日本の海にはドライスーツが必需品
日本の海でダイビングをするならドライスーツは必需品といえるでしょう。
南の島のイメージのある沖縄でも、本島周辺では冬はドライスーツを使用しているダイバーも少なくありません。
ドライスーツの最大のメリットは、1年を通していつでも快適にダイビングができるということ。
さすがに日本の真夏はドライスーツだと暑く感じますが、秋から春までの3シーズンはドライスーツがあればとても重宝します。
伊豆半島では毎年10月くらい、紀伊半島では11月くらいから、ウエットスーツからドライスーツへの衣替えの時期です。
ドライスーツを使いこなして日本の海を思う存分楽しみましょう。
ドライスーツの使い方Q&A10選
ドライスーツはとても便利なダイビングギアですが、専門スキルが必要なためドライスーツの使い方で悩みを抱えているダイバーも少なくないようです。
そこでドライスーツの使い方に関するお悩みをQ&A方式でまとめてみました。
ドライスーツを使いこなすためのポイントを見てみましょう。
Q1.ネオプレンとシェルどちらがいいの?
ネオプレンとシェルどちらにも一長一短がありますが、初心者が最初の1着に選ぶならネオプレンタイプがおすすめです。
なぜならネオプレンはウエットスーツと同じ素材なので、素材そのものに保温性がありインナーを着こむ必要が少なく、伸縮性もあるので水中で動きやすいからです。
一方、シェルタイプは伸縮性のないファブリック素材のため、保温性は中に着るインナーで調整する必要があり、さらにスーツ内の空気調整をしっかり行わないとスクイズ感も強くなります。
ただし、シェルタイプは軽量で水切れがよく耐久性にも優れており、加えて携行にも便利なことから欧米では主流になっています。
またほかにも、ネオプレンにラジアルコートを用いたタイプもあり、動きやすさに加え耐久性や速乾性にも優れているため、ドライスーツの使用頻度の高いダイバーから支持されています。
Q2.インナーは何を着ればいいの?
ドライスーツを使いこなすうえでインナーはとても重要です。
ネオプレンとシェルでは使用するインナーはまったく異なりますが、フリースやスエット、ヒートテックなどの保温性下着を上手に組み合わせて選ぶことがポイントです。
また、ドライスーツのタイプに合わせた専用インナーウェアなら、保温効果はもちろんスーツ内の湿度も調整してくれるので、とても快適です。
加えてホットソックスやホットインソールなどのアイテムも使えば、真冬でも足元からの冷えに対応可能です。
Q3.ドライスーツは着るのが大変?
首と手首のシールがキツくて「着るのが大変」と感じているダイバーも少なくありません。
ドライスーツを着る時のコツとしては、手首部分の内側にベビーパウダーを少し振りかけておけば手首を通すのが楽になります。
そして、頭を通すときはレジ袋やドライタオルを使う方法があります。
やり方はかんたんで、レジ袋を頭に被ったまま首を通す、あるいは髪を上げドライタオルをかぶったまま首を通すと、髪がからまずに着ることができます。
ただし、首と手首のシールは非常にデリケートなため、無理に引っ張ると破けてしまうこともあるので注意しましょう。
Q4.ウエイト調整はどうすればいい?
ドライスーツは浮力が大きくなるため、ウエットスーツ着用時のウエイト量と比べてプラスアルファの調整が必要になります。
また、ウエイト量は使用するインナーやタンクの種類(アルミまたはスチール)といった条件によって変わりますので、潜る前に毎回調整しなければいけません。
適正量をチェックするには、BCとスーツ内のエアを抜いた状態で水面が目の高さになるようにウエイトを調整します。
ただし、ウエイトベルトで調整しようとすると腰に負担がかかり過ぎてしまうことがあるため、ウエイト分散ジャケットやアンクルウェイトなどでウエイトをバランスよく分散することもポイントです。
Q5.足が浮く時はどうすればいいの?
ドライスーツ使用時に「足が浮く」と感じるダイバーも少なくないようです。
これはブーツ内のエアが抜けきれていない、あるいはフロートタイプのフィンを使っているなどの原因が考えられます。
ブーツ内に空気が入りすぎてしまうと水中で逆立ち状態になってしまい、バランスを崩してしまうことがあるので注意が必要です。
そんな時は、アンクルウェイトを使用する、ノンフロートタイプのドライスーツ専用フィンを使用する、フットバルブ付きのドライスーツを使用するなどの方法を試すのが良いでしょう。
Q6.シール部分や排気バルブからの浸水を防ぐには?
首や手首のシール部分から浸水する時は、専用のネックバンドやリストバンドを使って肌への密着度を高めるのが良いでしょう。
また、強いスーツスクイズが起こると排気バルブから浸水してくる場合もあるので、ダイビング中は常時スーツ内のエアを調整することがポイントです。
Q7.ドライスーツの事故って?
ドライスーツ内のエアを上手に抜くことができないと、スーツ内のエアが過剰になり「吹き上がり」と呼ばれる現象を引き起こすことがあります。
こうなると浮上速度をコントロールできないまま浮いていってしまうため、最悪の場合、肺の過膨張障害や減圧症といった重大な事故につながる可能性があります。
とくに足にたまったエアが抜けないと、逆立ち状態のまま吹き上がりを起こしてしまうので非常に危険です。
ドライスーツでダイビングをするときは、スーツ内のエアを小まめに調整するようにしましょう。
Q8.ドライスーツ講習は必要?
ドライスーツ講習は基本的なドライスーツの使い方や浮力コントールの方法などを学びますが、受講は義務ではありません。
ほとんどの場合、ドライスーツを購入したショップのツアーやステップアップコースなどに参加すればインストラクターが丁寧に教えてくれます。
もし、使い方に不安があるときは、ドライスーツ講習を開催しているスクールに相談してみましょう。
Q9.ドライスーツのメンテナンスは必要?
快適にドライスーツを使うなら、定期的なスーツ内部までの洗浄、排気バルブの洗浄、 ピンホールのチェック、防水ファスナーのメンテナンスなどは最低限必要です。
まず、定期的に塩抜き剤などを入れた浴槽にドライスーツをつけて、内部までしっかり洗ってあげるのが良いでしょう。
同時に排気バルブもバラしてしっかり洗浄しますが、ちょうど圧力鍋のバルブを分解洗浄するようなものなので誰でもかんたんに行えます。
また、ピンホールが見つかった時は、裏からパッチを当てるかアクアシールなどの補修剤をつけるだけで簡単に修理が可能です。
防水ファスナーは洗浄後に忘れずにロウソクを塗っておきましょう。
Q10.ドライスーツの保管方法は?
ドライスーツをしっかり乾かした後、ネオプレンタイプなら大きめのハンガーの両端にタオルを巻いて吊るして、ブーツが床に着く高さにして保管しましょう。
シェルの場合は防水ファスナー部分が曲がらないように畳み、直射日光を避けた場所に保管すればOKです。
いずれのスーツも防水ファスナーには必ずロウソクを塗り、ファスナーは開けたままでの状態で保管しておきましょう。
また、首と手首のシール部分にはシリコンスプレーを塗布しておくと劣化しづらくなります。