自然学校のカタチ②ホールアース♪国際自然大学校♪キープ協会♪老舗の自然学校をご紹介

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自然学校のカタチ②ホールアース♪国際自然大学校♪キープ協会♪老舗の自然学校をご紹介 出典 ホールアース自然学校

自然学校のレポート第三回は、業界のパイオニア的存在である老舗の自然学校を3つ紹介します。

1980年代、家庭用ゲーム機が普及し始め、子どもたちの遊びが屋外から屋内へと変化し始めた時代、子どもたちが育つ環境を危惧したパイオニア達が、自然をフィールドに選び、全国で「自然学校」を立ち上げ始めました。

今でこそ、幼少期からの自然体験が貴重で価値あるものという認識が広がっているように思いますが、当時は「なぜ自然の中で遊ぶことにお金を払わなくてはいけないのか?」「子ども達を野山に集めて、何か怪しいことをしているのではないのか?」となかなか自然学校への理解が進まず、大変に苦労をされたようです。自然学校を仕事にし、それなりに「食べていく」ことができるようになるには「10年かかった」という先達の言葉をよく耳にします。

起業から30年がすぎ、その荒波を乗り越えた自然学校が業界を引っ張るリーダー的存在として、また新しい時代のニーズに柔軟に対応して変化を続ける「社会的企業」として、幅広く活躍しています。

人・自然・地域が共生する社会を目指し、進化する「ホールアース自然学校」(静岡)


出典 ホールアース自然学校

ホールアース自然学校は1982年「動物農場」としてスタートしました。

大人にも子どもにも大自然を思いきり体験してほしいという思いから、「動物体験・自然体験」を展開。

また、1983年から富士山麓の樹海をフィールドにした教育旅行向けの自然体験プログラム(洞窟樹海探検、富士山麓トレッキングなど)を開発し、現在そのような教育旅行への参加者は年間3万人にものぼっています。

 


出典 ホールアース自然学校

 

自然案内人(インタープリター)としてのスタッフの質にも高いこだわりがあります。

様々なバックグラウンドを持った人材が全国から集まり、それがホールアースの仕事の「幅」と「深さ」を支えています。

一時は「社会人経験がある」ことが採用の条件だった時代もあるとのこと。

現在では富士山麓の本拠地のほか、全国6か所の拠点(沖縄校福島校新潟校-柏崎・夢の森公園田貫湖ふれあい自然塾富士市立少年自然の家/丸火自然公園)でそれぞれユニークな事業を展開しています。


出典 ホールアース自然学校

「家畜動物とのかかわり」と「自然体験」の場の提供が趣旨だったホールアースは、現在でも「食農」「暮らし」を扱うプログラムを大切にしています。

2011年には農業生産法人『ホールアース農場』を設立、無農薬・無化学肥料により稲や野菜を栽培しています。

子どもから大人まで「食農」のプログラムを体験できるだけでなく、キャンプ等の食事ではホールアース農場が生産する食材を使用するという、食に対する意識の高さがうかがえます。

出典 ホールアース自然学校

近年では、荒廃する里地里山を利用しながら保全していく目的で、「竹・木・ケモノ」の分野にも着手しています。

ケモノ=獣(鹿・猪)の分野では、スタッフが自ら狩猟免許を取って獣を捕獲し、ジビエ料理や鹿革クラフトを実践するなどワークショップも行っているとのこと。

常に新しいことにチャレンジし続け、進化しているイメージの強い自然学校です。

 

○ホールアース自然学校(WENS)
http://wens.gr.jp/

 

スタッフの数は日本一?!野外教育といえば「国際自然大学校」(東京)


出典 NPO法人国際自然大学校

1983年に設立されたNPO法人国際自然大学校は、東京に本部を持ちながら関東圏を中心に全国展開している自然学校です。

山梨、栃木、沖縄、埼玉、福岡、埼玉、横浜に分校を持ち、スタッフの総数は101人(常勤72人、非常勤は29人)と大規模な自然学校です。


出典 https://www.facebook.com/npo.nots

設立当初から「アウトフィッター(自然や人とのかかわりの中で、人生を前向きに生きている人)」の育成をテーマに、野外教育、冒険教育をベースにした自然体験活動を精力的に行っています。

国際自然大学校の名前には、5つのキーワードが込められています。教育(心の教育)・環境(持続可能な社会)・地域振興・健康・国際。これらを軸に事業を行っています。


出典 NPO法人国際自然大学校

国際自然大学校と言えば、子ども向けキャンプの質の高さに定評があります。

個性豊かなキャンプディレクターが学生などのキャンプスタッフを束ね、幼児から中高生まで様々な対象向けに、海・山・川・島、あるいは海外で、年間を通じてキャンプを行っています。英語でアウトドアを楽しむイングリッシュ・キャンプも人気です。


出典 NPO法人国際自然大学校

国際自然大学校は公の野外教育施設の管理運営も多く引き受けています。(川崎市黒川青少年野外活動センター埼玉県立名栗げんきプラザ神奈川県立愛川ふれあいの村 など9か所)

野外の研修を積んだスタッフがノウハウを活かし、施設が利用者に提供する自然体験をより豊かなものにしています。

 

○NPO法人国際自然大学校(NOTS)
http://www.nots.gr.jp/

 

自然を感じ、学び、癒される。洗練された施設とプログラムが揃う「キープ協会」(山梨)


出典 キープ協会

キープ協会は「清里の父」と呼ばれている米国人のポール・ラッシュ博士によって1938年に建てられた「清泉寮」がルーツです。

八ヶ岳南麓・清里高原を拠点に、環境教育や高冷地農業、国際交流等に取り組んでいます。

キープ協会が環境教育事業を始めたのは1983年から。専門の知識と経験を備えたレンジャーが集い、多くの環境教育プログラムを開発・実施してきました。

深い森・渓谷・牧草地など変化に富んだフィールド、目的や人数に応じた利用ができる複数の宿泊・研修施設、地元の新鮮な食材を活かした料理といった風に、「自然」「レンジャー」「プログラム」「施設」「食」と総合的に環境教育を行える要素が一カ所に揃っていることが特徴です。


出典 キープ協会

キープ協会の自然体験の特徴は「自然を見つめる」「自然の美しさ、素晴らしさを感じる」感性を大切にしている点。

目には見えない自然のメッセージを分かりやすく伝えるレンジャーは、インタープリター(“人と自然との橋渡し役”)と呼ばれます。

インタープリターが案内する感性を使うガイドウォークや、森林療法プログラムなどの癒し系プログラムに定評があります。


出典 キープ協会

またそんな指導者を育成するために「清里インタープリターズキャンプ」というセミナーが年に数回実施されています。

自然ガイドを目指す希望者が全国から清里に集まり、インタープリテーションの心髄を学んでいます。


出典 キープ協会

キープ協会の環境教育事業部(自然学校)の拠点は、フォレスターズ・スクール山梨県立八ヶ岳自然ふれあいセンターやまねミュージアム山梨県地球温暖化防止活動推進センターがあります。

そして2011年からは栃木県の那須平成の森の指定管理者となりました。ここは平成20年まで皇室の御用邸として管理されてきた生物豊かな森です。

森の豊かさ、楽しみ方を感性を通して伝えるプロ集団によるガイドウォーク、一度どこかで体験してみてください。

 

○キープ協会 —環境教育事業
http://www.keep.or.jp/about/kankyo/

 

まとめ

どれも個性を持って進展している三つの老舗の自然学校をご紹介しました。少々乱暴に分類するならば、ホールアース自然学校は「暮らし系」、国際自然大学校は「野外系」、キープ協会は「感性系」と言えるかもしれません。

しかしどこも自然学校のプロとはこういうものかと感じさせる、魅力的なスタッフに出会える所です。ぜひご自分の興味とマッチするプログラムを見つけて、体験してみてくださいね。

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