オリンピック種目になったスポーツクライミングとは?
フリークライミングというのは、基本的にはロープなどをつかわず、自分の体や技術のみをつかって、低めの岩や人口壁を登るクライミングスタイルのことです。
スポーツクライミングは、このフリークライミングのスポーツ性や競技性を高め、自然の岩ではなく、人口壁を登るスポーツ一般のことをさし、オリンピックの競技に選ばれた競技名でもあります。
もともと、クライミングというのは、ロシアからイタリアやドイツといったヨーロッパに伝わり、岩場での競技が行われていました。
そういったクライミング競技が、世界的に人気のスポーツになり、2020年の東京オリンピックでは、正式競技として実施されることが決まったのです。
オリンピックは3種目で競う複合種目
2020東京オリンピックでは、ボルダリング、リード、スピードの3つの競技の複合種目ですが、本来はひとつひとつ単独のスポーツです。
ここでは、簡単にこの3つの競技の特徴やルールについて、簡単に説明したいと思います。
ボルダリング
4〜5m程度の人口壁に設定された、複数のルート(課題)を4分という制限時間内にどれだけ登ることができるかを競う競技です。
ルートは、オブザベーションと呼ばれる制限時間があるルート確認の時間のみで、競技中もオンサイト方式と呼ばれる、ほかの選手が登っているところをみることができないルールになっています。
ルートの完登数が同じ選手がいた場合は、トライ数によって、回数が少ない人が上位になります。
リード
12m以上の人口壁に設定されたルートを、どこまで高く登れるかを競う競技です。
こちらも、ルートはオブザベーションのときしか、確認する時間はありません。
ハーネスを装着していて、途中の確保支点にあるクイックドローにロープをかけて安全感確保をしながら登り、最終的に最後(トップ)の支点のドローにロープをかけると完登となります。
制限時間内なら何回でもトライできるボルダリングと違い、リードは途中で落ちてしまった場合は、そこで記録され、再トライはありません。
スピード
スピード競技は、制限時間内に登るボルダリングやリードとは違い、15mの壁を登り、その速さを競う競技です。
すでにホールドの配置が周知されているコースを登るので、実質登る時間は6〜7秒という驚異の速さで勝敗が決まってしまいます。
はじめてみた人は、その速さにびっくりするはずです。
2020東京オリンピックスポーツクライミングの見どころは?
スポーツクライミングという競技は、2020東京オリンピックから加えられたので、目新しく、ぜひ見てみたいという人も多いのではないでしょうか?
ここでは、見どころについて説明します。
日本も強豪国のひとつとして目が離せない!
スポーツクライミングの強豪国というと、日本、フランス、ドイツ、ロシア、スロベニア、韓国などがあげられます。
ボルダリングにもワールドカップがありますが、実は日本は国別ランキングでも5年連続1位をほこっています。
日本が強豪国になったのは、まだ最近ですが、その理由としては、外国人に比べると小柄で、体重も軽いためと、ここ10年ほどジムなども増え、ボルダリング人口が圧倒的に増えたことといわれています。
ジムが増えたことで、若いうちから楽しみながら、いろいろなテクニックを習得したり、経験を積む人が増えて、選手層が厚くなったというわけです。
優勝に手がとどきそうな日本人選手も多く、目が離せません!
複合種目のためどの国にもチャンスあり
オリンピックは、複合種目として競い合うので、どの選手もボルダリング、リード、スピードの3種目を行います。
そして3種目の順位をかけることで、より点数が少ない選手が勝ちになります。
たとえば、順位が1位、3位、2位だとすると、1×3×2=6というように、計算して順位を決定します。
複合種目の見どころは、どの選手もすべての競技が得意というわけではないというところです。
日本選手は、ボルダリングが得意な半面、スピードでは、まだまだ課題も多いといわれています。
ほかの国も、同じようにスピードは得意だけど、リードが苦手という選手なども多いので、日本だけではなく、どの国にもチャンスがあるといえます。
スピード、ボルダリング、リードの順番で競技が行われますが、スピードは瞬発力が必要なため日本勢の弱いところ。
スピードでどのぐらい上位に近づけるかと、得意なボルダリングとリードで、まき返せるかがポイントとなります。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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