お茶を飲んだあとのティーバッグ、すぐにゴミとして捨てていませんか?じつはティーバッグにはまだ香りや成分が残っており、少し工夫すれば暮らしに役立つ素材として活かせます。本記事では、特別な知識や道具がなくてもすぐに実践できるティーバッグの再活用法を紹介します。
ティーバッグを活用してゴミを減らそう

「サステナブル」や「ゼロウェイスト」を実践するのは難しいことではありません。まずはいつも飲んでいるお茶に「第二の人生」を歩ませることから・・・というのも、食品ロスには、野菜や加工食品などの固形物だけでなく、お茶やジュースなどの液体も含まれます。
ペットボトルや紙パックの飲料は、古くなったり、飲み残したりしてつい捨ててしまいがち。しかし、茶葉でお茶を淹れれば容器のゴミが出ないうえ、必要な分だけ用意できるので、飲料としての食品ロスを減らせます。急須やポットがない家庭でも、ティーバッグなら手軽に利用できますね。
ティーバッグを使っても、必ず出てしまうのが茶殻ですが、「飲み物の副産物」も、食品ロスに数えられます。また、家庭から出る生ゴミには水分が多く含まれ、焼却処理の際の環境負荷を増やしています。
そこで、使用後のティーバッグはそのまま捨ててしまわずに、せっかくなので乾燥させて再活用。お茶の香りや成分が残るティーバッグを余すことなく有効活用しましょう!
ティーバッグ再活用アイデア

お茶を楽しんだあとのティーバッグ。家の中でもアウトドアでも、さまざまなシーンで活用できます。具体的なアイデアを紹介していきましょう。
日常生活で
ティーバッグは家庭のちょっとした場面でも便利に使えます。消臭・掃除・美容・リラックスなど、暮らしの中で役立つシーンがたくさん!
消臭アイテムとして

緑茶や紅茶に含まれるカテキンやポリフェノールは、におい対策になるといわれています。乾燥させたティーバッグを靴箱や冷蔵庫に置いておけば、手軽な消臭剤に。筆者も、靴箱の中に乾燥させたティーバッグを入れてみたところ、こもったにおいが軽減しました。
掃除に
使い終わったティーバッグは、湿らせることでほこりを吸着しやすくなります。とくに砂とほこりがまじって汚れがちな玄関の掃除におすすめ。湿らせた茶葉を玄関にまき、ホウキではくと、さっぱり一掃できます。
※白いタイルは着色するおそれがありますのでご注意を!
美容アイテムに
紅茶やハーブティーのティーバッグは、顔のケアにも使えます。冷やしたティーバッグを目元にのせればひんやり気持ちよく、日焼けしてしまったときやむくみが気になるときにぴったり。パック感覚で気軽に試せる方法です。
リラックスアイテムとして使う
乾燥させたティーバッグからは、ほんのりとお茶の香りが広がります。布袋にまとめて入れてベッドサイドに吊るしたり、素敵なお皿に並べてリビングにセットしたり、アイデア次第で家のあちこちで使えますね。
リラックス効果のあるハーブティーなら、アロマのように気分転換になるでしょう。お香やアロマオイルほど主張しないので、強すぎる香りが苦手な人にぴったりです。
アウトドアで
アウトドアでは、お茶を飲んでリラックスする時間も楽しみのひとつですよね。使い終わったティーバッグは、虫よけや洗い物、日焼け後の応急ケアなどに活用できます。
虫よけに
乾燥させたティーバッグを焚き火にくべると、お茶の香りが煙に混じり、虫が近寄りにくくなります。とくにハーブティーのバッグはハーブ特有の香りが広がります。市販の虫よけとあわせ、補助アイテムとして活用するのがおすすめです。
洗い物に
湿ったティーバッグは、油汚れを落とすのに役立ちます。茶葉に含まれる成分が油を分解しやすくするので、キャンプのように洗剤を多用できない場面で便利です。
筆者も鍋を洗うときに使っていますが、ティーバッグに洗剤を少しつけて洗うだけで、驚くほど汚れが落ちますよ。
日焼け対策に
紅茶やカモミールティーの成分には、肌の炎症を落ち着かせるはたらきがあるといわれています。強い日差しを浴びたあとは、冷やしたティーバッグを当ててほてりを和らげると気持ちよいですよ。
ティーバッグ再活用のちょっとしたコツ

ティーバッグの再活用のしやすさは、お茶の種類や乾かし方、袋の素材によって変わってきます。すぐに実践できるコツを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- ティーバッグの茶種に合わせて使い分ける
- ティーバッグの素材によって使い分ける
- カビないようしっかり乾燥させる
おすすめのお茶の種類は?
お茶によって特徴が違うため、ティーバッグの種類に合わせて使い分けるとより有効に使うことができます。
ティーバッグの茶種に合わせた使い方
- 緑茶:クリーニングに
- 紅茶:リラックスに
- ハーブティー:アロマがわりに
緑茶にはカテキンが多く含まれており、消臭や抗菌のはたらきが期待できます。紅茶はポリフェノールが豊富で、抗菌やリラックスケアにぴったりです。香りが強いカモミールやペパーミントなどのハーブティーは、虫よけやアロマ代わりに使えます。
ただし飲用では問題がなくても、使い方によっては肌に合わなかったり、アレルギーが出たりする人もいます。直接肌に触れるような使い方をするときは十分注意しましょう。
再活用しやすいティーバッグの素材は?
紙や不織布でできたタイプは通気性がよく、乾燥させやすいので消臭用に向いています。破れやすいのでやさしく扱う必要がありますが、簡単に中身を取り出せるので、茶殻だけを使いたいときには便利です。
ナイロンなどの化学繊維製のメッシュタイプは丈夫で破れにくいため、洗い物用など、繰り返し使いたいときに便利です。筆者が油汚れの鍋を洗うときはナイロン素材のティーバッグを使いますが、破れることはほぼありません。
素材はもちろん、形や種類によって、茶葉の量なども変わってきます。シーンによって使い分けてみてくださいね。
どうやって乾燥させる?
ティーバッグを再活用するには、しっかり乾燥させることが大切。湿ったまま放置するとカビの原因になってしまいます。
手軽なのは、使用後のティーバッグを軽くしぼり、キッチンペーパーや皿の上に広げて自然乾燥させる方法。風通しの良い場所なら半日ほどで乾くでしょう。より早く乾かしたいときは、お皿にティーバッグをのせ、電子レンジで10〜20秒ほど加熱すると水分が飛びます。
乾かしたティーバッグは密閉できる容器や袋に保存すると乾燥状態をキープできます。使いたいときにサッと取り出せて便利ですよ。
ライター
そらたね
農業職公務員・食品メーカー勤務の経験をもとに、農業や食の大切さ、美味しいレシピを発信します。趣味は旅とカメラ。日本の四季を撮ること、旅行先で綺麗な海を見ることが大好き。生息地は主に田んぼ、畑、ときどき果樹園。