アウトドアウェアやバッグなどに幅広く使われるナイロン素材。その製造時の環境負荷を減らすため、ゴールドウイン、東レ、出光興産の3社が、再生可能な原料を活用したナイロン繊維の低炭素型サプライチェーンを構築しました。新たな繊維は2026年8月からザ・ノース・フェイスの一部製品に採用される予定で、アウトドア業界の脱炭素化を後押しする取り組みとして注目されています。

ゴールドウイン・東レ・出光興産が低炭素型サプライチェーンを構築

株式会社ゴールドウイン、東レ株式会社、出光興産株式会社の3社は、再生可能な原料を活用したナイロン繊維の低炭素型サプライチェーンを構築したと発表しました。

今回の取り組みは、ナイロン繊維の原料となる石油由来資源の一部を、植物由来などの再生可能な原料へ置き換えることで、製造過程における温室効果ガス排出量の削減を目指すものです。

ナイロンはアウトドアウェアやレインウェア、バックパック、テントなどに欠かせない素材です。軽量で強度が高く、耐久性にも優れていることから、多くのアウトドアブランドで採用されています。一方で、その多くは化石資源を原料としているため、環境負荷の低減が課題となっていました。

再生可能な原料を活用しながら既存設備で生産

今回のサプライチェーンでは、フィンランドのNeste Oyjが供給するバイオナフサを活用しています。バイオナフサは植物などを原料とした再生可能な資源からつくられるもので、従来の化石資源由来原料の代替として注目されています。

出光興産はこの原料をもとにナイロン原料を製造し、東レがナイロン繊維へ加工。さらにゴールドウインが製品へ活用することで、一連の供給体制を実現しました。

特徴的なのは、新たな専用設備を導入するのではなく、既存の製造設備を活用できる点です。これにより、大規模な設備投資を行わずに環境負荷の低減を進めることが可能になります。

「マスバランス方式」で環境価値を管理

今回採用されたのは「マスバランス方式」と呼ばれる考え方です。

これは、再生可能原料と従来原料が製造工程の中で混ざった場合でも、投入した再生可能原料の割合に応じて、その環境価値を製品へ割り当てる仕組みです。

少し難しく聞こえますが、再生可能な原料を確実に利用したことを管理しながら、既存設備で効率的に生産できる方法として、近年さまざまな業界で導入が進んでいます。

ザ・ノース・フェイス製品へ採用予定

Dot Shot Jacket(ドットショットジャケット)

今回製造されたナイロン繊維は、2026年8月からゴールドウインが展開するザ・ノース・フェイスの一部製品に採用される予定です。

また、この繊維は従来のナイロンと同等の性能を持つため、使用後に回収してリサイクルすることも可能です。環境負荷の低減だけでなく、資源循環の観点からも期待されています。

アウトドア業界で進む素材の脱炭素化

近年、アウトドア業界ではリサイクル素材の採用や製品回収プログラムなど、環境負荷を減らす取り組みが広がっています。

その中でも今回のプロジェクトは、製品づくりのさらに上流にあたる「原料」の段階から脱炭素化を進める取り組みです。

自然をフィールドとするアウトドアブランドにとって、環境保全への取り組みはますます重要になっています。今回構築されたサプライチェーンは、素材メーカーや原料メーカー、ブランドが連携しながら環境負荷低減を目指す先進的な事例として、今後の広がりが期待されるでしょう。

Greenfieldニュース編集部

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