三浦半島の南端にある「岩礁のみち」でハイキングをしてきました。想像以上に迫力ある岩壁や奇岩、波打つ海底の地層など見どころ満載です。歩きながら小魚やカニを探してみたり貝殻を拾ったりできるので、子ども連れで行くのも楽しいでしょう。また、標識が細かく設置されていて道迷いの心配もありません。山歩きとはちょっと違った楽しみ方ができるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
関東ふれあいの道のひとつ!岩礁のみち
関東ふれあいの道とは、一都六県を1周する長距離の自然歩道で、日帰りコースが160コースもあります。岩礁のみちは神奈川県コースのひとつ。一面に広がる田園風景や迫力ある岩肌や奇岩を眺めながらハイキングができますよ。
基本情報
日程 | 日帰り |
コース距離 | 約10,3km |
コースタイム | 約3時間 |
コース | 松輪バス停→間口漁港→剱崎→江奈湾の干潟→白浜毘沙門天→毘沙門洞窟→盗人狩→宮川湾→宮川町バス停 |
参考 | 三浦市HP |
アクセス
電車
① | 京浜急行「三浦海岸」下車、京急バス2番乗り場「海34」剱崎行きまたは、「海35」剱崎経由三崎東岡行きバスで「松輪」バス停下車 約15分 |
② | 「三浦海岸」下車 タクシーで「松輪」バス停付近まで |
車
駐車場がないので、コース上の各ポイント付近の駐車場を検索してスタートするのもよいでしょう。
① | 「三浦海岸」周辺のパーキング→剱崎行きまたは、剱崎経由三崎東岡行きバスで「松輪」バス停下車 約15分 |
② | 「三崎湾」周辺の駐車場→「海35」剱崎経由のバスで「松輪」バス停下車 約22分 |
③ | 間口漁港・間口地区駐車場→間口漁港 徒歩約1分(帰りは「宮川町」からバスに乗り「松輪」バス停下車、駐車場まで徒歩約22分) |
④ | 駐車場から「松輪」バス停付近までタクシー |
波の音と風を感じながら歩く!岩礁のみちコースを紹介
3月初旬に歩いた「岩礁のみち」を紹介します。とくに春は秋や歩きやすい季節なのでおすすめですよ。
大根畑を抜けて松輪漁港からスタート!
三浦海岸の駅から「海34」の剱崎行きのバスに乗り「松輪」で下車しました。バスの本数が1時間に1本くらいしかないので、電車の到着時間とバスの出発時間をあらかじめ調べておくのがおすすめです。
バスを降りたら「関東ふれあいの道」のコース案内板と「松輪間口漁港」の看板があるので、矢印の方向に進みましょう。青々とした葉が並ぶ大根畑の間を通り、民家を抜けると間口漁港に到着します。
漁港には船が立ち並び、「関係者以外立入禁止」の張り紙がありますが、ハイキングは許可されているのでご心配なく。奥まで行くと堤防脇に階段があるので、ここから海沿いに出ましょう。
龍神伝説が残る剱崎
階段を降りると目の前には海と岩礁が広がり、左手に間口港灯台が見えます。ここから「かながわの景勝50選」に指定されている剱崎(つるぎさき)へ。
剱崎には、江戸時代のころ荷物を積んだ船が暴風で沈没したため、剱を海へ投げ龍神の怒りを鎮めたという龍神伝説があり名前の由来にもなっています。
また、高台には「剱崎灯台」が建ち、その崖の下には「竜神祠」で龍神様が祀られていますよ。
今も残る天然の江奈湾の干潟
剱崎から海沿いをそのまま歩き、江奈湾(えなわん)へ。天然の干潟にはヨシやアマモの群落があるため、透明度が高く綺麗でした。水鳥も多くかわいい姿が見られますよ。
海岸を抜けると江奈ヴィレッジがあるので、食事をしたりトイレ休憩をしたりするのもよいでしょう。
三浦七福神のひとり白浜毘沙門天
白浜毘沙門天(しらはまびしゃもんてん)に行くには、一度海辺から国道に出ます。標識に従って歩いていくと「藤源商店」があり、飲み物の補給やトイレも貸してくださいました。
途中にトンネルと坂の分岐があります。白浜毘沙門天は坂道側なので、間違えないようにしましょう。
厄よけの神様なので、お参りしました。神社の扉は開け閉め自由ですが開けたらしっかりと閉めてくださいね。
弥生時代の住居跡!毘沙門天洞窟
神社を過ぎると再び浜辺へ戻ります。砂浜ではデイキャンプをする人たちがちらほらいました。あたりを見渡すとぽっかり空いた洞窟を発見!
この洞窟は、波のうねりによる浸食で形成された海蝕洞(かいしょくどう)です。神奈川県指定史跡に定められており、弥生時代〜平安時代に住居や墳墓として利用されていました。実際に洞窟からは、農耕道具や鹿角製の釣針などの遺跡が発見されている貴重な場所です。
迫力ある断崖と逆巻く入江!盗人狩
そのまま海沿いを進むとアスレチックのような箇所を通り、再び一般道に出てから標識に従って漁港へ入ります。波打つ不思議な岩礁の先には、このコースのメインスポットがあります。かながわの景勝50選にも選定されている、三浦を代表する景勝地です。
この地名の由来は昔、この迫力ある断崖絶壁に追いつめられた盗賊が渦巻く大波を前に足がすくみ、ついに捕らえられたことから「ぬすっとがり」と名付けられました。
ゴールはフィッシャリーナの宮川湾
沢山のボートが見えたらゴールです。宮川町バス停までは歩いて5分ほどですが、バスは1時間に1本しかないので、前もって時間を調べて調整しておくとよいでしょう。
時間や体力がある人は約30分歩くと三崎湾に着くので、マグロなどを堪能するのもおすすめです。
ハイキング前に注意するポイント
岩礁のみちへハイキングするときは、山道とはちょっと違う注意が必要です。
その日の潮位や波をチェックする
筆者がハイクした時間帯は干潮だったので問題なく通行できましたが、満潮や高波のときは通行できない場合があります。あらかじめその日の潮や波の高さをチェックしましょう。その日の状況次第では、迂回ルートなどを利用してくださいね。
防水性の靴がおすすめ
干潮時は靴が濡れるような箇所はないので心配いりませんが、潮が満ちてくると濡れる場合があるので防水性のある運動靴がおすすめです。登山靴はもちろんOKですが、スニーカーでも問題ありません。
ただし、苔や濡れた岩など滑りやすい箇所もあったので、グリップがきくものだとより安心ですよ。
ライター
yuki
幼少期からキャンプや釣り、スキーなどを楽しむアウトドアファミリーで育つ。10代後半は1人旅にハマりヨーロッパや北米を中心としたトラベラー期となる。現在もスキー、スノーボード、ダイビングなど海や山で活動中。「愛する登山」は低山から厳冬期の雪山まで季節問わず楽しむhike&snowrideなスタイル。お気に入りの山は立山連峰!Greenfield登山部/部長の任命を受け部活動と執筆活動に奮闘中。