登山する時に気をつけたいのが熊との遭遇です。熊に襲われて怪我をする登山者は後を絶ちません。熊は臆病な動物ですが、対応方法を間違えると命の危険を招く可能性があります。熊への正しい対処法を身につけて、安全に登山をしましょう。

熊と出会う確率を下げる方法

登山 熊よけ

熊とは出会わない事が大切です。ここでは、遭遇リスクを下げる方法をご紹介します。

音を鳴らして居場所を知らせる

熊は警戒心が強い動物なので、人間を避ける傾向があります。そのため、熊に人間の居場所を知らせる事が大切です。

例えば熊鈴を鳴らしながら歩く事で、熊が人間の気配を察して自発的に離れてくれるでしょう。携帯ラジオや人の話し声なども効果的です。

熊と出会いやすい場所を避ける

熊は身を隠せる場所を好む動物です。生い茂った樹林帯や、見通しの悪い笹薮などは、熊との遭遇リスクが上がります。

視界が狭い場所を避けられない場合は、熊の気配に聞き耳を立てながら、慎重に歩きましょう。

また、熊は水や餌などを求めて移動します。春は低山の沢沿い、夏は草原、秋は下流域など、餌の豊富な場所で熊が目撃されています。

見通しのよい場所でも油断せず、熊の習性を理解して歩きましょう。

食べ物を放置しない

人間の食べ物は栄養価が高いため、熊にとってはご馳走です。食べ物を放置して、それを熊が食べてしまうと、人間を餌と認識する危険性があります。自分や他の登山者のためにも、食べ物は家まで持ち帰りましょう。

また、テント内に食べ物を放置する事も危険です。熊がテント内に侵入し、食べ物を見つけてしまう可能性があります。

 

熊と出会ってしまった時の対応

 

登山 熊よけ

気をつけていても熊と遭遇してしまう可能性はあります。その時のために、緊急時の対応を解説します。

むやみに動かない

熊との距離がある場合は、立ち止まって動かないようにしましょう。熊がこちらに気づいていない様子なら、そのまま静かに立ち去ります。

死んだふりをしない

熊は死んだ生き物を食べる習性があります。熊の好奇心を刺激するだけなので、死んだふりはやめましょう。
しかし、うつぶせになって首を手でガードする行動は、熊の攻撃を防ぐ効果が期待できます。

大きな声を出さない

熊は大きな音を聞くと、驚いて襲ってくる場合があります。熊に遭遇した際は、ストレスを与えないように、できるだけ声を抑えてください。

ただし、声を出していないのに襲ってきた時は、威嚇として大きな声を出す事が有効な場合があります。叫び声の他に、ホイッスルなどでも代用できます。

背中を見せないでゆっくり逃げる

熊は逃げると追ってくる習性があります。背中を見せると、逃げると察して追いかけてきます。逃げる際は、後ずさりするように動きましょう。

また、素早い動きにも反応するため、ゆっくり動く事が大切です。熊の走る速度は時速50km以上とも言われているので、人間が走っても逃げ切れません。あせらずに、落ち着いてその場を離れましょう。

道具を使い自分を大きく見せる

熊のなかには人間と知らずに、好奇心で近づいてくる場合があります。その時はストックやピッケルなどを使い、自分を大きく見せる行動を取りましょう。

何も持っていない場合は、大きく手を広げてください。熊が人間と認識すれば、立ち去る可能性があります。

ザックをおとりにして逃げる

熊が近づいてくるのなら、ザックを置くのも有効です。熊がザックに気をとられているうちに逃げられます。

ザックは登山者の生命線なので、熊が近寄ってくることをやめない時など、最後の手段として使いましょう。

熊よけグッズを使う

熊の多い山域では、熊よけグッズの携帯がおすすめです。刺激物が入った熊よけスプレーや、武器となるナイフなどは万が一の時に役立ちます。

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この記事を書いた人

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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