火床の設置場所を考える
まず、一番に大事なのは火床の場所です。これを間違えると日避けとなるテント内やパラソル内が非常に熱せられ、避暑先がなくなってしまう程です。
テントやパラソルなど自分達が休憩したり、食事をしたりするベースを作ったら風向きを確認しておきましょう。
風向きはよっぽどでない限り、数時間の内に何度も変わったりするものではありません。とくに山と山に挟まれた渓谷と、その川辺の場合はその傾向が顕著です。
火床は絶対に風下に作るようにしましょう。
次に火床の面積です。火床は、無駄に広く取らないようにしましょう。当たり前の話かもしれませんが、火床は大きくすればするほどその熱量と放射熱は高くなります。
人数や調理をする食材の数に合わせて、火床の面積をどれくらい確保するか考えることも暑さ対策には重要です。
USB扇風機は安易に使わない方が良い
昨今、手軽な暑さ対策としてよく活用されているUSB扇風機ですが、場合によってはキャンプでは使わない方が良い場合があります。
小型の扇風機というのは風を送り込む力が非常に弱く、炎天下の中では焼け石に水。手持ちタイプのものは、片手が塞がってしまうという意味でも不便になってしまいます。
風を送り込む機械を使いたい場合におすすめなのは、持ち運び式のサーキュレーターです。
USB扇風機よりも荷物になってかさばってしまうため、そこは欠点ですが、涼しい木陰からテント内に向けて送風することによって、テント内の根本的な気温や体感温度を最高2度近くも落としてくれます。
川辺のキャンプでは水を使え
水は暑さを凌ぐため、古来より使われてきた万能な「道具」です。
打ち水といった日本の伝統的な行為は、水が蒸発した際に出る気化熱を利用した、非常に科学的で合理的な暑さ対策なのです。
川辺のキャンプの場合、水は目の前のたくさんあります。それも、川は流動的であるため、どれだけ炎天下の日でも非常に冷たくなってくれます。
これが海にはない川の良いところなのです。ただし、ここでも安易に打ち水をするのはダメです。
打ち水をしていいのは回りが砂地の時だけであり、コンクリートや比較的おおきな岩などが散乱している場所には撒いてはいけません。
効率的に気化熱を利用できるのは実は限られた環境下のみで、熱くなったコンクリートに撒くと急激に湿度が上がり、サウナ状態になる恐れもあります。
また、撒き方についてもベースの真ん前に撒くのではなく、周囲を囲うようにして撒くと効率よく涼を取ることができます。
涼しい時間帯を狙う
キャンプは日中にするというのが固定観念としてありますが、一旦それは置いておきましょう。時間帯を考えることで、難なく暑さ対策をすることができます。
涼しく、楽しくキャンプができる時間帯として、朝か夕方を思い浮かべると思います。その内でも、おすすめするのは夕方。
朝からキャンプをしてしまうと段々と暑くなってきてしまい、それに伴い遊んだり食べたりする気力も損ないかねません。
その点、夕方の場合は、準備をしている間に気温がどんどん下がっていくためおすすめです。ちなみに、日中、一番暑くなる時間帯は14時ころであると言われています。
その時間帯は避けるように心がけましょう。
日陰は作るのではなく得る
パラソルやテントで日陰を作るのは、日向の中の休憩所として影を作るという考え方としては良いかもしれません。
しかし、そこをベースにしてしまうと太陽の熱でどんどんとベース内が暑くなっていきます。とくにテントなどの場合は、悲惨なことになります。
大事なのは影の中に屋根を作ること。自然には木や崖などの自然物で影ができます。日中を通して日陰になるような場所もあります。
そういった場所を探してベースを立てていきましょう。
もしもの時の対処法あれこれ
もしも熱中症にかかってしまった時は、前述した涼を取る知識をフルに活用しましょう。
まずは患者を影の中に入れることです。その際は木陰など、風通しの良い場所がもっともベターです。
次に水分を取らせること。経口補水液は、夏場のアウトドアには絶対必須です。
そして、川の冷たい水でタオルを濡らし、それを首に巻いてあげましょう。気化熱で一気に血液が冷たくなります。
サーキュレーターはしっかりと患者に当てておきましょう。ただし、その際は焦って強にせず、弱にしたうえで首振り状態にし、体全体を万遍なく冷やしていくようにしましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。