理学療法士ってどんな仕事?
理学療法士と聞いても、家族や自分が関わったことがあったり、知り合いに理学療法士がいる人でないと、どんな仕事なのかわからないかもしれません。
私自身も「介護の人ね」や「どんな仕事なの?」と聞かれることが多々あります。
そんな理学療法士についてご説明していきます。
理学療法士とは
理学療法士とはPysical Therapist(以下PT)と呼ばれ、“怪我や病気などで身体に障害のある人や障害が発生される人に対して、基本動作能力(座る・立つ・歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱・電気等の物理的刺激)を用いて、自立した日常生活が送れるように支援する医学的リハビリテーションの専門職”です。
かんたんにまとめると、障害や障害がある人に、運動などをもちいて基本的な動作を維持・改善し元の生活が送れるように支援するのです。
具体例:「膝が痛い」と来院された方
「膝が痛い」と病院に来院された患者さんに対し、医師の指示のもとリハビリを行なっていきます。
PTは「膝が痛い」という訴えに対して、なぜ膝が痛いのかを評価していきます。
- 変形してしまって痛いのか
- 膝周りの組織が硬くなってしまっていたいのか
- 筋肉が弱まって痛くなってしまったのか
など理学療法評価という評価法で「痛み」の原因を探ります。
原因が判明したら治療を行なっていきます。
また、治療効果についても再評価し理学療法をプランニングします。
プランニング内容を患者さんに合わせて再度、目標を設定してゴールに向けリハビリを実施していきます。
専門性
上記の一例はわかりやすい整形外科的なものを挙げましたが、理学療法士の活躍する場面は他にも存在します。
- 内部障害(糖尿病など)
- 脳血管障害(脳卒中など)
- 呼吸器障害(慢性閉塞性肺疾患など)
- 心疾患(心筋梗塞など)
- 外科的疾患
- 癌
上記は一部で、所属する病院やクリニックによっても対象疾患が異なります。
そのため幅広い病気を把握する必要があることと、また専門性も重要となります。
病気の把握ももちろんですが、どのような治療をすればいいかなど治療の専門性も重要で治療手段にも幅広い知識が求められます。
他職種との違いはあるのか?
具体例も交え、なんとなく理学療法士とはどんな仕事なのか?ご理解いただけましたでしょうか。
次に理学療法士と他職種(整体師)の違いについてご説明していきます。
法律上の違い 国家資格について
理学療法士と柔道整復師はともに国家資格です。
国家資格にも規制があり、資格を持っている人だけが、独占して業務を行える資格を業務独占と言います。
医師や看護師、放射線技師、柔道整復師が該当します。
一方、資格を持っている人だけが、その名称を名乗ることができる資格を名称独占と言います。
理学療法士や作業療法士などが該当します。
つまり理学療法士は、骨折や脱臼の整復などは行なってはいけません。
一方、柔道整復師は業務上上記の内容を行うことができます。
また柔道整復師が理学療法士と名乗ることはできません。
法律上の違い 開業権に関して
一番大きな違いとして、開業権があるかないかです。
理学療法士は医師の指示の下理学療法を実施するため、開業権はありません。
しかし、柔道整復師は開業権があり業務を独占して行うことができます。
そのため、一般的に理学療法士が街中で開業して業務を行うことはありません。
ただし、理学療法士という名称を使わず保険診療外(自費診療)であれば独立して行うことができます。
理学療法士になるためにはどうすればいいのか
養成校に入学する
3年制か4年制の養成校で、国が定めたカリキュラムを学びます。
また学校によっては夜間制もあり、働きながら資格を取ることができます。
3年制と4年制の違いについて
3年制は基本専門学校です。
3年制のメリットとして、
・4年制と比較し1年間学費を払わなくて済む
・1年早く就職できる
デメリットとして、
・1年間短いためカリキュラム内容が詰まっている
・大学院に進学する際にはもう1年履修が必要
国家試験を合格する
養成校でカリキュラムを終えれば、国家試験が2月の上旬ごろにあります。
医学知識(各診療の病気のことなど)や理学療法(運動療法や物理療法の適正)、心理学など多岐にわたる内容をモーラする必要があります。
1年に1回であり、不合格であれば1年間浪人しなければなりません。
気になる合格率は?
基本的に出題数の60%を超えれば合格となります。
以下は今年度の合格率です。
合格率は80%で高い合格率です。
しかし、合格率がかなり低くなる年もあるためしっかり勉強する必要があります。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。