アメリカやドイツでヴィーガンが増えた理由とは?
アメリカやドイツでここ数年、べジタリアンを含む菜食主義が爆発的に増えた理由について説明しましょう。
動物性食品の過剰摂取が肥満などの疾患の一因に
アメリカは、4人に1人が肥満という肥満大国です。
肥満の原因で大きな割合をしめるのが食生活。
動物性食品を過剰摂取すると肥満になりますし、肥満は糖尿病や高血圧といった生活習慣病の原因となります。
肉食中心の食生活であるアメリカやドイツでは、健康のために動物性食品をやめて、菜食中心の健康的な食事を心がける人が増えています。
菜食主義になる人のなかで特に多いのが10〜30代の若い世代で、健康になることはもちろん、何でも着こなせるスタイルになるために、食生活を改めることがスタイリッシュという考えも定着しつつあります。
環境問題への関心の高まり
ヴィーガンはその食生活に注目されることが多いですが、実は環境問題にも深い関わりがあり、基本となっているのが動物愛護の精神です。
「動物の生きる権利を守る」というのは基本理念ですが、牛や豚などの動物の飼育に必要な広い場所を確保するために森林伐採されたり、家畜のおならやゲップには、温暖化の原因ともいわれる温室効果ガスが含まれています。
つまり食肉生活を続けることは、環境にも大きなダメージを与えているわけです。
ヴィーガンとは動物の命を尊重するだけでなく、環境にも優しい生活をするというライフスタイルに共感する人も多いのです。
菜食主義に優しい社会環境
アメリカやドイツは専門のお店でなくても、べジタリアン用のメニューがあるカフェやレストランも多く、ヴィーガンの人もそうでない人と一緒に食事を楽しむことができます。
また元々個人主義が多いこともあり、菜食など食事の好みは個人のライフスタイルとして、受け入れてもらいやすい環境ということも、定着しやすい大きな理由でしょう。
日本がヴィーガン後進国である理由
ヴィーガンに対する理解が薄い
最近は「ヴィーガンとは何か?」ということをとりあげている記事も多く、数年前に比べると日本での認知度は上がっています。
しかし、環境問題との関わりやどういった物が食べられないのかなど、一歩進んだことに対しては、まだまだ理解を得ていないといわれています。
日本人の和食への安心感
日本人は、世界的に長寿国として知れ渡っていて、長寿の源といわれているのが和食です。
日本では、魚、大豆、野菜などを中心とした食文化で、肉食中心の外国の食文化よりも、安心感を持っている人も多いと思います。
こういった和食への安心感が、べジタリアンなどの菜食主義が増えない理由でもあります。
浸透しない最大の原因は生活環境
東京などの大都市では、専門のお店も増えてきたとはいえ、普通のカフェやレストランなどで、菜食の人が食事をしようとしても、サラダ以外食べられるものが少ないのが実情です。
また、自炊する上でも食品表示が曖昧なため、動物性の物が含まれているのかどうか、わかりにくいものが多いといいます。
海外ではべジタリアンコーナーなどが常設されているところも多く、日本ではまだそのようなお店は少数派ということもあり、浸透するまでには時間がかかりそうです。
日本でヴィーガンが定着する可能性も期待できる
和食は海外の菜食主義の人に大人気
和食の材料を見てみると、菜食の人に人気の食材が多いといわれます。
例えば、豆腐、海藻、納豆、海苔、こんにゃくなど、調味料などに気をつければじゅうぶん美味しく、それでいて体にも環境にも良い食べ物を食べることができます。
日本古来の食べかたは菜食に近い
日本では、古来より菜食が中心だったと言われています。
そのため、肉や魚、そして乳製品などを使わない食事方法や環境問題についてなど、もう少し踏み込んで知ってもらえれば、ヴィーガンという食生活が定着する可能性も少なくありません。
週1だけ菜食の日にすることも可能
和食がヘルシーとはいえ、現代の私たちの食生活は、動物性食品を多く摂取しているのも事実。
そういったことを考えて、週のうち1、2日を菜食中心の食事にするのも体に良いことです。
完全にヴィーガンになるのは難しくても、週の何日かを菜食中心にすることで、より健康的になり野菜の良さを見直すことができ、日本でも定着する可能性が増えるのではないでしょうか。
ライター
Greenfield編集部
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