カヌーとはどんな乗りもの?
カヌーはパドルという櫂(かい)を使って自分で漕いで移動する運搬用の小舟のことをさし、代表的なものとしてカナディアンカヌーや、小型のカヤックがあります。
スポーツとしてのカヌーは1860年代からヨーロッパで盛んになり世界各地に広がっていきました。
オリンピックのカヌー競技
カヌーは1930年代からオリンピック競技として採用され、現在でも競技人口の多い人気の競技です。
オリンピックのカヌー競技にはスラロームとスプリントがあり、パラリンピックにはカヤックとヴァ―という競技があります。
オリンピック・パラリンピックのカヌー競技については、こちらの記事で詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。
東京2020オリンピックで注目されるカヌー競技について基本解説します
さまざまなカヌー競技をご紹介
カヌーは歴史の古いスポーツなので、オリンピック以外にも世界各地でカヌー競技が盛んにおこなわれ、日本にも多くの競技大会があります。
カヌー競技には流れのない水面で行われるものや、急流や障害物の多い渓谷で行われるものなど、さまざまなコースで行われます。
また、タイムや操船テクニック、アクロバティックなパフォーマンスを披露するものなど、バラエティに富んでいて、どれも見どころ満載です。ここからはさまざまなカヌー競技についてご紹介します。
カヌー競技①カヌーポロ
カヌーポロとはカヌーに乗って行うバスケットボールのような球技です。1チーム8名で構成され、コートには5名が入りプレイします。残りの3名は交代要員として待機しており、随時交代可能となっています。
試合は通常7分または10分ハーフで行われ、2mの高さに設置されたゴールにボールを入れて得点を競います。ボールを持っているプレーヤーの体がぶつかりあう、格闘技のような激しいスポーツです。
競技区間 | 縦35m・横23m・深さ90㎝以上 |
競技時間 | 10分ハーフ20分 ハーフタイム3分 |
勝敗 | 1チーム8名(競技者5名・交代3名)で、2チームがカヌーでボールをとりあい、ゴールに入った得点を競う |
カヌー競技②ワイルドウォーター
急流にある一定コースを漕ぎ、そのタイムを競います。スラロームと似ていますが、ゲートはなく、カヌーが転覆してもリカバリーして先に進むことができます。
岩などが点在する激流の中でいかにカヌーを安定させ水の流れを読むか、判断・操船力が求められるスポーツです。
ワイルドウォータースプリントレース
300m~600mの短距離コースを進みます。
男子 | K1,C1,C2 |
女子 | K1,C1,C2 |
ワイルドウォータークラシックレース
航行時間が30分以下のコースを進みます。国体では1,500m。
男子 | K1,C1,C2 |
女子 | K1,C1,C2 |
チーム(男女) | K1*3,C1*3,C2*3 |
※K=カヤック C=カナディアンカヌー 数字は人数です。K1=カヤック1名
カヌー競技③カヌーフリースタイル
こちらもワイルドウォーターと同じく急流の中で行う競技で、ウエーブやホールなどの決められた区間のなかで、制限時間内にさまざまな技を繰り出して競います。
自由度の高い技が多く、空中で回転、カヌーを跳ね上げるなど、アクロバティックなテクニックが披露されます。カヌーフリースタイルで使われるカヌーは、エクストリームな技を行いやすいように改良されたものをつかいます。
カヌー競技④ホワイトウォーター・ロデオ
こちらも、急流の中で行う競技です。ホワイトウォーターとは急流の中で白く泡立っている箇所のことをさします。
その複雑な激流の中、特に岩の下流側にできる波やホールを利用してカヌーを留まらせ、ボートを直立させたり、ターンさせたりする操船技術で点数を競います。
巧みなパドルさばきで見るものを圧倒する競技です。
カヌー競技⑤ドラゴン(沖縄のハーリー・長崎のペーロン)
中国で行われた龍舟(りゅうしゅう)という手漕ぎ舟のレースがルーツで、ドラゴンという名前もここからきています。日本では沖縄のハーリーや長崎のペーロンが有名で、フラットなコースを進み順位を競います。
チームは22人または12人で乗り込み、かじ取り役1名・ドラマー1名・パドラー20(10)名で構成されるのが一般的です。
ドラマーとは太鼓を叩いてリズムをとり、パドラーの漕ぐタイミングや早さをコントロールします。全体的の指揮をたかめる役目もあり「ドラゴンの心臓」とも呼ばれます。
競技区間 | 200m(250m)・500m・1,000m |
競技種目と人数 | スタンダード(22人)・スモール(12人) オープン・女子・混合の3種目 |
勝敗 | 障害物のないフラットな水面に作られたコースを一斉にスタートし順位を決める |
ドラゴンのなかでもさまざまな競技カテゴリーがあり、ルールは細部で異なります。また、沖縄のハーリーと長崎のペーロンは豊漁祈願のために行われたのがはじまりで、競技や祭礼として取り組まれます。
色とりどりに装飾されたカヌーを、大勢の漕ぎ手がドラマーの声にあわせて一斉に漕ぎだす様は大迫力。当日は一大イベントとして大いににぎわいます。
カヌーの用語説明
ここからは、競技の中で出てくるカヌーの用語をいくつかご紹介します。知っていると競技を楽しむときにも役立ちます。
艇(てい) | カヌー本体のこと。 例:ポリ艇(ポリエチレン製のカヤック) |
パドラー | カヌーに乗る人。カヌーイスト、カヤッカーなど |
パドル | カヌーを漕ぐための道具。櫂(かい)。 |
沈(ちん) | 舟がひっくり返ること。 |
ロール | 沈(ちん)したとき艇から出ずに回転して復元すること。 |
ウェーブ | 波打ち逆巻いている箇所。フリースタイルなどを行う。 |
ホール | 川の中で窪んだ箇所に水流が落ちて逆巻いている箇所。 |
バウ | 艇の前部。 |
スターン | 艇の後部。 |
リカバリー | 沈したときに復帰すること。ロールはリカバリーの手段のひとつ。 |
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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