ヴィア・ラッテアのエリアで女児が重篤というショッキングなスキー事故がありました。イタリアではスキーやスノーボードの事故が多く、年間50人近くが重篤な状態というデータも。事故から身を守る方法について、筆者の経験もまじえ3回に分けて説明します。

事故の原因①自然災害によるもの

スキー事故 原因

山の天気というのは変わりやすいものです。滑り始めた時は晴天でも、突然霧が出てきたり、雪が吹雪いてきたり、大雪になる時もあります。

そんな時は事故が起きやすい状態と言えます。スキーヤーやスノーボーダーなら、1度や2度は霧や吹雪の中に滑ったことがあるという人も多いのではないでしょうか?

そういった視界不良の時は、知らない間にゲレンデ外に出てしまい滑落したり、他の人との衝突といった事故なども起きる可能性があります。

滑落したところに新雪がたくさん積もっていて、そこに頭から突っ込んでしまうと、抜け出せずに窒息するという事故も。

またバックカントリーやフリーライドなどゲレンデ外で滑る場合は、雪崩といった危険性もあります。

 

事故の原因②技術不足

スキー事故 原因

事故の原因のもう一つの要因は、技術不足によってスピードや状態のコントロールを失ったりすることです。

例えばボーゲン、パラレルならレベルによって練習内容も変わってくると思いますが、やっている最中に、制御不能になってしまうケースです。これは、誰にでもおきることです。

また自分では大丈夫と思って選んだコースだとしても、雪の状態や、自分の体調などによっても、コントロール不能になってしまうこともあります。

そもそもスキーやスノーボードは雪がないとできないスポーツですし、多くは雪山に車やバスなどでわざわざ行くことになります。

そうなると年間で考えると数回しか行けないことも多く、スキーやスノ−ボードの技術を磨くには時間がかかります。

そうなると、ある程度のレベルまで技術アップする間には、多くの人が練習中にスピードが出すぎてしまったりなど、スキーのコントロールができなくなったりすることも考えられます。

 

事故の原因③疲労による注意不足

スキーやスノーボードは、意外と体力を使うスポーツです。楽しく滑っていると、疲れていることなどあまり感じないという人もいると思いますが、体だけではなく精神面でも疲れは溜まってきます。

疲れていると集中力や運動能力も低下するので、周りに気を配る余裕もなくなり、滑り始めならできたことができなくなったりして、木やリフトの支柱、または人に激突してしまうこともあるわけです。

そうならないようにするには、たまには休憩をしたり、おやつを食べたりして栄養補給をすることも大切です。

 

事故の原因④技術過信によるコース選択ミス

スキーやスノーボードを始めたばかりの頃は、滑れるのが楽しくてどんどんいろいろなコースを滑ってみたいと思うものです。

でも、ここでの過信は事故につながってしまいます。筆者が実際に見た事故は、男児が猛スピードで滑って降りてきて、止まれずにリフト区域の防護ネットに引っかかってやっと止まったというものです。

男児は勢いが強く、防護ネットごとリフトの通り道まで来ていたので、リフトは緊急停止し、救出作業となりました。

幸いにも大事には至りませんでしたが、事情を聞いてみると、男児はスキーが初めてということで、父親が初心者コースに連れていき教えていたところ止まれなくなりネットに激突したということでした。

このスキー場に限らず初心者コースには、途中で中急斜面があったり、しかもアイスバーンなど雪の状態が悪いということもあり、きちんと止まれないほどの初心者には向かないコースもあるのです。

初めての場所でスキーをする場合、各コースの詳細がわかりにくいので、コースの選択を間違ってしまうこともあります。

このように、コース選択というのはとても大切なことなのです。

スキーはスノボに比べると、事故の可能性が少し低いにもかかわらず、重体や後遺症が残るといった重篤な状態に至るケースが多いのが特徴です。元F1レーサーのミハエル・シューマッハ氏も2013年にスキー事故にあい昏睡状態が続き、現在も療養中と言われています。本来、スキーやスノーボードは楽しいスポーツです。それを悲しい思い出にしないためには、事故の危険性も頭の片隅においておくことが大切です。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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