高山病の基礎知識!原因と症状は?
高山病については、登山をしている人なら少しは聞いたことがあるはず。ここでは、原因や症状を確認しましょう。
高山病は低酸素が原因
高山病の原因はいろいろとありますが、いちばんいわれることは、体に取り込める酸素が少なくなるためです。標高の高い山に行くと気圧が低くなり、酸素の濃度が薄くなります。
酸素の濃度が薄くなると、平地にいるときと比べて体に酸素を取り込む量が少なくなり、体が低酸素状態になるので、高山病になるわけです。
第一の症状は頭痛
高山病の症状は、頭痛から始まる人が多いようです。最初は「なんとなく、頭が痛いな」ぐらいで、そのまま山を登っていたら吐き気やめまいなどが、どんどんひどくなってきたりします。
そのほかの高山病の症状は、嘔吐、息切れ、動悸、食欲低下、疲労、睡眠障害などがあります。
高山病になりやすい人や場所は?
高山病になりやすい人や場所について、説明しましょう。
子どもや高齢者は高山病になりやすい
高山病は、下記のような人がなりやすい傾向にあるようです。
- 風邪気味や寝不足の人
- 子どもや高齢者
- 貧血の人
少し風邪ぎみだったり、寝不足でも大丈夫と思い、登山に行ってしまったなんてことも、あるのではないでしょうか。
体調が悪いときの登山は、高山病になりやすいとされています。とくに子どもや高齢者は、成人の人よりも体力がなかったり、肺活量なども少ないことが多いので、注意が必要です。
また、高山病は登山する日の体調や気候、ペースなども関係していて、どんな人でもなる可能性があります。自分は大丈夫とは思わず、体調が悪い時は予定を変更することも大切です。
標高2,000〜2,500mを超える場所にも注意
高山病になりやすい場所は、標高の高い山や場所です。一般的に2,000〜2,500mを超えると、高山病になりやすいといわれており、富士山やアルプスなど3,000mを超える山の場合は、とくに気をつける必要があります。
どの高さを超えると高山病になるかは、人や体調などにもよるので、一概にこの高さということはできません。
低い山に登る場合でも、高山病にあてはまる症状がある場合は休憩をしましょう。
高山病を防ぐ方法
高山病を防ぐ方法を、ご紹介します。
ゆっくり登る(急激に標高を上げない)
高山病は、急に標高が上がると発症する可能性があります。できるだけ登山ペースをゆっくりめにし、標高を少しずつあげて体を慣らすようにしましょう。
水分補給をしっかりとする
水分不足による脱水は、高山病の原因のひとつと言われています。山に登ることに集中すると、水分補給を忘れてしまうこともあるので、一定距離を歩いたら水分を補給するようにするとよいでしょう。
とくに女性はトイレを気にして、水分を控えたりする人もいるようです。登山は汗をたくさんかくので、脱水症状にならないように、こまめに水分を取りましょう。
アルコールを控え、体調を整える
アルコールには利尿作用などがあり、脱水症状を起こしやすくなります。また、高所でアルコールを飲んだ場合は、低地よりも酔いやすく、頭痛などを引き起こすこともあります。
高所に行く場合は、前日からアルコールを控えて、万全の体調に整えておくようにしましょう。
もし高山病になってしまったら
誰でも高山病にはなりたくありませんが、もしなってしまった場合は、次のように対処するとよいですよ。
水分補給をし様子を見る
頭痛や吐き気など、具合が悪くなってしまったら登り続けず、しばらく休憩しながら様子を見ましょう。そのとき、水分補給をして、脱水症状にならないようにしてください。
また、グループで登山をしている場合、ほかの人の迷惑になるからと無理をすると、重症化するリスクもあります。そうならないように、無理をしないこと、具合が悪くなったら休むことを徹底しましょう。
症状が良くならない場合は下山する
高山病の症状が良くならない場合は、迷わず下山しましょう。グループで行った場合は1人で下山させず、誰か付きそって下山するとよいでしょう。
また、頭が痛いと思ってすぐに頭痛薬を飲んでしまうと、ほかの高山病の症状に気が付かず、高山病が悪化してしまうかもしれません。登山中の頭痛は、少し様子を見るようにしてください。
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登山を安全に楽しむ為の危機管理~高山病の予防とアクシデント対処法
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。