用具にも注意する
スキーのことで「イタリアと日本には大きな差があるな」と感じることの1つに、スキー中のヘルメット着用があげられます。イタリアでは、14歳までの子供はヘルメットの着用が法律で義務付けられています。
また、子供も含めヘルメットの着用率は80%を超えると言われています。しかし、日本の場合子供も含めヘルメット着用率は10〜15%ぐらいだそうです。
スキーはスノーボードに比べてスピードが出やすく、中斜面で時速50〜60kmも出ているというデータも。時速50〜60kmといったら、車で普通に走るのとあまり変わらないスピードです。
そんなスピードが出ている人同士ぶつかったら、大怪我するリスクも十分にあります。日本ではあまり人気のないヘルメットですが、事故から身を守るにはぜひ取り入れて欲しいアイテムです。
前回の記事でも触れましたが、2013年にスキー事故にあった元F1ドライバーのシューマッハ氏は、事故にあったときヘルメットをしていた為に一命をとりとめたと言われています。
もちろんヘルメットだけが重要ではなく、ブーツの止め金がきちんと閉められているか、スキーウェアから引っかかるような物は出ていないかなど、装備や用具全体を滑る前にチェックすることも大切です。
最近はスキーウェアと合わせたヘルメットを販売していることも多く、ヘルメットのデザイン自体とても進化しているなと感じます。
最近のヘルメットはファッショナブルですし、実は帽子を着用するよりも温かいので、大人も積極的に使ってほしいものです。
対策③天候や雪崩情報を確認する
スキーに行く前には、その日の天候や雪崩情報を確認してから行くことが重要です。吹雪や霧など、滑るにはあまり適していない天候もあるからです。
吹雪や霧が濃いと視界が悪く、衝突や滑落するリスクが増えます。イタリアの場合、上記の写真のように雪崩リスクは5段階になっていて、5が1番リスクが高いという意味です。
5段階になっているのでかなりわかりやすく、それぞれのスキー場のサイトに載せていることも多いので、ゲレンデ外を滑る人にとってとても役立ちます。
また、雪崩情報はいくつかの民間企業やイタリア気象局などが協力していて出していますが、それにプラスして、スキー場の保安警備のために配置されているCarabinieri(イタリア国家憲兵)が、早朝にゲレンデのチェックを行い、雪崩などの危険度が高い場合は、ゲレンデ自体をクローズしてしまうこともあります。
日本の雪崩の予報は注意報のみですよね。日本の場合、雪崩に関しては警報がなく、注意報のみである理由として、ピンポイントでの雪崩の可能性を予測するのが難しいからのようです。
天候によってはこの雪崩注意報が長期間発令しっぱなしというような状況もあるというので、一概に注意報が出てるからゲレンデ外はやめにしたほうが良いと言っていいかどうか、判断が難しいところです。
雪崩注意報は1つの目安として、現地のスキー場やスキーヤーなどから情報を集めるなどして計画した方がいいでしょう。
本気で安全面を考えるなら、雪崩の際に膨らむエアーバッグも販売されているので、万が一を考えて持っていくことをおすすめします。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。