ロードバイクで長く快適に走るために欠かせないのが補給食です。成分はもちろん大切ですが、持ち運びやすく、ゴミを最小限に抑えられる補給食を選べば、快適でエコなサイクリングにつながります。この記事では補給の適切な頻度やおすすめ食品に加えて、ゴミを減らす工夫も紹介します。
ロードバイクに「補給」は欠かせない
ロードバイクでの50kmを超えるコースや2時間以上に及ぶライドでは、走行中にエネルギーや水分を効率よく摂取できる「補給食」が必要です。
長時間、長距離のライドでは体内の糖質(エネルギー源)が消耗されるため、定期的に補給を行わないとハンガーノック(極度のエネルギー不足)に陥るリスクがあります。
ライド前・途中・後の適切なタイミングで補給すれば、パフォーマンスの維持や疲労の軽減が期待できますよ。
補給の基本:頻度とエネルギー量を知ろう
ロードバイクでの補給は、摂取するタイミングと内容が大切です。ライドの時間や強度にあった量や、内容について考えてみましょう。
ライド中の補給は「1時間に200〜300kcal」が目安
サイクリングでのエネルギー切れを防ぐには、1時間に200〜300kcalの補給が目安とされています。少ない量でカロリーが摂取できるジェルやようかんを活用し、さらに糖質を含むドリンクを飲むとよいでしょう。
ただし、ライド強度や体質によって必要なカロリーが変わるので、その日のライドに併せて補給内容を選んでくださいね。
汗をかくと塩分も必要です。以下の記事ではアウトドア向け塩入りキャンディ・グミを紹介しています。
30分ごとに少量ずつ摂るのが理想
補給食は1度に大量に食べるのではなく、30分ごとに少量ずつこまめに摂るのが理想です。大量な摂取は消化に負担がかかり、腹痛やパフォーマンスの低下につながる恐れがあります。
ライド中の血糖値を安定させ、持久力を保つためにも定期的な補給が大切です。
水分補給と同じく、“早めに”がポイント
ライド中の補給はタイミングが重要で、お腹が空いてからでは遅いといわれています。とくにヒルクライムやロングライドなど負荷の高いライドでは、補給のリズムを整えることでパフォーマンスが大きく変わります。
水分補給と同様に、早め早めの意識を持って、エネルギー切れを防ぎましょう。
ごみを出しにくい補給食のポイント
快適なライドでは補給食のゴミをいかに減らすかも大切なポイントです。走行中はゴミ箱が見つからなかったり、収納スペースが限られていたりと、ゴミの扱いに困る場面を経験しています。
スマートなライドに適した補給食の選び方をまとめました。
【ポイント1】小さくまとまるパッケージ
食べ終わったあとにコンパクトにたためる包装は、ジャージのポケットにもスッキリ収まり、かさばりません。
まとまらないものは、ポケットからはみ出して風で飛ばされる危険があるため要注意です。たたみやすいアルミパウチタイプや細長いタイプのパッケージがおすすめです。
【ポイント2】手が汚れにくい形状
補給で手を汚すと、バーテープやサイクルグローブがベタついて不快です。ハンドル操作にも影響を及ぼす恐れがあるため注意が必要です。
ウェットティッシュを持参するのは荷物になりますし、手洗い場が近くにあるとは限りません。開封後に直接口に入れられるジェルやドリンクタイプなら、汚れを気にせず安心です。
【ポイント3】飲み切り・食べ切りしやすい内容
途中で補給食が余ると再封が必要になり、ごみが増えがち。適量で一度に食べきれるサイズの補給食なら、残さずゴミを最小限にできます。風で飛ばされるリスクも防げるため、ライド中のストレスも減らせますね。
ゴミを減らす工夫と持ち運び術
どれだけ工夫しても、補給をすれば多少のゴミは出てしまうものですが、走行中にゴミをポイ捨てするのは絶対NG。
そこで、筆者が実際に行っている、ライド中のゴミをスマートに処理するための工夫を紹介します。
ゴミ袋の代わりに保存用袋を活用
ライド用の専用ゴミ袋をもつのもいいですが、軽量かつ密閉できるジッパー付き保存袋はとても便利。使用済みの補給食をパッケージごと入れてもニオイ漏れやベタつきを防げて、ほかの荷物を汚しません。
使い終わったらそのまま家庭ゴミとして処分してもよいですし、洗って再利用もできます。
ポケットやサドルバッグに「ゴミ入れスペース」を確保
補給食やツールだけでなく、あらかじめ「ゴミ用のスペース」を確保しておくのもひとつの方法です。
ジャージにいくつかある背面ポケットの片側をゴミ専用にしたり、サドルバッグに小さな袋を忍ばせておいたりするなど、事前のちょっとした準備でライドが快適になります。
筆者おすすめ!ゴミが出づらい補給食4選
Mag-on(マグオン)エナジージェル
ロードバイクに必要なエネルギーとマグネシウムが同時に摂れるジェルタイプの補給食。開け口がしっかりしているためライド中でも開けやすいと定評があります。
飲みきりサイズでゴミが最小限にできるのもうれしいポイント。傷みにくいため、レース時のお守りとして所持しておくにもおすすめです。
井村屋 スポーツようかん
押し出すだけで手を汚さず食べられる構造が便利な井村屋のスポーツようかんです。低脂質でカロリーの高いようかんは、ロードバイク補給食の常識ともいえます。
やさしい甘さとしっとりした食感は、乾いた口腔内でも食べやすいのが特徴です。疲れて食べ物が通りにくくなるロングライドのお供に適しています。
おにぎり・サンドイッチなど手作り
手作りの補給食を持参する方法があります。塩おにぎりや、ピーナッツバターサンドイッチは筆者定番の補給食です。
手作りは、ラップやワックスペーパーで包めばゴミが少なく済み、カロリーや塩分の調整も自在にできます。エコかつ経済的で、補給の内容も自分好みにできるのは魅力的。ただし手作りは傷みやすいため、暑い季節などは注意が必要です。
カロリーを追加したドリンク
ライド中に食欲がわかない、ついつい食べるのを忘れてしまうといった人には、ドリンクにカロリーを足す方法がおすすめです。
筆者もライド中に食べるのが苦手で、この方法を取り入れています。でんぷんを加水分解したマルトデキストリンなどは水に溶けやすく、吸収も速いためよく活用しています。出先では、スポーツドリンクが取り入れやすいですね。
ライター
yomec(よめしー)
自然豊かな新潟県在住、夫婦でロードバイクを楽しんでいる自転車ライター。子育てしながらトレーニングする方法を日々模索中です。今ではヒルクライムを中心としたレースが家族旅行に。愛車はSPECIALIZEDとBROMPTON。夫婦での所有スポーツバイクはなんと8台。ファミリーでも楽しめる自転車の魅力を発信します。