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東京オリピックでメダルが狙える競技として注目されたカヌースラローム。激流を鮮やかに進むテクニックや新設された迫力の会場など、何かと注目をあびた競技でした。この記事ではカヌースラロームのルールと見どころを解説していきます。

カヌースラロームとは?

カヌースラローム

8月に開催され注目を浴びた東京オリンピック・パラリンピック。

さまざまな競技で日本選手が活躍しましたが、メダルを狙える競技として注目された競技にカヌースラロームがあります。

今回は、残念ながら日本勢のメダルはありませんでしたが、それでも選手の活躍は記憶に新しいと思います。

とくに、今回のオリンピックでは会場も新設されたこともあり、その面でも注目を集めました。

そこで、この記事であらためてカヌースラロームのルールと見どころについて解説いたします。

カヌースラロームのコース

カヌースラロームのコースは自然の河川を再現した250m~400mの激流が舞台になります。

コース上には「ゲート(旗門)」と呼ばれる2本のポールが18~25個設けられており、緑白のポールは「ダウンゲート」、赤白のポールは「アップゲート」と呼ばれています。

勝敗ルール

勝敗はスタートからゴールまでに設置されたゲートを通過し、所要タイムによって決まります。このタイムは各ゲートを通過する際のペナルティータイムが加算された結果で算出。

ゲートの通過方法は緑白のダウンゲートでは上流から下流に通過、赤白のアップゲートでは下流から上流に通過し、ゲートを決められた方向以外に通過した場合はペナルティとなります。

また、このゲートに体やパドル、艇本体が接触すると2秒のペナルティとなり、ゲートを通過せずにゴールすると、ひとつにつき50秒のペナルティタイムが追加されます。

使用するカヌーの種類

スラロームに使われるカヌーは、カヤックとカナディアンの2つになります。

どちらもサイズは全長3.5m以上、幅0.6m以上になり、カヤックではダブルブレードパドル、カナディアンではシングルブレードパドルを用います。

搭乗人数は1人・2人でそれぞれ種目は以下のように分けられます。

  1人 2人 パドル
カヤック K1 K2 ダブルブレード
カナディアン C1 C2 シングルブレード

カヌースラロームの見どころ

カヌースラロームの見どころは迫力と選手のテクニックです。スラロームのコースは白く波打ち水が逆巻くまさに激流。そのなかに一艇でパドルを繰り果敢に攻めていく姿は圧巻です。

大胆な操船もさることながら、ゲートを正確かつスピーディーに通過するにはとっさの判断力と精密なテクニックが求められます。

大回りすると時間がかかるけれど、近づきすぎるとポールに接触してしまいペナルティをとられてしまうため、ちょうどいいコースどりをするテクニックも必要なのです。

とくにアップゲートの水流に逆行して進むシーンは、見どころのひとつ。鍛え抜かれた選手が、体全体を使って激流に突き進む姿は見るものを魅了します。

 

カヌースラロームの強豪国

カヌースラローム

カヌー競技自体が、ヨーロッパを中心に盛んに行われ、競技人口も多いことから、カヌースラロームもヨーロッパに強豪がひしめいています。

とくに、ハンガリー、チェコ、スロバキア、スロベニアの中欧勢。東欧のベラルーシも最近注目を集めています。

また、ドイツは強豪国として名高く、金メダルの獲得数は世界第1位です。

今大会で新設されたカヌースラロームセンター

カヌースラローム

東京オリンピックでカヌースラロームの舞台となったカヌースラロームセンターは、今大会のために新設された設備です。

国内初の人工スラロームコースで、東京都の江戸川区・葛西臨海公園に隣接した場所にあります。

長さ約200m、幅約10m、平均勾配約2%、平均水深1.5m、高低差は4.5m。スラロームのコースに使用する水道水は実に1万8000㎥。

その膨大な量の水を複数のポンプを用いて毎秒12㎥送水。汲み上げられた水は、勾配のあるコースを逆流し激流を作り出します。

また、競技コース内には、オブスタクルと呼ばれる障害ブロックが設置され、このオブスタクルに水が当たることで逆巻く、波打つといった複雑な激流が生み出されます。

国内初の迫力あるスラロームコースが大都会東京にあるということにも驚きですね。

東京の新たなスポーツ・レジャー施設として使用予定

カヌースラロームセンターはオリンピック後も国際・国内の大会に使用される予定で、カヌー以外の競技も開催されます。また、こちらの施設はアスリートだけでなく一般利用も可能。

今後は、ラフティングなどの水上スポーツの体験等も予定しており、水上スポーツにふれあうきっかけとしても期待されます。

オリンピックが開催されたスラロームの舞台で水上スポーツを体験できる、東京の新たなスポーツ・レジャー施設として人気になりそうです。

東京オリンピックでは、2大会連続のメダルを期待されていた羽根田選手は、コロナ禍で練習環境も制限されるなか、10位という結果を残せたのは大健闘といえるでしょう。激流に向かって力強くカヌーを漕いでいく姿は、競技をみている人に勇気を与えてくれました。スラロームセンターが開設され、トレーニング環境も整えられたことで、競技人口も増えていくのではと期待が高まっています。これからも目が離せない競技です。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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