アメリカ・オーストラリア・ドイツのヴィーガン状況
ヴィーガンは完全菜食主義ともいわれ、動物性食品だけでなく、皮や動物実験をする化粧品も使わないという徹底した生活を取り入れていることでも知られています。
ここでは、とくにヴィーガンが増えたと言われる、アメリカ、オーストラリア、ドイツについて説明します。
ここ数年で爆発的に増えたアメリカ
アメリカはここ数年で、ヴィーガンやベジタリアンが爆発的に増え、2017年には6%と言われていたベジタリアン率が、2019年には7〜8%まで増えたと推測されています。
そのうち3〜4%がヴィーガンで、増えたと言われているのが、ミレニアム世代といわれる10〜30代前半の人たちです。
また、10人に4人が肥満であるというアメリカでは、肥満が病気の要因なることが指摘され医療費がとても高額なので、健康のために野菜中心の食生活を選ぶ人たちが多くなっているのです。
10人に1人が完全菜食主義のオーストラリア
オーストラリアでは10人に1人、約10%の人がヴィーガンもしくはべジタリアンだといわれています。
日本ではあまり知られていませんが、オーストラリアは移住者が多く多文化主義で、イスラム教やヒンズー教、ユダヤ教といった宗教も根付いている国なので、新しい食生活が定着しやすい土台があるともいえます。
ヨーロッパ一を誇るドイツ
ドイツは、ヨーロッパのなかでとくにベジタリアン率が高く、その割合は10%以上と言われています。
ドイツで増えた理由の多くが動物や気候変動などへの配慮だと言われ、大都市であるベルリンに集中しています。
このほか、ヨーロッパでは、イタリアやフランスなどでも増加傾向にあります。
海外でヴィーガンが増える理由
これほど完全菜食主義が増える背景を見てみましょう。
動物愛護や環境への配慮
いちばんの理由は、動物愛護によるものです。
「すべての動物の命は尊く、その命や権利を守る」ために、肉や魚などの動物性食品を食べない、使わないライフスタイルを目的としています。
家畜は、環境にも大きな影響を与えていると言われており、エサとなる穀物を作るために、多くの森が伐採され、牧草地は作物を作ることができずに砂漠化する可能性もあるのです。
また、牛のゲップやおならに含まれるメタンガスは温室効果ガスのひとつで、地球温暖化を促進していると言われています。
このように動物愛護と、環境への配慮という面が大きいのです。
健康意識への高まり
最近は若い人を中心に、健康意識が高くなっています。
たとえば、肥満はいろいろな病気の原因になることが多く、私たちの生活は、肥満になりやすい環境です。
そのため、少しでも肉や乳製品を減らし、意識して野菜や穀物を摂ることで、健康になろうと努力する人が多くなっています。
有名人からの影響も
歌手のアリアナ・グランデ、マドンナ、マイリー・サイラス、女優のナタリー・ポートマンなど、多くの有名人がヴィーガンです。
このような有名人は、自分の食生活について発言することも多く、その影響で菜食主義になったという人も少なくありません。
ヴィーガンを受け入れやすい環境も後押し
ヴィーガンが増えているのは、それを後押しする環境が整っているともいえます。
完全菜食対応の店が多い
日本では、まだまだ対応できるお店が少ないのが現状ですが、海外ではベジタリアン専門のレストランやバー、そして惣菜店などが多いので、外食するにも困りません。
また、専門店でなくても、完全菜食対応のメニューがあるレストランなら、友人に気兼ねすることもなく、理解も得やすいといえます。
スーパーでも選択肢が多い
スーパーでも、動物性の成分をいっさい使っていないべジタリアン専門のコーナーを設置しているところが多いです。
野菜や果物以外にも、菜食の人が食べられる食品もありますが、原料を見てみると動物性のものが含まれていることもあります。
専門コーナーがあれば、安心して選べますし、肉や乳製品などの代替品が多いので、食事がマンネリ化するのも防ぐことができます。
偏見が少ない
日本を見ても、ヴィーガンは偏見や誤解されることが少なくないといえます。
しかし、世界的には個人主義が基本という国が多く、菜食主義というのも、選択肢のひとつであるという考え方が浸透しています。
そのため、ひどい偏見にあうことが少なく、その価値観を否定されることも少ないわけです。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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