自転車保険の加入状況について
自転車保険の必要性の中心となるのが、事故を起こしたときの備えです。自転車事故の場合、自分がケガをする可能性があるのはもちろん、相手をケガさせてしまうこともあります。
ケースによっては、被害者が重篤な状態や、死亡してしまうと、高額な賠償金を負担しなければなりません。この賠償金は、時には何千万から何億という金額になりますので、大半の人が対応することが難しいでしょう。
そのため、自転車保険への加入が推奨されているのですが、加入率についてはそこまで浸透していないというのが実状です。
警視庁が発表した情報によると、2017年に発生した自転車による歩行者の死亡、または重傷事故のうち、自転車側の傷害保険の加入率は約60%でした。
このデータが示すのは、重大な事故を起こしたにも関わらず、自転車保険に未加入だった人が数多くいるということです。こういった人たちは、おそらく多額の賠償金を自分で負担しなければなりません。
また、保険会社の調査でも、自転車保険に加入している人は2割程度と、ほとんど浸透していないことがわかります。
もしもの時に必要な自転車保険ではありますが、実際のところは積極的な加入はなされていないようです。
自転車保険の加入が義務化される傾向にあります
こういった事故時の保険未加入者を減らすために、自治体によっては、自転車保険の加入を義務化する条例を制定しています。
自転車事故に伴う高額な賠償金に対して、被害者を保護し、加害者の経済的な負担を軽減するという目的から、全国各地で保険加入の義務化の流れが起きています。
自転車保険への加入が義務化されるということは、自転車も自動車と同様に、保有するだけで、保険に加入しなければならなくなるということです。
自転車保険の加入義務化については、自治体によって取り組みが異なります。詳しい内容については、お住まいの地域のサイトをご覧になることをおすすめします。
大方の条例では、自転車保険への加入が「義務化なし」「努力義務」「義務化」の3つに分かれています。
ここ最近の条例の改正によって、努力義務が義務化された地域などがありますので、自治体のサイトをご確認ください。
自転車保険の加入が義務化されたときの対応
自転車保険の加入が義務化された地域にお住いの方は、自転車保険に加入しなければなりません。
ただ、自転車保険以外の保険(火災保険、自動車保険、傷害保険など)で、相手の損害を保障できる損害賠償責任補償の特約が付いている保険に加入している人は、改めて自転車保険に加入する必要はありません。
自転車保険の加入義務化のポイントについては、自転車で事故を起こしたときに、被害者に対する賠償が保険で賄える状態にしておく必要があります。
そのために、自転車保険に加入するか、損害賠償責任補償の特約が付いたその他の保険に加入している必要があります。
自転車保険の加入が義務化された地域のお住まいの方は、ご自身が加入している保険を見直してみるといいでしょう。
自転車保険への加入が義務化された地域
ここでは、2018年4月1日時点で自転車保険への加入が義務化された自治体を紹介します。対象地域にお住まいの方は、前述のような対応をしなければなりませんので、ご確認ください。
自転車保険の加入が義務化されているのは、埼玉県、滋賀県、名古屋市、金沢市、京都府、大阪府、兵庫県、鹿児島県の全国8カ所です。この他にも、2018年7月1日には、神奈川県相模原市が加入を義務化する予定です。
全国的には、義務化を打ち出している自治体は少数派ではありますが、自転車保険への加入を努力義務と定めている地域も多く、今後の流れによって義務化が進んでいく傾向になると予想されます。
自転車に乗られる方は、自治体の条例をチェックしておきましょう。