比較的新しい!?フリースタイルモーグルスキーのはじまり
モーグルスキーといえば、整然と並んだコブ斜面と、そびえ立つキッカーですが、そこを猛スピードで降りてくる猛者たちの超人技は、ちょっとやそっとじゃ真似できそうにありません。
そもそもこのようなスキー競技は、どのように誕生したのでしょうか?
モーグルの起源は1960年代位のアメリカで、コブだらけの斜面を誰が一番早く滑り降りるか、という単純明解な楽しい競争だったようです。
当時は雪上のコブを、パンに塗られたマスタードやケチャップに見立て、ホットドッグスキーと呼ばれました。
山の頂上から麓まで、ただひたすら速さを競うチャイニーズダウンヒルは現在も時々ゲレンデのイベントで行われていますが、スノーボーダーによってコブ斜面で行われることもあるようです。
もしかしたらいつかスノーボード版モーグルみたいな競技が誕生するかもしれませんね。
1979年には国際スキー連盟(FIS)にフリースタイル部門が設けられ、ワールドカップの開催が始まりました。
その後1986年フランスのティーニュで初の世界選手権が催され、冬季オリンピックにおいては、1992年のアルベールビルオリンピックで正式な種目となりました。
女子に続き男子もメダル!日本のモーグルスキーの歴史
モーグルの初めての世界選手権、第1回ティーニュ大会には日本からも男子選手のみ2名が出場しました。
モーグルが初めて正式種目となった1992年のアルベールビルオリンピックには、日本からも山崎修選手が出場。
1994年のリレハンメルオリンピックには、三浦豪太選手と里谷多英選手が出場しましたが、里谷選手の11位が最高の成績でした。
1996年にはワールドカップで坂本豪大選手が初出場初優勝という快挙、しかし1997年に長野県の飯綱高原で開催された世界選手権では入賞できる日本人選手はいませんでした。
1998年長野オリンピックで里谷多英選手が金メダル獲得、この頃から日本勢メダルへの気運が高まり、ソルトレークオリンピックでの里谷選手の銅メダル、上村愛子選手のワールドカップ総合優勝など、強い日本のモーグルチームの礎となっていきました。
当時引退直後の有力選手であったヤンネ・ラハテラをコーチに迎え、技術を磨きますがオリンピックではなかなか結果を出せませんでした。
その後はオリンピック経験者の国内元選手を中心としたコーチ陣と世界TOPレベルのターン技術を磨き、平昌オリンピックに出場する男子選手については、ベテラン選手若手選手とも、誰がメダルを獲得してもおかしくない、というレベルまで成長してきました。
ソチオリンピックでは2人だけしかクリアできなかったオリンピックの代表派遣枠を倍に増やし、過去最高の布陣といわれる4人ものメンバーを送り込み、その結果、男子モーグルでの冬季五輪初のメダルを獲得したのです。
日本ではオリンピックはとても人気がありますので、今回のメダル獲得で、活躍選手の背中を追う若手選手が増え、スキー業界全体の盛り上がりが期待されますね。
シェアほぼ独占?国産メーカーのモーグルスキー板
ID one
オリンピックのモーグルを見ていると、選手はよくスキー板を外して掲げています。
そのとき、ハートマークを逆さまにしたような絵がついたスキー板を見たことがある方は多いのではないでしょうか?
世界トップレベルの選手達が愛用している日本のメーカー、ID one(アイディワン)のモーグル用モデルのスキー板です。
コンペの上位選手だけでなく、一般のスキーヤーにも人気のある大阪のメーカーで、基礎系の板やフリーライド用のツインチップ板なども手掛けるメーカーです。
特にモーグル板はワールドカップ出場選手の約6~7割がID oneの板を愛用しているというから驚きのシェアです。
ID oneは1999年から板の開発に携わっており、上村愛子選手が愛用したことでも知られますが、選手の要望を開発に盛り込みながら、2002年ソルトレーク五輪から選手達を支えてきました。
HART
もう一つ、HARTの板もモーグルのトップランカーから人気があります。
HARTは1955年にアメリカで誕生したメーカーですが、現在は日本のアルペングループのジャパーナが企画、開発をしています。
HARTもモーグル競技用モデルだけではなく、レース用の板も手掛けています。
それにしても、この2つの日本メーカー製のモーグル板を履いている選手は本当に多いです。今度モーグルの試合を見るときは、選手の履いている板にも注目してみてください!
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ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。