コロナ禍のイタリアの状況をリポート
コロナによる2ヶ月におよぶロックダウンのなかでストレスや恐怖を感じた人も多く、いつも楽観的なイタリア人でさえ慎重な行動をしなければならない状況でした。
9月現在、イタリアはコロナによる外出などの制限はありません。マスクの着用については、お店などの室内や広場、アトラクションスポットなど、人が集合しやすい場所では義務になっていますが、そのほかは任意です。
以前は一時的に室外で出る場合でもマスクの着用が義務になっていたこともあり、任意となった今でも6〜7割の人は外出時などにマスクを着用しています。
お店のコロナ対策としては、入店する際の人数制限を設けていたり、キャッシャー付近には、飛沫防止のクリアパネルを設置しているところが多く見受けられます。
コロナ禍でのイタリアサイクリング事情の変化
外出制限の解除により、サイクリングをしている人も見かけるようになりました。また、コロナによってサイクリングの状況も変化しています。どんなところが変わったのでしょうか。
コロナによる変化:サイクリングの際は少人数
サイクリングはイタリアの国民的スポーツで、以前までは友だちや家族など10人ぐらいのグループで走っている人も多かったのですが今は、密を避けて1人、もしくは家族のみでのライドが推奨されています。
コロナによる変化:自転車でもソーシャルディスタンス
自転車でも「ソーシャルディスタンス」を守り、自転車との間隔を1m程度、距離を取ることが推奨されています。
大らかな人が多いイタリアでは、こういったルールが守られているのか気になる人も多いと思いますが、意外にも、多くの人が守っています。
コロナでの被害の大きさが、今でも警戒心を持ち続けるモチベーションとなっているようです。
バカンスでサイクリングが大人気の理由
今年の夏休み、イタリアでは、サイクリングが大人気でした。人気の理由がいくつかあります。
サイクリングが人気の理由:海のバカンスより制約が少ない
例年ならイタリア人の多くは、美しい海を求めてバカンスにでかけます。しかし、今年はその海が密になってしまうリスクがあり、それを避けるためにいろいろな制約がありました。
- 海辺のパラソル&ビーチチェアは、距離を離して設置
- 混雑しているビーチは、ビーチチェアも予約制(場所による)
- ホテルのレストランや軽食店も、人数制限または予約制
- レストランのサラダなどのバイキング形式は中止
- 花火などのイベントの中止
こういった制約が窮屈で面倒だと感じる人もいて、山に行ったり、避暑地にあるセカンドハウスに滞在したりと予定変更する人も多かったようです。
サイクリングが人気の理由:密を回避できる
自転車同士の間隔を保って走行できるので、密になることも少ないということも人気の理由となっています。
ライド中のマスク着用ですが基本的に義務にはなっていません。しかし、なかにはライド中にマスクを着用している人もいます。
また、マスクの代わりに、バンダナやスキーや登山などの薄手のネックゲイターをつかう人も多いようです。
とくにネックゲイターはデザインもおしゃれで、スポーツ用は速乾素材をつかっているものが多く、呼吸したときの湿り気もすぐに乾くので人気です。
通勤手段として自転車利用も増加
電車やバスなど公共交通機関の密になりやすい通勤ラッシュ時の人混み。日本に比べると混み具合は低い状況なのですが、イタリア人にとっては、かなりの密と感じるようです。
そのような状況を避けるため、通勤に自転車を利用する人も増えています。また、地域によって自転車を利用しやすくする動きもみられます。
自転車専用レーンを増築
コロナでもっとも被害を受けた地域であるミラノでは、とくに人が多く集まる通りを中心に約35kmの自転車専用レーン設置を決定。
すでにかなりの部分は設置されており、自転車の利用を推進しています。
自転車購入への補助金
またイタリアでは、地下鉄やバスの混雑緩和の対策として、電動アシスト車を含む自転車、キックスケーターの購入に対して、国から最大で500ユーロ(62,500円 9月11日現在のレート)の補助金を支給することになりました。
そのため、自転車店では買い求める人が長蛇の列になり、自転車が完売するという状況に。普通なら、盗難も多いイタリアでは、安めの自転車を買う人が少なくありません。
補助金の支給により、高額の自転車が飛ぶように売れたことがニュースでも大きくとりあげられていました。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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