グランピングや農業体験を楽しむ、その時間を支える電気はどこから来ているのでしょうか。千葉県香取市の農園リゾート「THE FARM」では、地域の風力発電など再生可能エネルギーへの転換を進め、電力由来のCO₂排出量を2022年度比で約74%削減。年間約289トンの削減につながりました。自然を楽しむ場所だからこそ、その環境を未来へつなぐ取り組みを紹介します。
年間約289トンのCO₂を削減。農園リゾートで進む再エネ化

千葉県香取市にある「THE FARM」は、グランピングやコテージ、キャンプ場、温浴施設、カフェ、農業体験などを楽しめる農園リゾートです。
今回発表されたのは、施設で使用する電力に由来するCO₂排出量の削減実績。2022年度には年間約390.1t-CO₂だった排出量が、2025年度には約100.9t-CO₂となり、約289.2t-CO₂、率にして約74%減少しました。
THE FARMでは、電力使用量そのものを抑える取り組みとあわせて、再生可能エネルギー由来の電力への切り替えを進めてきました。なお、74%という数字は電力使用量の削減率ではなく、電力使用に伴って排出されるCO₂を比較したものです。
グランピングで一晩を過ごしたり、温泉に入ったり、採れたての野菜を味わったり。自然のなかで過ごす心地よい時間にも、照明や空調、調理など多くのエネルギーが使われています。THE FARMでは、その“見えない部分”から環境負荷を減らす取り組みを進めています。
千葉の食材だけでなく、電気も。「エネルギーの地産地消」

THE FARMが以前から取り組んできたのが「食の地産地消」です。農園で収穫した野菜や千葉県産の食材を、施設内のカフェやBBQ、宿泊者向けの食事などに積極的に取り入れてきました。
そして現在は、食だけでなく「エネルギーの地産地消」にも取り組んでいます。
2023年からは、銚子電力を通じて千葉県銚子市の風力発電所でつくられた電力を活用。現在では、施設で使用する電力の90%以上を、こうした地域の風力発電など再生可能エネルギー由来の電力で賄っています。
畑で育った野菜を、その土地で食べる。その土地に吹く風から生まれた電気を、その地域の施設で使う。食とエネルギーは一見別のものに見えますが、どちらも地域にある資源を生かして施設を運営するという点ではつながっています。
「農ある暮らしをすべての人に」を掲げるTHE FARMにとって、農業や自然を楽しむだけでなく、それを支えるエネルギーまで地域へ目を向けることも、農園リゾートの新しいあり方のひとつといえそうです。
EV、薪、農業にも。滞在の裏側で環境負荷を減らす

取り組みは電力だけではありません。
施設内には16基のEV充電設備を設置。宿泊や温泉、カフェ、農業体験などを楽しんでいる間に電気自動車を充電できます。社用車の一部にもEVを導入しています。
キャンプやグランピングの楽しみのひとつである焚き火にも、地域の資源を活用。薪には地元の間伐材や、本来処分される予定だった倒木などを使い、農福連携に取り組む地元の社会福祉法人や清掃工場と連携して提供しています。
さらに、農場は2016年に貸農園として日本で初めてJGAP認証農場に登録。2026年3月には、持続可能な観光に関する国際基準「GSTC認証」を、日本国内のグランピング施設として初めて取得しました。
自然のなかで遊び、食べ、泊まる。その体験を提供する一方で、使う電力や地域資源にも目を向けるTHE FARM。今回の約74%という数字は、そんな日々の施設運営の積み重ねによって生まれたものです。
自然を楽しむ場所と、その自然を守る取り組みを切り離さないこと。「農ある暮らし」を未来へつなぐ農園リゾートの挑戦は、これからも続いていきます。
ライター
Greenfieldニュース編集部
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