身近な自然で遊ぶメリットとは
子どもは自然と触れあうことで、好奇心や感受性が育てられます。体験を通して成長していく子どもにとって、五感を刺激する自然遊びは必要不可欠。アウトドアは子どもの成長にぴったりの遊び場です。
自然のなかにあるものは、発想力さえあれば子どもの遊び道具になります。たとえば、草花や木の枝をつかって遊ぶ方法もいろいろありますね。自然とのかかわりから、子どもは多くのインスピレーションを得られるでしょう。
また、繊細な草花をつかった遊びでは、子どもが手先を器用に動かすことを学べます。遊んでいた葉っぱが破れても、注意深く触る経験をすれば、上手に扱えるようになるでしょう。失敗しても材料となる草花があるかぎり、くり返し挑戦できるのも魅力です。
大人にとっても、自然はストレス発散やリラックスができる場ですよね。子どもと一緒に自然と触れ合って、親子で充実した時間を過ごしてみませんか。
以下の記事で子どもの外遊びのメリットについて説明しているので、参考にしてみてください。
『子どもの外遊びは身心の成長につながる「自然とのかかわりが持つ7つの意味」』
子どもと一緒に楽しもう!自然遊び9選
たくさんの驚きや不思議と出会える自然遊び。身近な草花などをつかって、親子でできる遊びを9つ紹介します。
葉っぱ
葉っぱには同じものは1枚もありません。よく見ると、さまざまな大きさ・形・色があります。葉っぱのおもしろさを感じながら遊んでみましょう。
①葉っぱの形や模様を楽しめる/フロッタージュ遊び
葉っぱの模様や形を紙にこすり出す遊びです。
〈用意するもの〉
- 葉っぱ
- 薄手の紙(コピー用紙や模造紙など)
- クレヨン・鉛筆・色鉛筆(やわらかいものがよい)
〈遊び方〉
- 葉っぱのうえに薄手の紙を敷く
- 紙のうえをクレヨンや鉛筆でこする
〈ポイント〉
葉っぱは、凹凸のあるもののほうが葉脈をきれいにこすり出せます。さまざまな葉っぱの感触を楽しみながら、お気に入りを見つけてみましょう。葉っぱを重ねたり、少しずつずらしたりしてもおもしろい模様が出ますよ。遊んだあとは作品として飾っても素敵ですね。
②なんだかゴージャス?/葉っぱのアクセサリー
葉っぱに紐を通して遊びます。
〈用意するもの〉
- 葉っぱ
- 毛糸、または紐(リボンやタコ糸など)
- つまようじ、または穴あけパンチ
〈遊び方〉
- やわらかい葉っぱの場合、つまようじに紐をセロハンテープなどでつけて針のように通していく
- 落ち葉など硬めの葉っぱは穴あけパンチで穴をあけ、そこに紐を通していく
〈ポイント〉
通した葉っぱが紐からはずれないように、端を結んでとめておくとよいでしょう。穴あけパンチであけた穴に紐を通すときは、紐の先端をセロハンテープなどで細くすると通しやすくなります。
紐の長さや種類をアレンジしたり、通す素材にビーズや切ったストローなどを加えたりしても楽しいですよ。モビールのようにして飾ることもできます。
③簡単に鳴らせて楽しい/笹笛
笹の葉を息で振動させて音を鳴らす遊びです。
〈遊び方〉
- 笹の葉の一番上にある、まだ広がっていない赤ちゃん葉っぱを引き抜く
- 葉っぱを開く
- 葉っぱの中心の芯を取り除く
- 開いた葉っぱを元のように巻きなおす
- 根元を口に加えて吹く
〈ポイント〉
笹は竹に似た植物で、野山のほかに河川周辺や道端にも生えています。大きいものは葉っぱで指を切らないように気をつけて触りましょう。音がうまく鳴らないときは、葉っぱをもう一度開いて、巻きなおしてから吹くと鳴りがよくなります。
花
花びらや茎をつかった遊びを紹介します。色や植物の特性を楽しみましょう。
④自然色の不思議を体験/花びらの色水づくり
花びらから色を抽出し、色水をつくる遊びです。
〈用意するもの〉
- 花びら
- 水
- コップ
- ビニール袋
- ハサミ
〈遊び方〉
- ビニール袋に花びらと水を入れ、手でよく揉む
- 色が出たら袋の端を小さく切って、切り口からコップに色水を絞り出す
〈ポイント〉
色水はプラスチック容器などに入れてもきれいに見えます。また、すりこぎとすり鉢をつかって、花びらをつぶすのもおもしろいですよ。すりこぎとすり鉢を使用すると、より色が出やすくなります。
きれいに色が出るのはアサガオ・ツユクサ・オシロイバナ・ホウセンカなどです。ほかにも、花ではありませんが、シソやハーブなどをつぶすと香りも楽しめます。
⑤不思議な変化がおもしろい/タンポポの水車
タンポポの特性を生かした遊びです。タンポポの茎は水につけると反り返る特性があります。
〈用意するもの〉
- タンポポの茎
- 水
- 竹串(細い棒)
〈遊び方〉
- タンポポの茎を4~5cm程度に切り取る
- 茎の両端に4~5本切り込みを入れる(ハサミをつかってもよいですが、爪で裂けます)
- 30秒~1分ほど水につける
- 切り込みの部分が外巻きに丸まる
- 茎を竹串(細い棒)に通して流れのあるところに沈める
- 水車のように回して遊ぶ
〈ポイント〉
太めのしっかりした茎のほうがつくりやすく、よく回ります。切り込みはできるだけ均一に入れるとよいでしょう。水中から出して息を吹きかけても回せます。うまく回らない場合は、指で弾いて回しても楽しいですよ。
木の枝
あたたかみのある木の枝は、製作遊びにぴったりの素材。木の枝と手指をつかって楽しめる遊びを紹介します。
⑥なにができるかな?/紙粘土とコラボ
木の枝と紙粘土にほかの素材も加え、自由に組み合わせて好きなものをつくる遊びです。
〈用意するもの〉
- 木の枝
- 紙粘土
- 一緒につかいたい素材(木の実やビーズ、ボタンなど)
〈遊び方〉
- 紙粘土に自由に木の枝をさして遊ぶ
〈ポイント〉
子どもは大人が思いつかないようなものを、自由な発想でつくります。できた作品に名前をつけて、なにに見えるか会話を楽しむのもよいでしょう。
動物の目になるようなドングリやビーズを準備すると、ハリネズミや怪獣などイメージがわきやすくなります。紙粘土の素材もさまざまあるため、色合いが馴染むものや、自然素材のものをつかうのもおすすめです。
ドングリを利用する場合は、なかに虫が卵を産みつけている場合があります。あとでなかから虫が出てこないように、一度煮沸するか冷凍などの下処理をしてから使用するようにしましょう。
⑦まるで小さな芸術作品?/紐でつくるオブジェ
木の枝に紐や毛糸を巻きつける遊びです。
〈用意するもの〉
- 木の枝
- 紐、または毛糸
- ハサミ
〈遊び方〉
- 木の枝を2本用意し、十字に組み合わせ、そのまま紐で結んで固定する
- 十字に組んだ枝の内側から、1本ずつ紐を巻いていく
- ひと巻きしたら、となりの枝に移動していき、巻きながら外側にひろげていく
- 終わりにしたいところで紐を切り、枝に結ぶ
〈ポイント〉
途中で紐の色を替えながらつくると美しい模様になります。枝を3本にして六角形のように土台をつくると、出来上がりが雪の結晶のように。ほかにも立体に組むなどいろいろなアレンジが可能です。大人が土台を組んであげて、子どもが自由に巻いて遊ぶとよいでしょう。
小さい子どもは、木の枝に好きなように紐をぐるぐる巻くだけでも楽しめます。木の枝の替わりに松ぼっくりに紐を巻いてもかわいいですよ。出来上がったものは紐をつけてつるすと素敵なオブジェになります。
草
アウトドアでよく見かけるエノコログサの遊びを紹介します。猫じゃらしともいわれるエノコログサの特性を利用して遊んでみましょう。
⑧まるで生きてるみたい?/エノコログサの毛虫遊び
〈遊び方〉
- 穂の部分だけ切り取り、穂先が下にくるようにして軽く握る
- 握った手を緩めたり締めたりして動かすと、なかのエノコログサが上がってくる
〈ポイント〉
穂の向きを変えても楽しめます。
⑨うまく結べるかな?/もこもこウサギ
〈遊び方〉
- エノコログサを2本、茎を10~15cmほど残して切る
- 穂の部分を重ねたまま輪をつくり、玉結びをする(茎の先端から通す)
- 穂先をウサギの耳に見立てて、バランスを見ながら結び具合を整える
- ウサギの形になったら、茎を2本揃えて持ち手にする
〈ポイント〉
穂のサイズがだいたい同じものを選ぶのがポイントです。枯れはじめる前の緑のエノコログサが扱いやすいですよ。結び具合でクマなどほかの動物にもアレンジできます。1本で結んで、マイクやペロペロキャンデイなどに見立てても楽しいですね。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。