新潟県の弥彦山は、日本海や越後平野を一望できる絶景が魅力のヒルクライムスポットです。神秘的な弥彦神社や豊かな自然、アクセスのよさから、多くのサイクリストに親しまれています。この記事では、弥彦山ヒルクライムの魅力を、走行ルートや立ち寄りスポットとともに紹介。自然と地域に配慮した、サステナブルな楽しみ方もあわせてご案内します。

弥彦山とは?アクセスと特徴をチェック

弥彦山(やひこやま)は新潟県西蒲原郡弥彦村にある標高634mの山で、東京スカイツリーと同じ高さとしても知られています。山全体が「弥彦神社」の御神体とされており、古くから信仰の対象となってきました。

海と山に囲まれた地形で、日本海に沈む夕日や越後平野のパノラマを楽しめる絶景スポットでもあります。とくにヒルクライムが好きな人にとっては、登坂距離と標高差のバランスがよく、景観の変化に富んだルートが魅力的です。

また、アクセスのしやすさに加え、海沿いのルートや日本海沿岸へのアクセスが容易であり、ヒルクライムとシーサイドライドを組み合わせたライドが楽しめるスポットとして人気があります。

  • 住所:新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦3606-1
  • アクセス:JR弥彦線「弥彦駅」より登山口まで徒歩で15分・北陸自動車道「三条燕IC」より車で25分

絶景を駆け上がる|2つのヒルクライムルートを紹介

弥彦山をロードバイクで登るには「だいろ坂」を登るルート(通称:だいろ)と、「観音寺(かんのんじ)」側から登るルート(通称:観音寺)があり、いずれも異なる表情を見せてくれます。

筆者が主に楽しんでいるのは、観音寺から登る全長約10.4km、平均勾配は4.7%とやや長めのルートです。最大勾配が10%を超える箇所もありますが、道幅が広く路面も比較的良好なため、初心者でも走行しやすいと感じています。

序盤は杉林のなかを抜け、次第に視界が開けていく展開。アップダウンを繰り返しながら登り切った先の景色に、達成感はひとしおです。

一方、総合観光案内施設のいわむろや側からアプローチする「だいろ坂」は、全長約8km、平均勾配は6%前後のルートです。序盤は比較的緩やかで、中盤以降に勾配がやや増していくため、一定のペースで登りやすくなっています。

また、終盤には海を背にして登るような感覚になり、日本海の青と空のコントラストが心を打ちます。

どちらのルートも交通量は比較的少なく、自然のなかで集中して登りに没頭できるのが魅力です。晴れた日には山頂付近の展望駐車場から佐渡島を望めますよ。

以下の記事では、ヒルクライムの魅力を紹介しています。

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弥彦の自然や歴史にふれる立ち寄りスポット

ライドの前後にぜひ立ち寄りたいのが、弥彦神社です。

越後一宮として知られ、荘厳な雰囲気と緑に囲まれた境内は、心を落ち着かせてくれます。ライドの安全祈願をしてから登り始めるのもおすすめです。

また、弥彦山頂から利用できる弥彦山ロープウェイを使えば、同行者が自転車に乗らない場合でも一緒に絶景を楽しめるでしょう。

新潟の穴場スポットについて以下の記事で紹介しています。

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グルメで地元を味わう

登坂後のご褒美として、地元グルメを味わうのも弥彦ライドの楽しみのひとつ。観光も兼ねて立ち寄るのがおすすめです。

分水堂菓子舗(パンダ焼き)

弥彦駅から徒歩5分。駅前通り沿いにあり、輪行時やライド前後にも立ち寄りやすい場所に位置します。

見た目の可愛さとしっかりとしたあんこが特徴の「パンダ焼き」は、小腹を満たすのにぴったり。クリームや枝豆味など種類豊富で、手軽に楽しめる地元の名物です。

店舗情報

住所:〒959-0323 新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦1041−1
電話番号:0256-94-2282
営業時間:9:00〜16:00(なくなり次第終了)
定休日:水曜日
分水堂菓子舗

釜めし弥彦

弥彦神社の門前通りに位置し、神社参拝や観光の際にも立ち寄れます。

地元食材をふんだんに使った釜めしが人気。炊きたての香ばしいおこげとやさしい味付けは、ライド後の疲れた身体におすすめです。

店舗情報

住所:〒959-0323 新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦1127
電話番号:0256-94-2245
営業時間:11:00〜14:00,15:30〜20:00
定休日:水曜日

弥彦山山頂売店

登頂後すぐに立ち寄れる休憩スポットで、ベンチと展望スペースがあります。売店では、ドリンクや軽食が販売されており、絶景を眺めながら一息つけますよ。

登坂の達成感を味わいながら、おやつでリフレッシュしましょう。筆者のおすすめはコーヒーフロートです。

サステナブルに楽しむ弥彦山ライドの心得

自然豊かな弥彦山を走るうえで、環境への配慮は欠かせません。ごみを必ず持ち帰るのはもちろん、ハイカーやサイクリストとすれ違う際にはあいさつと譲りあいの心が大切です。

また、地元住民と方の交流を大切にし、交通マナーを守って走行すれば、サイクリストにとっても地域にとっても気持ちのよい環境が保たれます。駐輪の際は迷惑にならない場所を選びましょう。

サステナブルなサイクリング文化を育てていくために、小さな配慮が大きな価値になります。こうした行動を意識することで、自分自身のライドが気持ちよくなるだけでなく、ほかのサイクリストや地元住民、そして自然環境との調和を大切にした、持続可能な楽しみ方が実現できるのではないでしょうか。

これからも『楽しむ』と『守る』を両立する姿勢で、弥彦山ライドを楽しみたいと考えています。

標高以上の満足感が得られる弥彦山ヒルクライム。絶景、歴史、地元とのふれあいがギュッと詰まったサイクリングは、自然と心もリフレッシュできます。新潟を訪れたら、ぜひバイクと一緒におすすめの弥彦山を楽しんでください。

yomec(よめしー)

ライター

yomec(よめしー)

自然豊かな新潟県在住、夫婦でロードバイクを楽しんでいる自転車ライター。子育てしながらトレーニングする方法を日々模索中です。今ではヒルクライムを中心としたレースが家族旅行に。愛車はSPECIALIZEDとBROMPTON。夫婦での所有スポーツバイクはなんと8台。ファミリーでも楽しめる自転車の魅力を発信します。