ブッシュクラフトって何?
「ブッシュ」は英語で薮や茂み、「クラフト」は工作や工芸を意味しますが、これらを合わせた「ブッシュクラフト」は、森林などの自然環境における「生活の知恵」の総称です。
この言葉の定義はあいまいで、明確な指標はありませんが、一般的に、最低限の道具を持って山や森に入り、必要なものを現地調達して過ごすアウトドアスタイルのことを指します。
現代のキャンプや登山では、軽量・快適・便利なギアなしでは成り立たないと言えるほど、道具の力に頼っていますよね。
ブッシュクラフトは、そうした現代技術の詰まったギアを使わずに、手間をかけて火をおこしたり、食料を調達したり、寝床を確保したりすることを楽しみます。
ブッシュクラフトを趣味や職業にしている人、またブッシュクラフトで実際に生活している人をブッシュクラフターと呼び、ブッシュクラフターの認定資格もあるんですよ。
自然の恩恵を受け、先人たちが培ってきた昔ながらの技術を駆使して過ごすブッシュクラフトは、より自然を身近に感じることができる究極のアウトドアスタイルとして、近年注目が集まっています。
とはいっても、いきなりナイフひとつでキャンプをするというのは無理があるもの。
例えば、火打石を使って焚火をおこしてみたり、枝を使ってタープを張ってみたりと、普段のキャンプにブッシュクラフトのエッセンスを少しずつ取り入れていくのがおすすめです。
ブッシュクラフトとサバイバルはどう違うの?
よく混同されがちな「ブッシュクラフト」と「サバイバル」。確かに、自然環境の中で最低限の道具で生き抜くという点では、両者に違いはありません。
日本ブッシュクラフト協会ではこれらの違いとして、サバイバルは「状態」、ブッシュクラフトは「手段」であると定義しています。
また、サバイバルは「帰還」が目的であることに対し、ブッシュクラフトは「生活」が目的であるとされています。
簡単に言えば、サバイバルで行うことを趣味として楽しもう!というのが、現代におけるブッシュクラフトと言えるでしょう。
ブッシュクラフトは何をするの?
ブッシュクラフトの基本は、ナイフワークとファイヤーメイキングです。
ブッシュクラフトにおける「最低限の道具」とは、ナイフと火打石のこと。ナイフは木の枝を切ったり、魚を捌いたりするのに使います。
他にも、枝を削ってスプーンや箸などのカトラリーやカップを作ったり、きのこや山菜をとったりと、ナイフを駆使することはブッシュクラフトの醍醐味と言えるでしょう。
また、ブッシュクラフトでは調理と暖を取るために、必ず焚火をします。もちろん、焚火台や着火剤、ライターなどは使用しません。
枝を拾って薪を調達し、火口には枯れ草やすすきの穂、ナイフで枝を加工したフェザースティックなどを使い、火打石やメタルマッチで着火します。
初心者はなかなか火が着かず苦戦するかもしれませんが、着火できたときの喜びと達成感はひとしおです。
ただし、熟練者でさえ失敗することもあるのですから、最初のうちはバックアップとしてライターや着火剤を用意しておいた方がよいでしょう。
ブッシュクラフトでは他にも、枝を使った釣り竿で魚を捕ったり、布だけを持参してシェルターを作ったりもします。
上級者は木の枝で、ランタンポールや飯盒スタンド、椅子まで作ってしまうから驚きです。
生活の知恵を身につける充実感に加え、こうしたクリエイティブな楽しさもブッシュクラフトの魅力と言えます。
ブッシュクラフト初心者におすすめの道具
ブッシュクラフトを始めてみたい!という人はまず、切れ味がよく使い勝手の良いナイフと、着火しやすいメタルマッチから用意しましょう。
ナイフのおすすめは、ブッシュクラフター定番のモーラ・ナイフ。丈夫で欠けにくい刃と握りやすいグリップで、初心者でも扱いやすい1本です。
メタルマッチはこちらがおすすめ。国内唯一のブッシュクラフトメーカーであるBush Craft Incのメタルマッチです。
着火剤になるロープ付きで、12,000回使用できます。
ナイフやメタルマッチなどが揃ったブッシュクラフトスターティングセットもありますよ。
また、いくら最低限と言っても、クッカーや水筒はさすがに手作りできないので持参しましょう。
多くのブッシュクラフターに愛用されているこちらのキャンティーンクッカーとボトルは、スタッキングができるのでコンパクトに収納できます。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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