サーフィンとキャンプを組み合わせた「サーフキャンプ」。アメリカ西海岸で自然を満喫しながら環境に配慮した旅をしたい人にぴったりのキャンプです。この記事では、筆者の実体験をもとに、カリフォルニアでサーフィンとキャンプを同時に楽しめるおすすめスポットを3つ紹介。波の質やキャンプ設備、アクセスのしやすさに加え、旅の中で実践できるエコアクションもお伝えします。

サーフキャンプの魅力

サーフキャンプの最大の魅力は、移動の手間を最小限にして、波と自然を思いきり楽しめることです。テントを出れば目の前がサーフポイント。朝日とともにだれもいない海で波に乗り、夕日まで時間を気にせずサーフィンを楽しむ。そんな贅沢な日常が手に入ります。

さらに、移動や準備の時間を節約できるぶん、ビーチでのんびり過ごしたり、自然散策を楽しんだりと、心の余裕も生まれます。波の音で眠り、鳥のさえずりで目覚める体験は、自然との一体感を深め、サーフィンライフをより豊かにしてくれるでしょう。

アメリカ西海岸のサーフキャンプおすすめスポット3選

これから紹介する3つのスポットは、いずれも素晴らしい波だけでなく、キャンパー・サーファーに大切な設備や周辺環境が整っています。サーフィン後の温水シャワーの有無や、長期滞在に必要な食材調達場所など、実際に滞在して気になるポイントを体験談を交えて詳しく解説。自分のスタイルに合った最高の場所がきっと見つかるはずです。

今回紹介するスポットは現地でも人気が高いため、事前予約をおすすめします。

1.カリフォルニア・サンエリホ州立ビーチ(San Elijo State Beach)

サンディエゴ郡北部にあるサンエリホは、アクセスの良さと充実した設備で多くのサーファーに愛される人気スポット。崖の上のキャンプサイトからは絶景の海が広がり、階段を降りればすぐにビーチへ。テントを出てそのままサーフィンを楽しめます

波は砂浜のビーチブレイクが中心で、比較的穏やかで乗りやすいのが特徴。中級者はもちろん、ロングボード・ショートボードどちらでも波を満喫できます。

キャンプ場内には温水シャワー、トイレ、売店も完備。車で数分の距離にスーパー「カーディフ・シーサイド・マーケット(Cardiff Seaside Market)」もあり、食材調達も簡単。利便性と絶景を両立したいサーファーにおすすめです。

2.カリフォルニア・カーペンタリア州立ビーチ(Carpinteria State Beach)

「世界で最も安全なビーチ」として知られるカーペンタリア州立ビーチ(Carpinteria State Beach)は、穏やかな波が特徴でファミリー層にも人気のスポットです。サンタバーバラの南に位置し、リラックスした雰囲気の中でサーフィンとキャンプを心ゆくまで楽しめます。

キャンプサイトはビーチの目の前にあり、テントから数歩で砂浜へ。温水シャワーやトイレも完備しているため、初心者や家族連れでも安心して滞在できます。

南端に位置するターピッツ(Tarpits)は、砂とリーフが混ざった海底を持つポイント。左右両方向にブレイクするビーチ・リーフブレイクとして知られています。波は不規則で、半クローズアウトすることもありますが、腰サイズから頭サイズまで幅広く対応でき、初心者から上級者まで楽しめます。

特に雨季(10月〜3月)は、川から砂が流れ込んで、サンドバーが形成され、波質が安定。サーフィンに最適なコンディションが整います。

徒歩圏内には小さな通りにカラフルな建物が並ぶ可愛らしい町があり、カフェやレストラン、地元の食料品店が点在。サーフィンだけでなく地域文化や食も味わえるのが魅力です。

 

3.カリフォルニア・ハラマビーチ・カウンティパーク(Jalama Beach County Park)

手つかずの自然とパワフルな波を求める人には、サンタバーバラ郡北部にあるハラマビーチがおすすめ。アクセスはやや困難ですが、そのぶん秘境感と壮大な景色を堪能できます。

風の影響が出やすい場所ではありますが、コンディションが整えば極上の波と出会えるチャンスも。ビーチブレイクとリーフブレイクが混ざり、中〜上級者にはたまらないポイントです。

温水シャワーやトイレ、売店もあり、名物の「ハラマバーガー」も人気。キャンプに必要な設備はそろっており、安心して滞在できますよ。ただし、近くの町まで車で30分以上かかるため、食材や飲み水、キャンプ用品はあらかじめしっかり準備しておきましょう。

日常を忘れ、大自然の中で波に没頭したい冒険好きなサーファーには、まさに理想的なスポットです。

 

サーフキャンプで実践する3つのエコアクション

海と自然を未来に残すため、サーフキャンプでも環境への配慮は大切です。ここでは、だれでも簡単にできる3つのエコアクションを紹介します。

1.キャンプ場でゴミを出さない工夫をする

ゼロウェイストとは、ゴミをできるだけ出さない暮らし方のこと。キャンプでも意識すれば、自然への負担を減らせます。

たとえば、筆者はキャンプ場でゴミを出さないために、以下のような工夫をしています。

  • 飲用水はペットボトルではなくマイボトルを持参し、調理用水は浄水機能のあるウォータージャグを使う
  • 食材は食べ切れるぶんだけ。量り売りやバラ売りのものを選ぶ
  • 使い捨てのものをではなく、洗って繰り返し使えるマイ食器やマイカップを使う

生ゴミは持ち帰るか、コンポストにまわすなど、自分にできる工夫から始めてみましょう。小さな工夫が、自然と一体になって過ごす楽しさにつながります。

2.現地の環境保全活動に参加する

カリフォルニアでサーフキャンプを楽しむなら、現地の環境保全活動に参加してみるのもおすすめです。旅の合間にビーチクリーンなどに参加すれば、地元の人々と交流しながら、訪れた海への感謝をかたちにできます。

たとえば、次のような団体では定期的にボランティアを募集しています。

ササンエリホ周辺:Surfrider Foundation(サーフライダー財団)
サンタバーバラ周辺:Santa Barbara ChannelkeeperExplore Ecology
州立公園:公式サイトにボランティア情報を掲載

事前に日程を確認しておけば、サーフキャンプの合間に環境活動も楽しめ、サーフィンがさらに充実した時間になります。

3.地元の店で買い物や食事をする

環境に優しい旅は、自然だけでなく、その土地の経済や文化にも目を向けることが重要です。滞在中の買い物や食事は、できるだけ地元の人が経営する店を選びましょう。あなたが使うお金は、地域の魅力を未来につなぐ力になります。

たとえば、筆者はサンエリホ滞在中は「カーディフ・シーサイド・マーケット(Cardiff Seaside Market)」で新鮮な地元の食材を調達します。カーペンタリアでは、町のデリ「ザ・フード・リエゾン(The Food Liaison)」でランチを買ったり、「リンコン・ブリュワリー(Rincon Brewery)」で地ビールを味わうのもおすすめ。ハラマビーチでは、名物の「ハラマバーガー」を食べることが、公園の運営を直接支えることにつながります。

大手チェーン店では味わえない地元ならではの味や人との出会いを楽しみながら、地域に貢献してみましょう。

サーフキャンプは、海と自然を満喫しながら環境にも配慮できる、新しい旅のスタイルです。今回、カリフォルニアのおすすめ3スポットと、すぐに実践できるエコアクションを紹介しました。次のサーフキャンプの計画に、ぜひ役立ててくださいね。

Kazumi Kawagoshi

ライター

Kazumi Kawagoshi

大学で国際文化・環境を学び、卒業後、小笠原父島で5年間の島暮らしを経験。現在、世界一高いレッドウッドの森と太平洋を望む米カリフォルニア州で21年目の生活を送る。休日は家族とサーフィンやキャンプを楽しんでいる。一児の母。ライター活動を通じ持続可能なくらしや地域文化の魅力を発信中。