ヴィーガン(vegan)は“食”だけではない
ヴィーガンという言葉からは、食品を思いつく人が多いと思います。
しかし、意外にもシャンプーやボディソープなどの日用品や化粧品、さらにファッションにもヴィーガンは普及しています。
たとえば、日本でもファンの多いBODY SHOP (ボディ・ショップ)のボディケアアイテムなどには、100%ヴィーガンの商品があります。
ここ数年で、オーガニック系ショップや通販サイトでもヴィーガン製品が購入できるようになり、欧米からはじまったヴィーガンは、日本でも増加傾向にあるようです。
欧米ではヴィーガンマークやオーガニックマークは当たり前
欧米では、ヴィーガンやグルテンフリーの食品のニーズが日本よりはるかに高いため、認証マークは常識となっています。
街にあるようなお店でもパッケージに認証マークがついた商品を取り扱っているところが多く、オーガニックスーパーでは、さまざまな工夫が見られます。
例えば、製品に“V”の文字の表示、アイキャッチを使ったプライスカードでの表示や専門コーナーの展開などです。
一方の日本はどうでしょうか。動物性素材不使用の食品は数多く流通していますが、プライスカードでの表示はもちろん、専門コーナーを作っているお店はほとんど見かけません。
日本人なら製品の原材料表示を見ればおよそ判断できますが、海外の人が日本でヴィーガン食品を探すのはとても大変な状況です。
グルテンフリーに関しても、日本にはその認証機関がなく、日本の対応は遅れをとっています。
日本在住または訪日外国人にとって、このような食品表示の曖昧さは悩みの種ではないでしょうか。
ベジ議連の立ち上げ
東京五輪を控え、自民党の超党派の議員が起ち上げた議員連盟「ベジ議連」。
訪日する外国の方に配慮して、ベジタリアン・ヴィーガンの製品ラベル、明確な食材の原材料表示、レストランのメニューのマーク表示を提案するなどのプロジェクトを進めているようです。
ヴィーガン(vegan)認証機関と認証マーク
日本の食品業界の表示方法が少し改善されることで、ヘルシー志向の日本人だけでなく、訪日する海外の方にとって日本での滞在がより充実したものになると思います。
欧米では当たり前になっている認証マークは、ヴィーガン製品を見分けるための1つの目安となっています。
だれが見ても認識できるようなマークとなっているので、さまざまな言語で伝えなくても、どの国の人にもヴィジュアルだけで伝えやすいことがメリットです。
では、この認証はどこで行っているのでしょうか?
Vegan Society(ヴィーガン協会)
イギリスで創設されたVegan Societyは、動物原料使用に反対する厳格な菜食主義団体です。
一定の基準を満たしている商品に、上記のような認定マークを与えています。
その基準とは
- 配合成分・製造工程で動物原料を一切使用しない
- 化粧品や食品などは、植物だけ、または植物と水で作られている
となっています。
このマークが付与されている商品であれば、ヴィーガンの人は安心して使用できるというわけです。
NPOベジプロジェクトジャパン
日本でも、NPOベジプロジェクトジャパンで、ベジタリアンとヴィーガンの認証を行っています。
まだ街中で目にすることは少ないかもしれませんが、ベジプロジェクトが定めた基準を満たす製品や飲食店に対し、認証マークを付与しています。
マークを取得した商品は、野菜だしつゆ、南部せんべい、プロテイン飲料など、バラエティ豊かです。
認証マークが広く認知されるようになれば、日本語が分からない外国人のヴィーガンやベジタリアンの方がこのマークを目安に安心して商品を選べるようになるでしょう。
ベジプロジェクトには認証を取得したいという企業からの問い合わせが毎日のようにあるそうです。
今後、店頭でより多くの認証マークのついた商品を見る機会が増えていくことが期待されますす。
日本ベジタリアン協会(JPVS)
JPVSでは、ホテルやレストラン、食品や流通業界で必要な菜食の専門知識を有する
人材育成のために、「ベジタリアンマイスター認定制度」を設けています。
ライセンスの種類と申請手続きの費用は以下の通りです。
- ベジタリアンマイスター:100,000円
- ベジタリアンアドヴァイザー:50,000円
- ベジタリアン准アドヴァイザー:10,000円
公式サイトから申込書をダウンロードし記載して事務局に提出し、申請費用は日本ベジタリアン学会に振込します。
申請期間は特に決まっていませんが、原則として、審査は4月と9月に行っています。
これらの資格を活かして、ベジタリアニズムの啓発に貢献してみませんか。
日本酒「南部美人」がヴィーガン認証を取得!
岩手の蔵元「南部美人」の日本酒が国内外の2つのヴィーガン認証を取得しました。
特別純米酒「南部美人」は、お米本来の味が生かされた上品ですっきりとした味で飲みやすい純米酒です。
認証マークが付いたことで、言葉の壁を超えて、安心して飲めるお酒であることが伝えられるのは大きな魅力といえます。
今後、ヴィーガン認定を受ける蔵がもっと増えていくことで、ヴィーガンだけでなく、食の安心安全なものを好む人たちにも日本酒の価値を広めていくことができるでしょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。