夏の夜を彩る光と音。花火は、子どもから大人まで魅了する夏の風物詩です。けれど、美しい時間のあとに残るプラスチックごみや片付けの大変さに、少しモヤモヤしたことはありませんか? 若松屋の「エコパッケージ花火」は、プラスチックを使わず紙だけで包む、環境へのやさしさを大切にした花火。今回は、筆者が体験した「エコパッケージ花火」を中心に、環境へのやさしさを基準に選べるサステナブルな花火を紹介します。
プラスチックゼロで楽しむ、紙包みの「エコパッケージ花火」

出典:若松屋
若松屋の「エコパッケージ花火」は、プラスチックを使わず、すべてのパッケージに紙素材を採用したサステナブルな花火。環境にやさしいだけでなく、使いやすさや楽しさも兼ね備えています。ここでは花火の特徴と、実際に使ってみて感じた魅力をお伝えします。
見た目も中身もエコ。オール紙の花火パッケージ
紙に包まれたナチュラルでオシャレなデザイン。大きく印字された「eco」の文字から、環境にやさしい商品であることが一目で伝わってきます。外側のパッケージはもちろん、花火一本一本の個包装まですべて紙素材。束ねるテープまで紙製で、丁寧に仕切られており、中で絡まったり混ざったりすることもありません。
開封してみると、テープはするりと剥がれ、準備もスムーズ。包装ごみはわずか一握りほどで、プラスチックごみが出ないのも気持ちがいいポイントです。準備から片付けまでストレスがなく、ちょっとした感動を覚えるほど。実際に使ってみて、環境へのやさしさはもちろん、使う人にもやさしい花火だと実感しました。
資材・製造・輸送、すべての無駄を減らして
若松屋のエコパッケージ花火は、プラスチックをなくすだけでなく、製造や輸送の工程にも徹底したエコの工夫がされています。台紙や小袋を省くことで梱包の手間やエネルギーを削減し、パッケージをコンパクト化。一度に運べる数量が増え、輸送時の負担も大きく軽減されました。
さらに、取り組みの成果は数字にも表れています。同社の公式発表によると、2023年のリリースから紙1.8t(A4用紙約42万枚)、プラスチック0.8t(500mlペットボトル約2.6万本)もの資材を削減。続く2024年には生産数を増やし、紙15.6t(A4用紙約355万枚)、プラスチック6.2t(500mlペットボトル約20.7万本)の削減に成功しました。
実際に手に取ると、持ち運びの手軽さを実感できます。小さなバッグにもすっきり収まるので、キャンプやアウトドアへ持っていくときも快適です。見えない部分まで行き届いたエコ設計が、使う人にも心地よさを届けてくれますよ。
花火は従来品の20%増、遊び心はもっと増える
エコパッケージ花火は、同社の従来品に比べて本数が20%増量。パッケージの無駄を省いた分、本数を増やし、リーズナブルにたっぷり楽しめる仕様になっています。
私が選んだのは、54本入りの大容量タイプ。袋を開けると次々に花火が出てきて、子どもたちは「いっぱい入ってる」と大喜びでした。見た目はスッキリ、中身はぎっしりで、お得感もたっぷりです。準備や片付けの手間は減り、遊ぶ時間は増える、そんなうれしい体験を届けてくれる花火です。
エコ花火が教えてくれたこと

今回、若松屋のエコパッケージ花火を体験して感じたのは「花火はもっと手軽に、サステナブルに楽しめる」ということです。紙パッケージのおかげでごみが少なく、準備も片付けもスムーズ。花火の時間をよりゆったりと味わえました。
大量のプラスチックごみを出さずに済み、花火を気持ちよく終えられたことも感動的でした。さらに、ecoの文字が大きく印字されたパッケージに、子どもたちも興味津々。遊びながら「エコとは?」と話すきっかけになり、自然と環境や未来のことを考える豊かな時間になりました。
他にもある!自然素材やパッケージレスのエコ花火
エコパッケージ花火以外にも、サステナブルな視点で作られた花火があります。それぞれの花火が持つ個性やストーリーを知ると、選ぶ時間も、火を灯すひとときも、より特別なものになりますよ。
森を傷つけず、キャンプの夜を彩る花火「CAMPING HANABI」

出典:葛城煙火
花火業界で初めてエコ花火を誕生させ、ブームの火付け役となった葛城煙火の「CAMPING HANABI」。煙と音が少なく、静かな夜でも周囲を気にせず楽しめる花火です。パッケージや花火本体にはプラスチックを使わず紙素材のみを使用。遊んだ後は焚き火でそのまま燃やせるため、ごみを持ち帰る手間もありません。サイズもコンパクトで、荷物が多くなりがちなキャンプでも、持ち運びしやすいのがうれしいポイントです。
自然に囲まれたキャンプの夜、環境に負荷をかけず、心穏やかに花火を楽しむひとときを味わってみてはいかがでしょうか。
捨てないから生まれる、循環の光「たまRe:(たまり)」

出典:井上玩具煙火
井上玩具煙火の「たまRe:(たまり)」は、捨てられる卵の殻から作られた世界初の手持ち花火。廃棄されるはずだったものに新しい命が吹き込まれ、光となって夜空に舞う、そんな循環の物語が素敵です。
火を灯すと、卵殻ならではのあたたかなオレンジ色が広がり、ころんと丸みを帯びた火花がやさしく周囲を照らします。チタンを加えたタイプは透き通る輝きとパチパチとした優しい音を、アルミニウムを加えたタイプは小さな光の粒が流れ星のように舞い落ちる様子を楽しめますよ。
個性豊かな火花は、一つひとつじっくりと眺めたくなる美しさ。遊びながら自然と環境への思いを巡らせる、やさしい時間を届けてくれそうです。
透き通る、儚い美しさを演出「透花」

出典:筒井時正玩具花火製造所
90年以上の歴史を守り続ける老舗花火製造所が作り出す「透花」。その名の通り、美しく繊細な紙で作られ、火薬がほのかに透けて見えるが魅力です。火を灯すと、光がやさしく広がり、まるで一枚の絵のような幻想的な時間を演出してくれます。
花火の原料には、綿やパルプを使った植物由来の「アセチ」を採用。燃やしても二酸化炭素を増やさないバイオマスプラスチックで、環境にも配慮されています。
「透花」は、瞬間ごとに変わる光の表情が儚く、思わず見入ってしまう美しさ。環境へのやさしさと職人技が生み出す芸術的な一灯です。
ライター
AYA
静岡県出身。海と山に囲まれた自然豊かな環境で育ち、結婚後に、タイ・バンコクへ移住。病気がきっかけで、ヴィーガンのライフスタイルに目覚める。現在は、2児の母として子育てに奮闘しながら、人と環境にやさしいサステナブルな暮らしを実践中。自身の経験をもとに、ヴィーガン、環境問題、SDGsについて情報を発信している。