さまざまな要因がありますが、意外と知られていないのが潮汐(ちょうぜき)の存在。
今回は海釣りするなら覚えておきたい潮汐と釣りの関係を解説します。
釣りにも重要な「潮汐(ちょうせき)」とは?
釣りをはじめると、突然釣れはじめたり、それが嘘のように釣れなくなるような状況が少なくありません。
さまざまな要因がありますが、海釣りにおいて無視できない要素が「潮汐」です。
海釣り用にエリアごとの潮汐を公開しているサイトもありますが、そもそも潮汐とはなんなのでしょうか?
潮の満ち引きのこと
潮汐とは、簡単に言えば潮の満ち引きのことを指しています。
月の影響によって、海の水位が日ごとに代わることは皆さんもご存知ですよね。
じつは海水面の上昇は気圧や風の影響によっても起こり、台風の時に海水が陸に流れ込むのもその影響の顕著な例です。
それらをまとめて海の水位の変化を潮汐と呼んでいます。
潮汐の種類
潮汐にはその潮の動きの特徴から、おもに5つに区別されています。
- 大潮
- 中潮
- 小潮
- 長潮
- 若潮
大潮は一日のなかでの潮位差がもっとも大きい日で、小潮はその逆で潮位差が少ない日を指します。
中潮はその中間で、おだやかに潮の流れがあります。
長潮はしばらく潮位差が落ち着いている期間を指し、若潮はやや動きが出始めるころを指しています。
潮位差が大きい日のほうが魚は活発に動きますが、それぞれに合わせた魚の狙い方があるので、釣りに行く日がどの潮汐なのか把握しておくことが重要です。
潮汐(ちょうせき)が海釣りに与える影響
意外と身近な自然現象の潮汐が、なぜ釣果に影響するのでしょうか。
これも考えてみると非常にシンプルな関係なので、その影響を覚えておけば釣果にもつなげやすくなります。
食物連鎖が活発になるタイミング
魚釣りは、いわば魚の捕食活動を利用した漁ですよね。
つまり、魚が活発に食事をしなければ、釣りで魚を狙うことはできません。
潮汐は潮の動きに関係しているのは説明した通りですが、その潮の動きによって食物連鎖が活発になるタイミングともいえます。
海水が動くと、まず海水の中を漂うように移動するプランクトンが移動します。
そのプランクトンを餌にする小魚が活発に動き出すようになり、その小魚を狙う魚、さらにその魚を狙う大型の魚までが活発になるというわけ。
つまり食物連鎖が活発になるきっかけが潮の流れで、その潮の流れを予測すると絶好のタイミングで釣りができるようになるメリットがあるのです。
満潮と干潮の影響は?
潮が満ちると満潮、潮が引くと干潮、というのは有名ですよね。
これももちろん潮汐の影響ですが、どちらが好影響なのでしょうか。
結論から言えば、どちらの潮の動きも魚にはいい影響があります。
釣り用語で「上げ潮三分、下げ七分」という格言がありますが、上げは満潮に向かうタイミング、下げは干潮に向かうタイミングを表しています。
どちらも潮が動いているタイミングを表していて、簡単に言えば満潮、干潮それぞれ動き出すタイミングを狙って釣るのが好機という意味。
満潮、干潮になってしまったタイミングでは潮の動きがなくなり、魚の捕食活動は落ち着いていくことになります。
初心者でもわかる潮の見方
潮汐がどういったもので、釣りにどういう影響があるかわかったところで、実際に潮汐を釣りの判断材料にする方法を解説します。
小難しそうに思えますが、これも非常に簡単な方法なので、以下のようなポイントを抑えて潮汐を釣果につなげましょう。
潮見表を手に入れよう
潮汐を予想するには、潮見表を手に入れるのがもっとも簡単な方法です。
潮見表は各地域の潮汐を予想したもので、たいてい1年分見越して予想されています。
満潮時刻と干潮時刻、そしてどれぐらい水位が変わるのかなどのデータが記されているので、簡単にいつ潮が動き出すのかがわかります。
最近ではWebサイトやアプリでも無料で公開されていますが、釣行のスケジュール管理をするにはカレンダーもおすすめです。
「潮が動くタイミング」を予想しよう
すでに解説した通り、潮が動くタイミングを予想して入釣するのがベストです。
もちろん潮見表で満潮から引き始めるタイミング、干潮から満ち始めるタイミングを予想する技術も必要です。
しかし釣り場でいちいち表を見て予測するのも大変なので、慣れるまでは手元で潮の動きがわかるタイドグラフ機能付きの時計を装備しておくといいでしょう。
カシオのAQW-101Jは安価でありながら、魚の活動を予測してリアルタイムで表示するフィッシングモード付きなので、初心者にもおすすめのアイテムです。
釣るポイントからベストなタイミングを予想しよう
潮見表やタイドグラフなどでデータを厳密に予測しても、実際ピッタリのタイミングで魚が釣れ始めることはほぼありません。
これは気圧や天候、地形も少なからず潮汐に影響しているからで、おおよその地域と月の動きで予測している潮見表だけではすこし情報が足りないのです。
例えば漁港であれば、波止の影響で海水に動きが出るのが遅いのも予想できますし、外海ではその影響がはやく出ることが予想できますよね。
正確には何度もその釣り場に足を運んで、そのポイントの特性を体感するしかないので、ホームポイントの潮の動きのタイムラグは把握しておくといいでしょう。
とくに初心者だと潮汐の予想をせずに、せっかくのゴールデンタイムを移動で無駄にしてしまうことも少なくありません。
ぜひ釣り初心者でも潮汐の影響を理解して、魚の動きを先読みした行動でこれまでになかったような釣果を体験してみてくださいね。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。