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焚き火で飛んだ火の粉で、お気に入りの服に穴を開けてしまった経験はありませんか?今回紹介するのは火に強く、タフで長く着用できるオイルドコットンジャケットです。その魅力と使用の際の注意点、メンテナンス方法もご紹介します。

そもそもオイルドコットンジャケットとは?

オイルドコットンジャケット

オイルドコットンジャケットとは、コットンをオイル(ワックス)で表面加工したオイルドコットン素材のジャケットです。表面はしっとりとした手触りで、うっすらと光沢があり、優れた耐水性・防風性・耐久性があります。

生まれたのは1800年代終わりごろのイギリス。今のように完全防水の化繊素材がなかった当時、漁業など、湾岸での仕事に従事する人の間で、機能性を高く評価され、人気を誇りました。大戦中にはイギリス軍の防水服として採用されていた歴史もあります。

今ではイギリスを代表するジャケットととして、トラッドなファッションを好む人や、アウトドア好きの間で注目を集めています。

オイルドコットンジャケットの4つの魅力

主に化繊のアウトドアジャケットとの違いを説明しつつ、オイルドコットンジャケットの魅力に迫ります。

①焚き火に適している

オイルドコットンジャケットは焚き火での着用に適したジャケットです。ベースの素材がコットンのため、たとえ火の粉が飛んでも、すぐに手で払えば、穴が空かないからです。

一方、ナイロンやポリエステル素材の一般的なアウトドアジャケットは、可燃性が高く、焚き火の前で着用すると、火が燃え広がる恐れがあります。火の粉が触れると、一瞬で穴が空いてしまうのも気がかりになるでしょう。

オイルドコットンを着て焚き火をすれば、よけいな気を使わずに、焚き火により集中できますよ。

②アウトドアジャケットに求められる十分な防水・防風性がある

オイルドコットンジャケット

オイルドコットンジャケットには完全防水に近い防水性があります。素材に浸み込んだオイルが水をはじき、雨に降られても水はジャケットの表面を玉になって流れていきます。

また、風を一切通さないため、冷たい風に吹かれても平気。内側をあたたかく保ち、風による体温の低下を防いでくれます。冬場にはキャンプ用のアウトドアジャケットとして重宝するアウターです。

③メンテナンスすれば一生ものになる

化繊のアウトドアジャケットは、ポリウレタン(PU)などでコーティングを施すことで、生地の表面にバリアを作り、撥水性を向上させています。ただし、コーティングは早ければ1〜2年、遅くとも3年〜5年たてば、経年劣化して使いものにならなくなってしまいます。

もちろんオイルドコットンジャケットも使用にともない、生地は劣化していくもの。ただし、再度オイルを塗りこみコーティングすれば、化繊のアウトドアジャケットよりも長い年月使用できるのです。

また、多くのオイルドコットンジャケットは、厚手で高品質なコットンを使用しており、非常に頑丈。もともと頑丈な素材に、オイルでコーティングし、さらに耐久性を高めているのです。

そのため、引き裂きにも強く、キャンプ中に木の枝などに引っかかっても、ものともしません。ある程度ラフに扱えるのも、アウトドアでの使用に向いているポイントです。

④経年変化を楽しめる

 オイルドコットンジャケット

オイルドコットンはジーンズのような経年変化を楽しめるのも魅力。使用にともなって、オイルが部分的に抜けて色落ちし、着こむほどに愛着のわく一着になります。

肘などの擦れる箇所にしわができ、とくに色落ちがみられ、独特のアタリが楽しめますよ。 

オイルドコットンジャケットの注意点

オイルドコットンジャケット

オイルドコットンジャケットは、ほかのジャケットと比べるとクセの強いアウターです。着用時の注意点をお伝えします。

一般的なアウターにくらべて重い

オイルドコットンジャケットは、化繊のアウターや、ダウンジャケットなどにくらべると重く、長時間着用すると疲れることがあります。軽量なアウターの着用に慣れている人は、ズシッと来る重みがあるため、はじめは違和感を覚えるでしょう。

独特のにおいがある

オイルドコットンジャケットには、オイル独特のにおいがあります。車や電車のなかなど、風通しの悪い場所ではとくに際立つため、周りへの配慮が必要になります。

オイルがほかの衣類に移る

ジャケットの内側にはしっかりとした裏地があり、なかに着たシャツなどの衣類にオイルが移る心配はありません。ただし、表地の表面に浸み込んだオイルは、密着すると、ほかの衣類に移るため注意が必要です。

クローゼットにしまう際はカバーをする、着用したまま混雑した場所には行かないようにする、などして対策しましょう。

オイルドコットンジャケットのメンテナンス方法

オイルドコットンジャケット

オイルドコットンジャケットは日常的かつ定期的なメンテナンスを欠かさなけえば、長く付き合える相棒になります。

日常的なメンテナンス

日常的なメンテナンスとは「よごれ落とし」です。オイルドコットンは基本的に丸洗いができない素材。洗剤などを使って洗ってしまうと、オイルが抜け落ちてしまいます。汚れを取るには、水を含ませ、硬く絞ったぞうきんやスポンジで表面をこすりましょう

定期的なメンテナンス

定期的なメンテナンスとは「リプルーフ」のこと、リプルーフとはオイルドコットンに再度オイルをしみこませる作業です。ジャケット表面の独特のてかりが無くなってきたらリプルーフのタイミング。市販の専用ワックスを使用しましょう。

作業はかんたんです。ワックスを布やスポンジにつけ、表面に塗りこんでいくだけです。袖や肘、背中などのよく擦れる部分は、油が抜け落ちやすいため、念入りに塗り込みましょう。すべて塗り込んだら、ドライヤーを表面にかければ、ワックスが生地の奥まで浸み込みます。

冬季にはワックスが容器のなかで固まり、塗り込むのが困難になります。作業に入る前に、ワックスが入った容器ごと湯煎しあたため、溶かしてから使用しましょう。

メンテナンスを欠かさず行えば、長く着れるのはもちろんのこと、愛着がさらに増しますよ。

オイルドコットンジャケットは耐水性・防水性に優れるジャケットです。火の粉が飛んでも燃えにくく、焚き火の際に着用できます。メンテナンスが必要だったり、独特のにおいがあったりと、クセはあるものの、キャンプシーンにぴったりのアウター。大切にすれば、長く着用できます。存在感があるアイテムなので、ファッションの主役としてもGOOD。記事を読んで興味が沸いたらぜひチェックしてみてくださいね。

ライター

のまどう

キャンプとハイキングをこよなく愛するキャンプ場スタッフです。ニュージーランドのグレートウォークやヒマラヤのトレイルを歩いた経験があります。いつかアメリカのロングトレイルも歩いてみたい…。