パラリンピックの自転車競技の特徴
パラリンピックでは障害の種類と利用する自転車により4つの種類に分けられ、アルファベットで分類されています。
二輪自転車 | 手や足に何らかの障害を持つ人の自転車。通常の自転車にその人にあった補助器具をつけてレースします。 | アルファベットは「C」 |
三輪自転車(トリシクル) | 麻痺などの重度の四肢障害がある人のための自転車。 | アルファベットは「T」 |
タンデム | 視覚障害のある人向けの自転車。二人乗りで前に晴眼者がパイロットとして乗り、後ろに視覚障害の選手が乗ります。 | アルファベットは「B」 |
ハンドサイクル | 重度の下肢障害を持つ人のための自転車で、その名の通り手でペダルを回す自転車です。 | アルファベットは「H」 |
各自転車は、サイクリストの障害の程度に応じて1〜5までのカテゴリーに分類されており、1がもっとも重い障害のカテゴリーで、数字が大きくなるごとに障害の程度が軽くなります。
とはいえ、三輪自転車のカテゴリーは2種類しかありませんし、タンデムでは障害の程度によるカテゴリー分けはありません。
なお、パラリンピックの自転車競技はロード競技とトラック競技の2種類があります。
ロードレースでは、三輪自転車・二輪自転車・ハンドバイク・タンデムの4種類が使用され、トラック競技では二輪自転車とタンデムが使用されます。
スペインの有力パラサイクリストをご紹介
ここからは、8月に行われる東京パラリンピックでメダルの期待がかかるスペイン人サイクリストをご紹介します。
【二輪自転車】リカルド・テン選手 モーリス・エカアード選手
現世界チャンピオンでもあるリカルド・テン選手は、かつて何度もパラリンピックのメダルを獲得したことのある水泳選手でした。
現在は自転車選手としてC1というもっとも障害の重いカテゴリーで活躍。ロードでもトラックでも世界最高峰の実力を持つ選手として知られています。
また、C2カテゴリーのモーリス・エカアード選手もこのカテゴリーの世界チャンピオンです。
彼もロードとトラック両方で実力を発揮する選手ですので、ぜひご注目を。
【三輪自転車】 ジョアン・レイノソ選手 ゴンザロ・ガルシア選手
マヨルカ出身のパラサイクリスト、ジョアン・レイノソ選手はタイムトライアルのT2カテゴリーの現役の世界チャンピオンです。
2012年に雷が同選手の体に落ちたことで四肢のハンディキャップを抱えた同選手でしたが、その数年後には自転車レースに参加し、2018年から世界選手権では表彰台の常連選手となっています。
一方、T1カテゴリーのゴンザロ・ガルシア選手も世界選手権の表彰台の常連です。昨年の世界選手権で優勝したガルシア選手も、東京でのメダル獲得が期待されています。
三輪自転車のレースでは、2人のスペイン代表にどうぞご注目下さい。
【タンデム】 クリスティアン・ベンへ選手 ノエル・マルティン選手組
スペインのパラサイクリングの中でもっともレベルが高いのが男子タンデムの戦いです。
まず、現在の世界チャンピオンはスペインの「クリスティアン・ベンへ(Cristian Venge)・ノエル・マルティン(Noel Martin)組」ですが、「アドルフォ・ベリード(Adelfo Bellido)・エロイ・テルウエル(Eloy Teruel)組」という強力なライバルが国内にいます。
その上、この2組を脅かすタンデムチームが複数スペイン国内に存在するというのが、現在のスペイン男子タンデム界の現状です。
こうした激しい競争の中で戦っているタンデムのスペイン代表。パラリンピックの舞台でその強さを発揮するれば、表彰台に上ることはけして難しいことではないのです。
【ハンドバイク】 男子チームリレー(セルヒオ・ガロッテ選手 ルイス・ガルシア選手 イスラエル・ライダー選手)
パラサイクリングのロード競技のほとんどは個人競技です。しかしハンドバイクの選手は、ロード競技でチームリレーという団体競技を走ることができます。
スペインはこのチームリレーの強豪国で、セルヒオ・ガロッテ選手とルイス・ガルシア選手そしてイスラエル・ライダー選手によるチームは、今年6月の世界選手権で表彰台にも上ったほどの強豪チーム。
東京パラリンピックでは金メダルを狙うこともできる、ハンドバイクのスペイン代表チームなのです。
ライター
Greenfield編集部
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