有機栽培だからこその安全性
オーガニック食品が多くの人に好まれる理由は、その安全性です。
肥料には米ぬかや鶏糞などの自然のものを原料とした有機肥料と、鉱物などを化学的に加工してつくられた化学肥料があります。
この2つの肥料のうち、有機肥料をつかった栽培のほうが、より安全性が高いといわれているのです。
肥料は、植物が育つ栄養です。
もちろん、育つ過程で植物はその栄養を取り込みますので、化学物質で作られた化学肥料がゆくゆくは私たち人間の体に取り込まれることになるのです。
また、オーガニックといわれるものは、土地やつくりかたにも条件があり、それをクリアしていないとオーガニックを名乗ることはできません。
日本では農林水産省が定めた基準に達した有機野菜には、有機JAS認定マークをつけることができます。
基準は、2年以上前から農薬や化学肥料を使用していないことや、遺伝子組み換えの種をつかわないといった、かなり厳しい規定がいくつもあります。
そういった基準をしっかりとクリアした食品であるオーガニック食品は安全性が高いといえるわけです。
しかし、化学肥料だから危険かといえばそういうことではありません。
化学肥料は、工場などで簡単に生産できますし、即効性もあるので、野菜づくりにはかかせないものです。
化学肥料とうまく付き合うことが現代には求められているのかもしれません。
栄養価の高いオーガニック食品
オーガニック食品の栄養価の話にはいる前に、普通の食品の栄養価について、お話ししましょう。
最近は食品の栄養価が、1970年代のころに比べて、激減したといわれています。
この50年間に、ビタミンAやCといったビタミン類など、当時の半分以下まで栄養価が下がったものもあります。
栄養価が低下した理由は、
- 1年中栽培されていること
- 土壌が痩せている(化学肥料が流通するようになったため)
- 品種改良によって育てやすくなった
土壌が痩せたというもの以外は、一見それほど悪いことではないような気がします。
しかし、そうでもないのです。
消費者のニーズによって最近では食品に「旬」はなくなり、1年中いつでも好きな野菜や果物を買うことができるようになりました。
生産者側も品種を改良することで、育てやすく、短期間で収穫が可能になってきました。
私たち消費者や生産者としては、とても便利になったわけです。
しかし、速く収穫するために品種改良したり、即効性のある化学肥料をつかうことで、土地がどんどんと痩せていってしまっているのです。
そのため、さらに化学肥料が必要になる。
そんな悪循環により、栄養価が下がってしまっているのです。
有機栽培は、病害虫駆除に農薬をつかわない、有機肥料のみで、施設や用具などにも化学肥料の飛散や混入がないといった細かい条件があります。
これらの条件がそろった畑でしか、栽培できませんし、なによりも有機肥料のみで育てた土地は土の状態が改善して肥沃になります。
つまり有機栽培をするということは、栄養価が高かったときと同じ土地の状態に戻るという意味なのです。
肥沃な土地で、野菜や果物を育てることで、栄養価が格段に高い食べ物を収穫することができるわけです。
味もしっかりしておいしい
オーガニック食品は、年配の人からは「昔の味」ともいわれることがあります。
水っぽくなく、濃いしっかりとした味がするためでしょう。
オーガニックの食品というのは、最近浸透した言葉ですが、じつはその栽培方法は、鶏糞や油粕など化学肥料ができる前につくられた方法です。
また有機栽培というのは、化学的な農薬などもつかわない方法のため、天然由来の虫除けをつかったり、雑草を刈る作業など普通に栽培するよりも、はるかに時間と手間がかかります。
オーガニック食品をつくっている農家などは、こういった手間ひまをかけて、愛情をたくさんそそいで、つくられているので、おいしいともいえます。
多くのレストランで、オーガニック食品にこだわっているのは、安全性のほかに、香りや味がぎゅっと凝縮された美味しさを求めているからかもしれません。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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